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日本がしたことは

2013-03-02 | 本を買いました
戦争と文学 全20巻 集英社 創業85周年記念企画 別巻1 全巻を買った。  第7巻は、日中戦争。第6回配本で、特大巻。2011年12月発行。曠の字をつけている。近代篇、5冊のうちの2冊目。通巻のシリーズで、編集に思い入れがある、だろうか。泥濘の叫び、黄塵の嘆き、と、帯に言葉がある。この配本はシリーズの特徴である。日清、日露、日中と、1894年1904年、そして1930年から15年、およそ半世紀になる戦争と時代である。その間について、文学は何を語っているのだろう。

パートⅠ、巻頭の小説は、東干、作者は胡桃澤耕史、この作品をして語らしめるのは…、解説は浅田次郎、編集についての言及はとくにない。強いて読めば、下士官兵の描写にある。人を人として扱いをしないのである。また、描かれいる部族は、東干、19世紀後半に西北陝西、甘粛、新彊一帯から中央アジアへ移民を余儀なくされた回族の末裔である。東干、同干と呼称していた...

登場人物の姓名は、主人公、佐藤佐藤という。どう読むか、それは作中に明らかにされるが、その出自において、読み方において、作者の意図した戦いの事実が現れる。もう一人の主人公は、由利である。またその相手の、東干民族マーチャンイーであるか。それにしても、哀れな最期を遂げた主人公であった。それは、秘密の漏洩を防ぐためであったらしいが、こうして小説になってしまったのは、実は生きていた、からか。

パートⅡに、文化的創造に携わる者の立場、和辻哲郎、それに戦争について、小林秀雄の文章がある。それに続く作品は、戦記作家たちのものとなる。これをもってして早計にすぎないが、戦争×文学は、何を示そうとするか。前の巻に続き、この巻を経て、太平洋戦争、終戦、占領とテーマを持つ、それぞれである。
読み進めて、どう向き合えばよいかを考えてみよう。

ただ、胡桃沢作品には日本の権力主導の余すなき歴史を見るので、傀儡をしようとした知恵を読む。日本の権力争いに付きまとう計略である。藤原氏あたりから、言えば、和をもって貴しとする、外戚政策だ。もっとも、その大同小異である、同工異曲である、傀儡そのものは、満州帝国にあらわれる。それを、わたしは中学の社会科目で学んだ、と言うよりは、自らのレポートに、百科事典を調べて、年表にまとめたことがある、と言っても、中学生の勉強であるから、何もわかっていたわけではない。しかし、朝鮮半島、大陸中国と、その弊は結果としてアジアに及ぶのである。

胡桃澤作品には、天山を超えて、という小説がある。それは、トンガンをやはり描いている。その続編は、諜報機関に擬せられて、佐藤佐藤でない、衛藤衛藤が登場する、すけふじ、が、もりふじ、となっている。東干は繰り返し、作者の関心を離さなかったようだ。



                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    


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