胸の内を表す。そこにあるのは、方寸で、心臓の大きさとして、一寸四方を考えたという。大きさを言えば、胸の内にあるものは少しの気持ち、へりくだって言うことで、ほんの少しの気持ちのこととなる。寸志としてもとらえて、気持ちを表すものとなるが、一方で、少しもないのではなくて、何かを胸のうちに抱くとなれば、それは不満、不服となって胸に持つものとなる。
さて、語構成は心に寸を偏とする文字である。忖度の語には、その思いを測る意味内容があって、それを用いたのはどのような場面であったか。
五十歩百歩 -王道の始め- 梁惠王章句上 孟子(現代語訳・解説あり)漢文 i ...
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梁恵王曰、 「寡人之於国也、尽心焉耳矣。 河内凶、則移其民於河東、移其粟於河内。 河東凶、亦然。 察隣国之政、無如寡人之用心者。 隣国之民不加少、寡人之民不加多、何也。」 孟子対曰、 「王好戦。 請以戦喩。 填然、鼓之、兵刃既接。 棄甲曳兵而走、
>孟子は中国戦国時代の儒学者孟子の言行をまとめたものである。
後世になって評価が高まり、朱子によって四書のひとつ(ほかは「大学」「中庸」「論語」である。)に位置づけられた。
性善説や「五十歩百歩」の成語でよく知られる。
デジタル大辞泉の解説
すん‐しん【寸心】
ほんの少しの気持ち。自分の気持ちをへりくだっていう語。寸志。
大辞林 第三版の解説
すんしん【寸心】
〔心は胸の方一寸の間にあると考えられたことから〕
心。また、自分の気持ちをへりくだっていう語。方寸。 「友と我との間に択ばんは、一にアヌンチヤタが-に存ず/即興詩人 鷗外」
寸志(読み)スンシ
デジタル大辞泉の解説
すん‐し【寸志】
1 少しばかりの志。自分の志をへりくだっていう語。「寸志を表す」
2 心ばかりの贈り物。自分の贈り物をへりくだっていう語。贈り物ののし紙の上などに書かれる。
3 わずかなさしさわりや不満。
「どうだ、―はあるめえね」〈総生寛・西洋道中膝栗毛〉
大辞林 第三版の解説
すんし【寸志】
① 少しの気持ち。わずかの厚意。自分の気持ちをへりくだっていうことが多い。
② 心ばかりの贈り物。
③ 不服。難点。 「随分達引もあるといふのだから-はあるめえ/人情本・梅美婦禰 5」
方寸
1 1寸(約3センチ)四方。ごくわずかな広さをいう。「方寸の地」2 《「蜀志」諸葛亮伝から。昔、心臓の大きさは1寸四方と考えられていたことによる》胸の中。心。「万事方寸の中にある」
デジタル大辞泉
方寸
① 一寸四方。転じて、ごくわずかの範囲。 「 -の地」 ② 心の中。心中。胸中。 「 -におさめる」 「某それがしが-にある所/自由太刀余波鋭鋒 逍遥」
大辞林 第三版