1人称言語とみて、日本語の文を見ようとする。言語主体による表現を文形式でとらえるとどう分析できるか。1人称に、2人称言語があるか、3人称言語はあるかと、やや思い付きのことになってくる。話し手、書き手が自分自身また自分自身を含む物言いになるが、2人称となると相手があって、自分があるので、対立する表現を持ち、あなたがとなる聞き手、読み手に向かう言語である。対話型を表現構造にする。事象の捉え方を3人称で行う言語として、日本語にはもともと、その人称が特定されないので、客観的叙述になる。1人称言語はモノローグタイプ、2人称言語は対話問答形式、3人称言語は、日本語にあっては、叙景情景の文章である。
世界大百科事典内の一人称の言及
【人称】より
…文法的カテゴリーの一つ。話し手を一人称,聞き手を二人称,話される話題となっている人やものを三人称と分けるのが普通である。ただ〈話題になる〉という点では,話し手自身や聞き手が話題になる場合もあるので,三人称は〈話し手でも聞き手でもないその他〉とするのが妥当である。…