集団自衛権の行使について新聞の論調はどうか、朝日デジタルがまとめていた。朝日新聞は購読しているが、この安倍政権の行使には反対をしている。同じく中日新聞を購読している、その系列にある東京新聞はやはり批判的である。この2紙を見続けているので、自衛権の議論に賛否の立場がある新聞について、産経新聞がこのまとめでは〇を付けている。日経、読売はこの記事のあとでその立場を行使容認の方向にあるらしい。地方紙は基地を抱える沖縄をはじめとして反対するという。個別自衛権の発動を前提にするなら、集団自衛権はそのかかわりにおいて国際上の盟約にある。安全保障は地域のみで達成されるという考えをもち続ければ自地域の安全は防衛としてのみ成り立つかもしれないが、いまや、国境のボーダーが地域紛争に起こり得ることから、その地域にかかわる争いは全球にすぐにも及ぶ。
集団自衛権行使の議論の危うさはこの国にとって、戦争を想定しながら自地域が攻め込まれることのない安全と防衛をになうものは、それは何か、誰か、何によって保障としうるか、その根本的な視点が欠けることにある。つまり、平和憲法があって、軍隊をもちながら実はそれは米軍のもとにあるという、その戦争放棄をうたいはしても現実世界では攻め込まれたときの矛盾とすることである。自衛戦争で日本人の兵が一人、負傷または死して帰還すれば国論は一変するだろう。民族の名誉はそのよりどころを変えていることに気付いて議論をしていかなければならない。与党政府は戦争の指揮権をもちうる。少なくとも防衛相になって、その大臣の命令で発動するかどうかは現行法規によるところである。かつての海外派遣で日本の兵の派兵はどのように行われるか、閣議決定によることから、いまのような協議による。
在京6紙、賛否割れる 集団的自衛権、新聞社説は――
2014年5月23日05時00分
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11150408.html?ref=reca
>朝日新聞は、首相が進める憲法解釈の変更による行使容認を「立憲主義からの逸脱」と批判。「日本が攻撃されたわけではないのに、自衛隊の武力行使に道を開く」「首相や懇談会が強調する『必要最小限なら認められる』という量的概念は意味をなさない」と主張した。大野博人論説主幹は「集団的自衛権行使の現場で何が起きてきたか。首相の主張には戦争に加担することへのリアリティーが欠けている」と話す。
毎日新聞は首相が会見であげた二つの例に着目。朝鮮半島有事の米艦船防護は「個別的自衛権などで十分に対応出来る」、国連平和維持活動(PKO)の駆けつけ警護は「集団的自衛権とは関係がないPKOの武器使用の問題だ」とし、「本質からそれた国民に理解されやすい事例をあえて選び、(略)行使容認に向けた空気を醸成する狙いがにじむ」と指摘した。
小松浩論説委員長は「このテーマはわかりやすさだけを追究すると本質が見えなくなる。論理立ててしっかり書きたい」と話す。
東京新聞は、集団的自衛権は国連加盟国に認められた権利だが、ほとんどは大国による軍事介入の正当化だとして「『戦争する』権利の行使を今、認める必要性がどこにあるのか」と問うた。豊田洋一論説委員は「複雑で難しい問題だが、暮らしに大きな影響を与える可能性が高い。引き続きわかりやすい表現で多角的に問題提起する」という。
一方、産経新聞は賛成の立場を明確にした。「『異質の国』脱却の一歩だ 行使容認なくして国民守れぬ」という見出しで、「当然の政治判断がようやく行われようとしていることを高く評価したい」とした。
読売新聞は安倍首相の方針について「改めて支持したい」と評価。周辺有事での米軍艦船の防護などの例を挙げ、「こうした重大な事態にきちんと対処できないようでは、日米同盟や国際協調は成り立たない」。
日本経済新聞は「憲法解釈の変更へ丁寧な説明を」との見出しで、「政府はまず、急いで取り組むべき課題とじっくり考えるべき課題、現行法制でできることと憲法解釈の見直しが必要なことを、きちんと仕分けることが大事だ」と述べた。
>北海道新聞は「憲法をないがしろにしてまで集団的自衛権の行使容認を目指す安倍晋三首相の姿勢は、断じて認めるわけにはいかない」と書いた。辻岡英信論説副主幹は「70年かけて積み重ねてきた日本の歩みを簡単に否定していいのか」と話す。16日から1週間、毎日社説でこの問題や平和を論じた。
信濃毎日新聞は3月から「安保をただす」という題で、集団的自衛権に関する社説を約20本掲載。16日は「限定的であれ、行使を認めれば9条の縛りはなくなる。(略)後は政権の判断で対象を広げられる。小さく産んで大きく育てるつもりではないのか」と疑問を呈した。丸山貢一論説主幹は「中央の政治から距離がある地方だからこそ、論議の流れや矛盾が見える。今後も絶対認められないという姿勢を貫く」。
