ぞっとする ぞっとしない この言い方で、意味が異なる。ぞっとするのは、その対象から受け取った反応となるから、オノマトペの表現が自らの内心にある。それを打ち消すと、うちに起こる感情を起こさせる対象ではないので、それ自身に対して感慨を催さない。そこで、ぞっとしないのは、興味が持てなくなる、いわば面白くもないというわけである。その対象に、恐怖を覚えるのは、ぞっとするという表現にふさわしい思いとなるから、いわば、ぞっとして、ぞくっとして、ぞくぞくっとするようなことである。ぞっとする、ぞーっとする、といえば、その恐怖感が現れてくる。それを、ぞっとしない、というふうに打ち消せば、ぞっとしなかったのは、ぞーっとも、ぞくぞくっともしなかったのである、という感情をとらえることになる。怖くも何ともなかった、というのであろう。表現法により、オノマトペの使用範囲が広くなったこと、それはアニメ、ゲームキャラにおいても、その場面における吹き出しとなって、若い世代に浸透しているのだろう。
ぞっとし◦ない
おもしろくない。あまり感心しない。「引出物にするには―◦ない品だ」
[補説]文化庁が発表した平成18年度「国語に関する世論調査」では、「今の映画は、余りぞっとしないものだった」を、本来の意味とされる「おもしろくない」で使う人が31.3パーセント、本来の意味ではない「恐ろしくない」で使う人が54.1パーセントと、逆転した結果が出ている。
⇒ぞっとの全ての意味を見る
出典:デジタル大辞泉
http://prmagazine.bunka.go.jp/pr/publish/bunkachou_geppou/2013_02/series_10/series_10.html
連載 「言葉のQ&A」
「ぞっとしない」の意味
>」
国語課
「ぞっとしない話」のように使われる「ぞっとしない」。「国語に関する世論調査」でこの言葉の意味を尋ねたところ,本来の意味とは違う意味で使う人が多いことが分かりました。
問1 「ぞっとしない」とは,本来どのような意味なのでしょうか。
答 面白くない,という意味です。
「ぞっとしない」を辞書で調べてみましょう。
「日本国語大辞典 第2版」(平成12~14年・小学館)
ぞっとしない
特に驚いたり感心したりするほどではない。あまり感心しない。いい気持ちがしない。
「広辞苑 第6版」(平成20年・岩波書店)
ぞっとしない
それほど感心したり面白いと思ったりするほどでもない。
「ぞっとしない」の「ぞっと」の意味も確かめておきましょう。
「日本国語大辞典 第2版」(平成12~14年・小学館)
ぞっと(副)
(1)恐ろしさで身の毛がよだつさま,極度の恐怖から,からだがふるえあがるような感じのするさまを表す語。
(2)美しいものに出あったりして,強い感動が身内を走り抜けるさまを表す語。
(3)寒さでからだがふるえあがるさまを表す語。
「ぞっとしない」は「面白くない」「感心しない」という意味の言葉です。「ぞっと」という副詞は,主に恐怖によって寒気を感じるようなときに用いますが,「―しない」の形になったときの「ぞっと」は,「怖い」「恐ろしい」という意味ではありません。文学作品の中に用例を探してみましょう。
これは先月の幾日だったかな? 何でも月曜か火曜だったがね。久しぶりに和田と顔を合せると,浅草へ行こうというじゃないか? 浅草はあんまりぞっとしないが,親愛なる旧友のいう事だから,僕も素直に賛成してさ。
(芥川龍之介 「一夕話」 大正11年)
「僕」は,旧友の提案について,浅草は余り面白くないと思いながらも素直に受け入れた,ということを言っています。「浅草はあんまり恐ろしくないが」と受け取っては,意味が通じません。これが「ぞっとしない」の本来の使い方です。
ぞっとし◦ない
おもしろくない。あまり感心しない。「引出物にするには―◦ない品だ」
[補説]文化庁が発表した平成18年度「国語に関する世論調査」では、「今の映画は、余りぞっとしないものだった」を、本来の意味とされる「おもしろくない」で使う人が31.3パーセント、本来の意味ではない「恐ろしくない」で使う人が54.1パーセントと、逆転した結果が出ている。
⇒ぞっとの全ての意味を見る
出典:デジタル大辞泉
http://prmagazine.bunka.go.jp/pr/publish/bunkachou_geppou/2013_02/series_10/series_10.html
連載 「言葉のQ&A」
「ぞっとしない」の意味
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国語課
「ぞっとしない話」のように使われる「ぞっとしない」。「国語に関する世論調査」でこの言葉の意味を尋ねたところ,本来の意味とは違う意味で使う人が多いことが分かりました。
問1 「ぞっとしない」とは,本来どのような意味なのでしょうか。
答 面白くない,という意味です。
「ぞっとしない」を辞書で調べてみましょう。
「日本国語大辞典 第2版」(平成12~14年・小学館)
ぞっとしない
特に驚いたり感心したりするほどではない。あまり感心しない。いい気持ちがしない。
「広辞苑 第6版」(平成20年・岩波書店)
ぞっとしない
それほど感心したり面白いと思ったりするほどでもない。
「ぞっとしない」の「ぞっと」の意味も確かめておきましょう。
「日本国語大辞典 第2版」(平成12~14年・小学館)
ぞっと(副)
(1)恐ろしさで身の毛がよだつさま,極度の恐怖から,からだがふるえあがるような感じのするさまを表す語。
(2)美しいものに出あったりして,強い感動が身内を走り抜けるさまを表す語。
(3)寒さでからだがふるえあがるさまを表す語。
「ぞっとしない」は「面白くない」「感心しない」という意味の言葉です。「ぞっと」という副詞は,主に恐怖によって寒気を感じるようなときに用いますが,「―しない」の形になったときの「ぞっと」は,「怖い」「恐ろしい」という意味ではありません。文学作品の中に用例を探してみましょう。
これは先月の幾日だったかな? 何でも月曜か火曜だったがね。久しぶりに和田と顔を合せると,浅草へ行こうというじゃないか? 浅草はあんまりぞっとしないが,親愛なる旧友のいう事だから,僕も素直に賛成してさ。
(芥川龍之介 「一夕話」 大正11年)
「僕」は,旧友の提案について,浅草は余り面白くないと思いながらも素直に受け入れた,ということを言っています。「浅草はあんまり恐ろしくないが」と受け取っては,意味が通じません。これが「ぞっとしない」の本来の使い方です。