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文法の立場

2013-05-30 | 日本語百科
文法の立場をとること、立場を変えてはいけない、立場にあって理論なり術語を用いる、それが専門性というものだと教えられ教えてきた。その通りであるかどうか、はなはだこころもとない。自らの立場を作ればそれはまた他の理論と係わりあうのか、それは難しいことになる。いくつかの文法理論を学びながらそれを折衷するようなことがあって、それが理論の批判展開によるものなのか、ただ寄せ集めただけになるのか、見極めがいる。

文法を眺めて古典文法には伝統文法なるものがあるやに思っていたが国文法となる解釈文法があった。それを日本語ではとくに歴史文法とは言わなかった。それに対して表現文法と言われるものがあって現代語文法になるのかと思っていたらそうでもなくて現代語の記述文法が見当たらなかった。国文法が古典語の文法になったわけではないが、すみ分けて文語文法から学校教育の文法となっている、そこに現代語の文法という言い方も現れて国文法の口語文法にとってかわって、いまではどういう文法が行われているのだろう。

国語の文法と日本語の文法に何か違いがあるとしたら文法理論の材料に文献資料から帰納した書き言葉の規範性を追求した文法と文法理論の証明に記録だけによらない話し言葉をも実験材料にする演繹を用いた研究による文法というようなことであろう。そこには言語研究において国語教育と日本語教育という分野が重きを占めることになり彼我の違いを見せるようになった。個別言語、応用言語の考えが進められたことによる。

立場による違いはもっと足元のところであった。文法学をとらえて音韻論と語構成を含めたこれまでの伝統的な研究に、品詞論、構文論を言うのがふつうであった。それはいつのことかと言われそうな、1960年代をさかのぼる10年ぐらいには、と当て推量に、ちょうど学校の科目のなかで分けられて品詞の説明は詳しく構文のは薄くという教科書であったからひとくちに文法と言えば品詞分解であった。それはそれで時代性であったろうか。

その足もとに文節文法と言われる分析によるとらえやすい文法があった。これは学校教育用の文法であった。なんとなれば自立語付属語などといいながら付属語すなわち語と言い、それを文法機能から説明することが文法であった。そして文節には連文節があり、その文節にさらに連文節があると言った文の仕組みを学習したはずであるが、文の成分は主語、述語、修飾語であった。修飾成分にならない独立成分が加わった。

そうして構文の理解が必要なころには英語文法の概念が説明としてとってかわったのであるから、文は主語と述語と、その述語に目的語と補語という成分要素が説かれてそれが日本語にもあてられて立場がシフトしていくのである。単文、複文、重文などと構文を説明し始めて主語と述語は節で繰り返されて従属、対等などの分析をするようになって、それを日本語には同じようにしない、できないとわかりながら、文の構成を理解してつもりになっていた。そこに従属句とかいうものが捉えられるようになる。

国語の学校教育用文法が橋本学説を取りいれ詞と辞を自立、付属でいわば折衷して規範文法を作ってきたことは広く教育用に理解を広めたであろうからそれは功績を大きくしたことは間違いない。さらに英語教育がもたらした言語についての共通する概念は計り知れないみかたをわたしたちに与えただろう。


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