京都新聞は「この機会にいま一度、憲法の前文と9条を読み返してみたい」と読者に呼びかけた。論説委員室は「平和を守るという論理のもとに軍拡が広がる。首相の会見を聞きながら、生活者として覚えた違和感を書いた」という。
沖縄では尖閣諸島への武装集団の上陸などが想定される「グレーゾーン事態」も身近で深刻な問題だ。
沖縄タイムスは「本土防衛のための捨て石」にされた沖縄戦の体験を引き、「日中間で軍事衝突が起これば、沖縄が戦場になるのは目に見えている」と警鐘を鳴らした。
集団自衛権行使の議論の危うさはこの国にとって、戦争を想定しながら自地域が攻め込まれることのない安全と防衛をになうものは、それは何か、誰か、何によって保障としうるか、その根本的な視点が欠けることにある。つまり、平和憲法があって、軍隊をもちながら実はそれは米軍のもとにあるという、その戦争放棄をうたいはしても現実世界では攻め込まれたときの矛盾とすることである。自衛戦争で日本人の兵が一人、負傷または死して帰還すれば国論は一変するだろう。民族の名誉はそのよりどころを変えていることに気付いて議論をしていかなければならない。与党政府は戦争の指揮権をもちうる。少なくとも防衛相になって、その大臣の命令で発動するかどうかは現行法規によるところである。かつての海外派遣で日本の兵の派兵はどのように行われるか、閣議決定によることから、いまのような協議による。
在京6紙、賛否割れる 集団的自衛権、新聞社説は――
2014年5月23日05時00分
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11150408.html?ref=reca
>朝日新聞は、首相が進める憲法解釈の変更による行使容認を「立憲主義からの逸脱」と批判。「日本が攻撃されたわけではないのに、自衛隊の武力行使に道を開く」「首相や懇談会が強調する『必要最小限なら認められる』という量的概念は意味をなさない」と主張した。大野博人論説主幹は「集団的自衛権行使の現場で何が起きてきたか。首相の主張には戦争に加担することへのリアリティーが欠けている」と話す。
毎日新聞は首相が会見であげた二つの例に着目。朝鮮半島有事の米艦船防護は「個別的自衛権などで十分に対応出来る」、国連平和維持活動(PKO)の駆けつけ警護は「集団的自衛権とは関係がないPKOの武器使用の問題だ」とし、「本質からそれた国民に理解されやすい事例をあえて選び、(略)行使容認に向けた空気を醸成する狙いがにじむ」と指摘した。
小松浩論説委員長は「このテーマはわかりやすさだけを追究すると本質が見えなくなる。論理立ててしっかり書きたい」と話す。
東京新聞は、集団的自衛権は国連加盟国に認められた権利だが、ほとんどは大国による軍事介入の正当化だとして「『戦争する』権利の行使を今、認める必要性がどこにあるのか」と問うた。豊田洋一論説委員は「複雑で難しい問題だが、暮らしに大きな影響を与える可能性が高い。引き続きわかりやすい表現で多角的に問題提起する」という。
一方、産経新聞は賛成の立場を明確にした。「『異質の国』脱却の一歩だ 行使容認なくして国民守れぬ」という見出しで、「当然の政治判断がようやく行われようとしていることを高く評価したい」とした。
読売新聞は安倍首相の方針について「改めて支持したい」と評価。周辺有事での米軍艦船の防護などの例を挙げ、「こうした重大な事態にきちんと対処できないようでは、日米同盟や国際協調は成り立たない」。
日本経済新聞は「憲法解釈の変更へ丁寧な説明を」との見出しで、「政府はまず、急いで取り組むべき課題とじっくり考えるべき課題、現行法制でできることと憲法解釈の見直しが必要なことを、きちんと仕分けることが大事だ」と述べた。
>北海道新聞は「憲法をないがしろにしてまで集団的自衛権の行使容認を目指す安倍晋三首相の姿勢は、断じて認めるわけにはいかない」と書いた。辻岡英信論説副主幹は「70年かけて積み重ねてきた日本の歩みを簡単に否定していいのか」と話す。16日から1週間、毎日社説でこの問題や平和を論じた。
信濃毎日新聞は3月から「安保をただす」という題で、集団的自衛権に関する社説を約20本掲載。16日は「限定的であれ、行使を認めれば9条の縛りはなくなる。(略)後は政権の判断で対象を広げられる。小さく産んで大きく育てるつもりではないのか」と疑問を呈した。丸山貢一論説主幹は「中央の政治から距離がある地方だからこそ、論議の流れや矛盾が見える。今後も絶対認められないという姿勢を貫く」。
京都新聞は「この機会にいま一度、憲法の前文と9条を読み返してみたい」と読者に呼びかけた。論説委員室は「平和を守るという論理のもとに軍拡が広がる。首相の会見を聞きながら、生活者として覚えた違和感を書いた」という。
沖縄では尖閣諸島への武装集団の上陸などが想定される「グレーゾーン事態」も身近で深刻な問題だ。
沖縄タイムスは「本土防衛のための捨て石」にされた沖縄戦の体験を引き、「日中間で軍事衝突が起これば、沖縄が戦場になるのは目に見えている」と警鐘を鳴らした。