音声は、人間が、音声器官を使って話しことばとして発する音であり、言語音とするのが、現代語の意味である。この説明は日本国語大辞典が引く用例で、開化の入口、1873~74、〈横河秋濤〉下、イーヤ夫でも彼等は何処やらに臭みが有る、イーヤ舌が短かいの、音声(ヲンセイ)が違がってゐるのと無理に彼を隔て我身を立てるは、という例が見える。
おんせい と読みをつけるこの語は、いんしょう いんせい、おんじょう、おんぞう、と読んだ。
次は日本国語大辞典のそれぞれの項であり、摘記する。
いん‐しょう[:シャウ] 【音声】〔名〕(「いん」は「音」の、「しょう」は「声」の漢音)
声。おんせい。
*落葉集〔1598〕「音声 いんしゃう」
*日葡辞書〔1603~04〕「インセイ、または、Inxo (インシャウ)。コエ」
いん‐せい 【音声】〔名〕(「いん」は「音」の漢音)
声。おんせい。いんしょう。
*文明本節用集〔室町中〕「音声 インセイ」
*日葡辞書〔1603~04〕「Inxei (インセイ)、または、インシャウ。コエ〈訳〉声」
おん‐じょう[:ジャウ] 【音声】〔名〕
(1)人や動物の声。また、節をつけて唱えたり歌ったりする声。おんせい。
*田氏家集〔892頃〕上・山寺聴鶯「音声軟弱太嬌春、山寺聞時感更頻」
*文明本節用集〔室町中〕「音声 ヲンジャウ」
*天草本伊曾保〔1593〕烏と狐の事「Vonjo ga (ヲンジャウガ) イササカ ハナゴエデ アキラカニ ナイト マウスガ」
(2)「おんじょうよく(音声欲)」の略。
*仮名草子・竹斎〔1621~23〕上「めんしゃう、けいじつ、せんはく、さいこつ、ゐぎ、をんじゃうとて、これを六欲と申候」
(3)雅楽の管弦の音。また、楽器、鐘などの音。音色(ねいろ)。
*霊異記〔810~824〕上・五「和泉の国の海中に楽器の音声有り」
*九暦‐九暦抄・天暦七年〔953〕正月五日「次雅楽興音声、二曲、舞間出穏座」
*東大寺続要録〔1281~1300頃〕「諸楽奏音声」
*周礼‐地官・鼓人「鼓人掌教六鼓四金之音声、以節声楽、以和軍旅」
おん‐ぞう[:ザウ] 【音声】〔名〕
(「おんじょう」を直音にした語)
「おんせい(音声)」に同じ。
*栄花〔1028~92頃〕駒競の行幸「いとめでたう尊くて、塔の内の二世尊の出し給ふところのおんざうとも思なされ給ふ事限りなし」
おんせい と読みをつけるこの語は、いんしょう いんせい、おんじょう、おんぞう、と読んだ。
次は日本国語大辞典のそれぞれの項であり、摘記する。
いん‐しょう[:シャウ] 【音声】〔名〕(「いん」は「音」の、「しょう」は「声」の漢音)
声。おんせい。
*落葉集〔1598〕「音声 いんしゃう」
*日葡辞書〔1603~04〕「インセイ、または、Inxo (インシャウ)。コエ」
いん‐せい 【音声】〔名〕(「いん」は「音」の漢音)
声。おんせい。いんしょう。
*文明本節用集〔室町中〕「音声 インセイ」
*日葡辞書〔1603~04〕「Inxei (インセイ)、または、インシャウ。コエ〈訳〉声」
おん‐じょう[:ジャウ] 【音声】〔名〕
(1)人や動物の声。また、節をつけて唱えたり歌ったりする声。おんせい。
*田氏家集〔892頃〕上・山寺聴鶯「音声軟弱太嬌春、山寺聞時感更頻」
*文明本節用集〔室町中〕「音声 ヲンジャウ」
*天草本伊曾保〔1593〕烏と狐の事「Vonjo ga (ヲンジャウガ) イササカ ハナゴエデ アキラカニ ナイト マウスガ」
(2)「おんじょうよく(音声欲)」の略。
*仮名草子・竹斎〔1621~23〕上「めんしゃう、けいじつ、せんはく、さいこつ、ゐぎ、をんじゃうとて、これを六欲と申候」
(3)雅楽の管弦の音。また、楽器、鐘などの音。音色(ねいろ)。
*霊異記〔810~824〕上・五「和泉の国の海中に楽器の音声有り」
*九暦‐九暦抄・天暦七年〔953〕正月五日「次雅楽興音声、二曲、舞間出穏座」
*東大寺続要録〔1281~1300頃〕「諸楽奏音声」
*周礼‐地官・鼓人「鼓人掌教六鼓四金之音声、以節声楽、以和軍旅」
おん‐ぞう[:ザウ] 【音声】〔名〕
(「おんじょう」を直音にした語)
「おんせい(音声)」に同じ。
*栄花〔1028~92頃〕駒競の行幸「いとめでたう尊くて、塔の内の二世尊の出し給ふところのおんざうとも思なされ給ふ事限りなし」