0312 亡き家族に誓う
東日本大震災3年 止まった故郷「私は変わる」 中日新聞20140312トップ記事 見出しである。リードには、死者一万五千八百八十四人、行方不明者二千六百三十三人を出した東日本大震災から三年を迎えた十一日、被災各地で追悼行事があった、とある。記事の中に大きく、浪江の看護師 亡き家族に誓う とある。その左の記事には、「未来へ語り伝える」 政府主催追悼式で遺族 と見える。下段の記事見出しは、教委見直し自公合意 主張権限大幅に強化 と見える。中日春秋は福島の詩人、その詩を紹介して <地の震えのなかで/時の震えのなかで/その計り知れなさを知る/腕時計を一分だけ遅らせる/原子力の爆発のなかで/放射線の雨のなかで/その恐怖を知る 腕時計を/一時間も十時間も遅らせる…>
中日春秋
2014年3月12日
<地の震えのなかで/時の震えのなかで/その計り知れなさを知る/腕時計を一分だけ遅らせる/原子力の爆発のなかで/放射線の雨のなかで/その恐怖を知る 腕時計を/一時間も十時間も遅らせる…>
▼福島の詩人、和合亮一さんの詩集『ふたたびの春に』にある「腕時計」だ。二〇一一年三月十一日午後二時四十六分のように、私たちの時計に刻んでおきたい時刻がある。翌十二日の午後三時三十六分だ
▼頭の中の時計を三年前の今日に巻き戻してみる。その日の朝刊一面の大見出しは、<地震津波 死者千人超す>。その下に<原子力緊急事態を宣言>とあり、官房長官の発言が載っている。「放射能は炉の外には漏れていない。環境に危険は発生していない」
▼だが私たちは目撃することになる。午後三時三十六分、福島第一原発1号機の原子炉建屋は爆発した。目に見えぬ放射能拡散の恐ろしさがテレビ画面の中で顕(あら)わになった。取り返しのつかぬ人災が起きたことを確かに目にした
▼「腕時計」の続きを読む。<友や知人の家族が/波に流されてしまい/その無惨さを知る/腕時計をさらに遅らせる/三十年も 十万年も/放射線の影は/消えないらしい/腕時計が狂う>
▼大震災の余震は、まだ続いている。放射能の汚染も、続いている。その計り知れなさを知れば、時計をやすやすと進めることはできないだろう。
東日本大震災3年 止まった故郷「私は変わる」 中日新聞20140312トップ記事 見出しである。リードには、死者一万五千八百八十四人、行方不明者二千六百三十三人を出した東日本大震災から三年を迎えた十一日、被災各地で追悼行事があった、とある。記事の中に大きく、浪江の看護師 亡き家族に誓う とある。その左の記事には、「未来へ語り伝える」 政府主催追悼式で遺族 と見える。下段の記事見出しは、教委見直し自公合意 主張権限大幅に強化 と見える。中日春秋は福島の詩人、その詩を紹介して <地の震えのなかで/時の震えのなかで/その計り知れなさを知る/腕時計を一分だけ遅らせる/原子力の爆発のなかで/放射線の雨のなかで/その恐怖を知る 腕時計を/一時間も十時間も遅らせる…>
中日春秋
2014年3月12日
<地の震えのなかで/時の震えのなかで/その計り知れなさを知る/腕時計を一分だけ遅らせる/原子力の爆発のなかで/放射線の雨のなかで/その恐怖を知る 腕時計を/一時間も十時間も遅らせる…>
▼福島の詩人、和合亮一さんの詩集『ふたたびの春に』にある「腕時計」だ。二〇一一年三月十一日午後二時四十六分のように、私たちの時計に刻んでおきたい時刻がある。翌十二日の午後三時三十六分だ
▼頭の中の時計を三年前の今日に巻き戻してみる。その日の朝刊一面の大見出しは、<地震津波 死者千人超す>。その下に<原子力緊急事態を宣言>とあり、官房長官の発言が載っている。「放射能は炉の外には漏れていない。環境に危険は発生していない」
▼だが私たちは目撃することになる。午後三時三十六分、福島第一原発1号機の原子炉建屋は爆発した。目に見えぬ放射能拡散の恐ろしさがテレビ画面の中で顕(あら)わになった。取り返しのつかぬ人災が起きたことを確かに目にした
▼「腕時計」の続きを読む。<友や知人の家族が/波に流されてしまい/その無惨さを知る/腕時計をさらに遅らせる/三十年も 十万年も/放射線の影は/消えないらしい/腕時計が狂う>
▼大震災の余震は、まだ続いている。放射能の汚染も、続いている。その計り知れなさを知れば、時計をやすやすと進めることはできないだろう。