文章と句読は文法の句読点に規則があれば、それにしたがう。しかし句読法を考えると、文章の詩句ともなれば、おのずと句読法をもって句読点をつけるかどうかのことがある。和歌では上の句、下の句と分けて、俳句では上5中7下5また座5とする定型律において、休止符を兼ねるが、句読点は打たないならいである。もとより文章に句読をすることがあって、区切り符号のもとはと言えば、漢文の素読に点を打っていたから、文章体に句読法があったのである。その一方で、文に句読点を施すことが学校教育の作文などに採りいれられて、文法規則にするかどうかを議論してきている。成文化されてはいないが、手引きになるものを含めて、句読点は普及している。それに加えた符号、また区切りとしての、記号が、欧文の影響もあって、横書き文書に使われるようになっているが、それを縦書きの、従来の文章には応用しにくさがあって、区切り符号と言う言い方とともに、句読をどういう機能で使うか、正書法として明文化するものができない。
百科事典マイペディアの解説
句読点【くとうてん】
文の論理的関係を明らかにし読みやすくするために,切れ目や終止を示す表記上の符号。くぎり符号とも。句点(。),読点(,),横書きの場合のピリオド(.),コンマ(,)など。また( )や「 」も含まれる。日本では平安初期,漢文の訓点に始まり,江戸時代以降,西欧語の表記法の影響を受けてしだいに普及したが,句点の他は,一般的な目安はあるものの,基準は確立していない。
世界大百科事典 第2版の解説
くとうてん【句読点】
書きことばに用いる〈まる〉(。または.)や〈てん〉(、または,)などの符号。まるを句点,てんを読(とう)点という。〈まる〉や〈てん〉のほかに,〈なかてん〉(使い方の例:名詞・代名詞 マネー・サプライ),〈かっこ〉(( )),〈かぎかっこ〉(「 」),さらに,〈つなぎ〉( = ),〈つなぎてん〉( ‐ )などがある。これらの符号の使い方(これを句読法という)については,文と文の切れめに用いる句点のほかは,かなづかいのように,正書法としての基準は確立していない。
大辞林 第三版の解説
くとうてん【句読点】
文につける句点と読点とうてん。ひとまとまりの文の最後に句点を、また、文中に読みやすく正確な理解を助けるために読点をつける。現在は普通、句点に「。」、読点に「、」を用いる。
https://kotobank.jp/word/%E5%8F%A5%E8%AA%AD%E7%82%B9-484450
日本大百科全書(ニッポニカ)の解説
句読点
くとうてん
句読点の用い方(句読法)は、日本語についてはいまだ確立しておらず、種々の方式が提唱されているが、その一例として文部省(現文部科学省)による「くぎり符号の使い方」(文部省『国語の書き表わし方』付載、1950年12月)に示された原則を簡略化して次に掲げる(かならずしも原文のとおりではない)。
(1)「。」は、一つの文を完全に言い切ったところにかならず用いる。「 」や( )の中でも用い、また「……すること・もの・者・とき・場合」などで終わる項目の列記にも用いる。ただし、(a)題目・標語など簡単な語句を掲げる場合、(b)事物の名称だけを列記する場合、(c)言い切ったものを「 」を用いずに「と」で受ける場合、には用いない。
(2)「、」は、文の中でことばの切れ続きを明らかにしなければ誤解されるおそれのあるところに用い、また対等の関係で並ぶ同じ種類の語句の間に用いる。ただし、題目や標語、簡単な語句を並べる場合には使用しない。
(3)「・」は、名詞の並列の場合に用いる。ただし、名詞以外の語句を列挙したり、数詞を並列する場合には用いない(「、」を用いる)。
(4)( )は、語句や文の後ろに、それについて注記する場合に用いる。
(5)「 」は、会話や語句を引用するとき、あるいは注意を喚起する語句のある場合に使用する。
(6)『 』は、「 」の中にさらに語句を引用する場合に用いる。
『斎賀秀夫他著『続日本文法講座2 表記篇』(1958・明治書院) ▽加藤彰彦他著『講座正しい日本語3 表記篇』(1971・明治書院) ▽小林芳規他著『現代作文講座6 文字と表記』(1977・明治書院) ▽杉本つとむ著『日本語講座4 語彙と句読点』(1979・桜楓社)』
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/002/003/002/010.htm
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【よい文章を書くための15か条】
初級
「わたしは/ぼくは」をいちいち書かない。
必要のない「そして」を書かない。
文(センテンス)を短くする。
文脈から判断できる言葉や部分(不要な言葉)は削る。
文末の文体を揃える。
中級
接続詞を適切に使う。
主語と述語を照応させる。
係る言葉は受ける言葉の近くに置く。
体言止や、…や‐‐を使いすぎない。
漢字を適正に使う。漢語は交ぜ書きしない(例「じゅく語」など)。ただし、平仮名で書く言葉にまで使わない。
一つの段落では一つのことを述べる。
上級
読点は、意味と音調の両面から判断して打つ。
文末の表現を多彩にする。
書きながら読み返し、音調もよい文章にする。
語彙・語法に、読み手の注意を引くものを交える。
(注)各項目についての解説は、『気球船』平成15年(2003)1月号以降を参照