日本語教育の文法7 品詞論とは 20180603
品詞とはなにか。品詞論とはなにか。品詞はparts of speech の訳語という。小学日本文典1874年、日本文法中教科書1902年に7品詞、8品詞のことが見える。品詞論については、ここで検索をして、辞書に、デジタル大辞泉は項目を載せるが、日本国語大辞典は項目を立てていないことがあり、多くの辞書にもとくに立項目しないようである。
そして、学校文法に品詞論の説明をするのは文法の部門としてのことであるが、教科文法の便宜であることが分かるので、品詞論の概念である、Part-of-speech theory に立ち戻ることになる。あるいは、accidence 語形論、形態論となるか、これは品詞構成論である、文法の概念の品詞の考え方の歴史はながく、文の構成要素とみてきている、名詞、動詞、分詞、冠詞、代名詞、前置詞、副詞、接続詞の品詞体系が確立されたのが始まりである。英語において、形容詞が品詞となる以前は名詞、動詞、分詞、代名詞、副詞、前置詞、接続詞、間投詞の8品詞であった。
"ひん‐し【品詞】", 日本国語大辞典,
>文法上の意義・職能・形態などから分類した単語の区分け。欧米語の学校文法では、現在一般に八品詞(名詞・代名詞・形容詞・動詞・副詞・接続詞・前置詞・間投詞)とされる。国文法では、名詞・数詞・代名詞・動詞・形容詞・形容動詞・連体詞・副詞・接続詞・感動詞・助詞・助動詞が挙げられるが、併合、細分する場合もあり、また、学説によって異同がある。「品詞」の語は、日本文法書としては、明治七年(一八七四)に田中義廉が「小学日本文典」で七品詞を説いたのが最も早い。
*小学日本文典〔1874〕〈田中義廉〉二・八「七品詞の名目」
*風俗画報‐一六八号〔1898〕言語門「一は品詞の如何に関せず、単に標準語を伊呂波順に配列し而して是に対照する方言を蒐集するもの」
*日本文法中教科書〔1902〕〈大槻文彦〉一「単語の以上八品を品詞と名づく」
*中等教科明治文典〔1904〕〈芳賀矢一〉一・一三「助詞は種々の品詞の下につきて他の品詞との関係を示し又は其作用を助くる詞なり」
JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2018-06-10)
日本国語大辞典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2018-06-10)
>はち‐ひんし 【八品詞】解説・用例〔名〕
英文法などで、名詞・代名詞・動詞・形容詞・副詞・接続詞・前置詞・感動詞の総称。日本でもこれにならい、明治期に名詞・動詞・形容詞・助動詞・副詞・接続詞・弖爾乎波(てにをは)(助詞)・感動詞(代名詞を加え、助動詞を除いたものもあった)の八つの品詞に分ける試みがなされた。
*日本文典〔1876〕〈中根淑〉上・言語論「之を大別して八種とす 曰はく名詞、曰はく代名詞、曰はく形容詞、曰はく動詞、曰はく副詞、曰はく後詞、曰はく接続詞、曰はく感歎詞、則之を総称して八品詞と云ふ」
*広日本文典〔1897〕〈大槻文彦〉一〇一「八品詞。単語の種類は、名詞、動詞、形容詞、助動詞、副詞、接続詞、弖爾乎波、感動詞、の八品詞に分る」
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デジタル大辞泉の解説
ひんし‐ろん【品詞論】
文法の一部門。ある言語にはどのような品詞を区別すべきか、諸言語に共通する品詞があるかなどを研究する。
hellog~英語史ブログ
#1256. 西洋の品詞分類の歴史
[dionysius_thrax][grammar][greek][latin][pos][history_of_linguistics]
2012-10-04
> 西洋の文法論,とりわけ品詞論には,約2400年の連綿と続く歴史がある.紀元前5世紀後半に現われた Plato (427?--?348 B.C.) が,文の構成要素を ónoma (name, subject) と rhēma (what is said, predicate) へ大別することに端を発した分類は,Aristotle (384--322 B.C.) により sýndesmos (link) を加えられて後代へ受け継がれた.
>ギリシア語文法の超ロングセラー Techne Grammatike を著わした.8品詞の伝統の元祖である.この文法書は,初期キリスト教の時代にアルメニア語や古代シリア語へも翻訳されたし,ビザンティンの批評家や古典注釈者の対象テキストともなり,実に13世紀ものあいだ,西洋世界で圧倒的な権威を誇ることになる (Robins 38) .そして,その伝統は,ギリシア語,ラテン語などの古典語のみならず英語を含めた現代語の文法論にも確実に息づいている.