語彙の論はどのように行われるか。日本語のある範囲をとって基準を設定してそこに現われる語彙の項目を計算する。その総量を語彙量という。文学作品を例にすると古典文学作品の源氏物語はその作品を対象とする範囲で、ひとつの調査によると、語彙量が20万7800語となる。源氏物語の作品を使ってすべての自立語を数えた場合である。延べ語数である。これに対して作品中に使われている語を一つずつ数えて、同じ語の使用については2回以上は数えない場合には、そこに現われる語数は、1万1423語となる。異なり語数である。こうして文学作品に現われた日本語語彙は幾つかの古典文学で明らかにされている。
源氏物語 11,423語
万葉集 6,505語
枕草子 5,247語
徒然草 4,242語
方丈記 1,148語
古典対照語い表による。
宮島達夫編、古典対照語い表、笠間書院刊。
万葉集、竹取物語、伊勢物語、古今和歌集、土佐日記、後撰和歌集、蜻蛉日記、枕草子、源氏物語、紫式部日記、更級日記、大鏡、方丈記、徒然草の14作品、の自立語を統計した。
古典文学のシリーズが1967年までに日本古典文学大系が編まれたが、作品について索引の作成が研究者によって行われた。また2005年までに新日本古典文学大系として新たに岩波書店から出版されるなどして、日本の古典文学を対象とした全集ではデジタル化をすすめてこのような調査の語彙論が進められている。
また一方で、現代語の使用状況についても大規模な調査が行われるようになった。
現代雑誌九十種の用語用字、国立国語研究所言語処理データ集7、現代雑誌九十種の用語用字 全語彙・全表記、1997年9月、三省堂。
見出し語、語種・品詞、合計度数、表記とその度数。1956年発行の雑誌九十種、用語用字の調査データ。
辞書についてもデジタル化によって、ウエブサイトの検索を可能にしている。
大辞林、第2版、1995年11月、松村 明編、三省堂刊、23万3000語収録。
広辞苑、第5版、1998年11月、新村 出編、岩波書店刊、収録語数 23万語余。
語彙論は基本語彙を設定する。基本語彙は語彙を選定し、語の使用率を計算し頻度順位に並べることで頻出する語の上位を求めることができることから、その語の使用率順一覧によって重要な語としての基本語彙が決まる。
語の論が語と意味をあつかう。語誌は、語の誕生また発生、語源、語性、語の用法、語の意味の変遷など、そして語の使われなくなるところまで、すなわち廃語に至ることがあれば、その記述をすることになるので、語史という字をあてたりするのだろう。これは語彙史を用語として使い始めたときに語の歴史というのをわかりやすくしたようだが、語誌の用語の方が扱う範囲が広い。
語について述べるのは、語と意味の関係をとらえようとするものであったから、次のようなことを挙げることができる。語と意義、反義と類義の意味領域、語の指示用法、言語記号の恣意性、意味の変遷などである。
源氏物語 11,423語
万葉集 6,505語
枕草子 5,247語
徒然草 4,242語
方丈記 1,148語
古典対照語い表による。
宮島達夫編、古典対照語い表、笠間書院刊。
万葉集、竹取物語、伊勢物語、古今和歌集、土佐日記、後撰和歌集、蜻蛉日記、枕草子、源氏物語、紫式部日記、更級日記、大鏡、方丈記、徒然草の14作品、の自立語を統計した。
古典文学のシリーズが1967年までに日本古典文学大系が編まれたが、作品について索引の作成が研究者によって行われた。また2005年までに新日本古典文学大系として新たに岩波書店から出版されるなどして、日本の古典文学を対象とした全集ではデジタル化をすすめてこのような調査の語彙論が進められている。
また一方で、現代語の使用状況についても大規模な調査が行われるようになった。
現代雑誌九十種の用語用字、国立国語研究所言語処理データ集7、現代雑誌九十種の用語用字 全語彙・全表記、1997年9月、三省堂。
見出し語、語種・品詞、合計度数、表記とその度数。1956年発行の雑誌九十種、用語用字の調査データ。
辞書についてもデジタル化によって、ウエブサイトの検索を可能にしている。
大辞林、第2版、1995年11月、松村 明編、三省堂刊、23万3000語収録。
広辞苑、第5版、1998年11月、新村 出編、岩波書店刊、収録語数 23万語余。
語彙論は基本語彙を設定する。基本語彙は語彙を選定し、語の使用率を計算し頻度順位に並べることで頻出する語の上位を求めることができることから、その語の使用率順一覧によって重要な語としての基本語彙が決まる。
語の論が語と意味をあつかう。語誌は、語の誕生また発生、語源、語性、語の用法、語の意味の変遷など、そして語の使われなくなるところまで、すなわち廃語に至ることがあれば、その記述をすることになるので、語史という字をあてたりするのだろう。これは語彙史を用語として使い始めたときに語の歴史というのをわかりやすくしたようだが、語誌の用語の方が扱う範囲が広い。
語について述べるのは、語と意味の関係をとらえようとするものであったから、次のようなことを挙げることができる。語と意義、反義と類義の意味領域、語の指示用法、言語記号の恣意性、意味の変遷などである。