小松 私説 源氏語り15
人々すべりかくれたるほどに、宮の御もとにより給ひて
この人をいかがみ給や、かかる人をすててそむきはて
給ひぬべきによにやありける、あな心う、とおどろかし
きこえ給へば、かほうちあがめておはす。
次に、物語で歌が詠まれた場面になる。
たかよにかたねはまきしと
人とはいかかいはねのまつはこたへむ
ここで光源氏は、あはれなり、と、しのび声で言う。
宮は答えることなくひれ伏してしまう。
この歌には本歌がある。
古今和歌集、雑、上、読み人知らず、とある。
あづさゆみ磯辺の小松たが世にか
よろづ世かねてたねをまきけむ
小松は子を示し、光源氏の歌は、松が誕生した赤子と解釈されて祝いの歌にはそぐわないとされる。
人々すべりかくれたるほどに、宮の御もとにより給ひて
この人をいかがみ給や、かかる人をすててそむきはて
給ひぬべきによにやありける、あな心う、とおどろかし
きこえ給へば、かほうちあがめておはす。
次に、物語で歌が詠まれた場面になる。
たかよにかたねはまきしと
人とはいかかいはねのまつはこたへむ
ここで光源氏は、あはれなり、と、しのび声で言う。
宮は答えることなくひれ伏してしまう。
この歌には本歌がある。
古今和歌集、雑、上、読み人知らず、とある。
あづさゆみ磯辺の小松たが世にか
よろづ世かねてたねをまきけむ
小松は子を示し、光源氏の歌は、松が誕生した赤子と解釈されて祝いの歌にはそぐわないとされる。