わがはいは ねこである
わがはいが ねこである
ふたつの言い方には、は が の違いがある。口調、音調を今はとらえない。
そして国語の助詞の用法を説明する。ともに付属語になる。
は 副助詞 意味を添える 係る機能がある 文章における主題である
が 格助詞 主格を表す 述語に対応する 文における主語である
この捉え方にさらに解釈があるとすれば、ーが ーである という言い方には文として特定する指示があるとなる。
わたしが ねこです という用法は会話のやり取りでは、ねこ という実体をつかみ得ない場面に名乗りであることになる。
わたしは ねこです という用法は猫を目前にして同じ名乗りでもふつうに正体を明かしている。
吾輩は猫である、と言うと、この場合は文章中に、猫であることが、いわば宣言されて、ついては、名前はまだない などの、それでどうなのかとなる。
青空文庫より
> 吾輩は猫である。名前はまだ無い。
どこで生れたかとんと見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。吾輩はここで始めて人間というものを見た。しかもあとで聞くとそれは書生という人間中で一番獰悪な種族であったそうだ。この書生というのは時々我々を捕えて煮て食うという話である。
文章の後半には書生が抱えていく様子を描写する。そして、吾輩はどうなったか。