122 日本語に複数形はありますか
単語の意味と形式に、日本語には複数形の別がないと、説明することがある。
英語学習を始めてすぐに英単語には単数複数の別があると学習して、日本語に単複の数の扱いがないことを知る。
問いのように複数形を文法の規則として持つかどうかとなると、日本語に複数形があるのは語彙としてあるとなる。
しかし、それは限られてくる。
物をみて、すぐに、それが一つであるか、二つであるかを言語にあらわそうとすることはない。
コップが一つ、コップが二つ、複数のコップ、というように、コップという名詞に、コップたち、こっぷなど、その言い分けをすることは表現上のことである。
人間を数えるにも、一人二人三人と数えて、その人間という名詞が単数であるか複数であるかは文脈によって理解するので、文法の形式によって表わされない。
人間たち、人間ども、人間ら、となるのは、複数の意味をとらえるが、そのどれをも場面に応じた表現としてあって、*3人間たち、と言うことはない。
日本語のもののとらえ方において、単数複数を言語の区別にあらわさなかった、と言うように説明することになるが、これは、漢字を語彙として、その語に単複をあらわす語形変化がないことをもって、そのままに受け入れたためである。
因みに、英語の使い分けを議論して、その言い訳にも表現上の意味があることを知る。
読売オンライン、発言小町より。
http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2013/0202/570828.htm
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Q
1、私は本を読みます。 I read a book. / I read books.
2、私は歌を歌います。 I sing a song. / I sing songs.
1、2それぞれの文、どちらも正しい文でしょうか?
正しい場合、どのように単数と複数を使い分ければいいでしょうか?
A
表す意味が変わります。
I read a book.「ある(一冊の)本を読む」 詳細は不明
I read books. 「本を読む」 一般的な表現
I sing a song. 「ある(一曲の)歌を歌う」何を歌うか不明
I sing songs.「歌を歌う」一般的な表現
ざっとですが、冠詞の使い分け例として:
I like dogs.「犬が好き」ペットとして等
犬好きの人は種類も数も気にせず好きだから複数
I like a dog.「ある(一匹の)犬が好き」「何でもいいから一匹の犬が好き」
どんな犬か、詳細は不明
「(ペットとして)犬が好き」の意味にはならない
I like the dog.「(あなたも知ってるあの)犬が好き」
theが付くと話し手・聞き手の両者が了解している対象
「(ネコではなく)イヌが好き」の解釈も可
I like the dogs. 上記の単数形
I like dog.「犬の肉が好き」
数えられる名詞なのに複数形でない、冠詞も付かない
=犬の形をしていない犬=犬の肉
単語の意味と形式に、日本語には複数形の別がないと、説明することがある。
英語学習を始めてすぐに英単語には単数複数の別があると学習して、日本語に単複の数の扱いがないことを知る。
問いのように複数形を文法の規則として持つかどうかとなると、日本語に複数形があるのは語彙としてあるとなる。
しかし、それは限られてくる。
物をみて、すぐに、それが一つであるか、二つであるかを言語にあらわそうとすることはない。
コップが一つ、コップが二つ、複数のコップ、というように、コップという名詞に、コップたち、こっぷなど、その言い分けをすることは表現上のことである。
人間を数えるにも、一人二人三人と数えて、その人間という名詞が単数であるか複数であるかは文脈によって理解するので、文法の形式によって表わされない。
人間たち、人間ども、人間ら、となるのは、複数の意味をとらえるが、そのどれをも場面に応じた表現としてあって、*3人間たち、と言うことはない。
日本語のもののとらえ方において、単数複数を言語の区別にあらわさなかった、と言うように説明することになるが、これは、漢字を語彙として、その語に単複をあらわす語形変化がないことをもって、そのままに受け入れたためである。
因みに、英語の使い分けを議論して、その言い訳にも表現上の意味があることを知る。
読売オンライン、発言小町より。
http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2013/0202/570828.htm
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Q
1、私は本を読みます。 I read a book. / I read books.
2、私は歌を歌います。 I sing a song. / I sing songs.
1、2それぞれの文、どちらも正しい文でしょうか?
正しい場合、どのように単数と複数を使い分ければいいでしょうか?
A
表す意味が変わります。
I read a book.「ある(一冊の)本を読む」 詳細は不明
I read books. 「本を読む」 一般的な表現
I sing a song. 「ある(一曲の)歌を歌う」何を歌うか不明
I sing songs.「歌を歌う」一般的な表現
ざっとですが、冠詞の使い分け例として:
I like dogs.「犬が好き」ペットとして等
犬好きの人は種類も数も気にせず好きだから複数
I like a dog.「ある(一匹の)犬が好き」「何でもいいから一匹の犬が好き」
どんな犬か、詳細は不明
「(ペットとして)犬が好き」の意味にはならない
I like the dog.「(あなたも知ってるあの)犬が好き」
theが付くと話し手・聞き手の両者が了解している対象
「(ネコではなく)イヌが好き」の解釈も可
I like the dogs. 上記の単数形
I like dog.「犬の肉が好き」
数えられる名詞なのに複数形でない、冠詞も付かない
=犬の形をしていない犬=犬の肉