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日本語文法論議23723
文段は文章の一部、文章を構成するとする。これを文法の論議にするかどうか、文章を全体としてそう見るならば、つまり文章が文法の対象となると、文段も必然的にそうなる、と考えられるのだが、どうも、文章の論議に作品総体という時枝学説の議論があるので、文段を文法対象の論に、そう捉えなかったようである。
わたしに文段の用語は段落にもなるし、それ単体の文章の単位であるから、文集合をとらえたものである。文章には文章の統一があるとするのは文が複数連鎖して表現のまとまりをみせるからである。書き手と読み手がそれぞれにその統一を生成し解釈すればその複数の文集合は単位に違いを持つこともありうるので、まず、表現者が段落に分けた形式を一つの単位にするべきであろう。文章のまとまりというのを議論するときにはその単位としての文を複数にわたって認定することが議論の土台となる。
次に文章単位を引用する。書き手と読み手、この場合は編集者の読みがある。したがってこのエッセイを読むとき、冒頭の段落としてであるが、著者と読者の双方に了解される文集合である。
>それは今年春のことだった。半年後に開催されるアールヌーボーのグラス展のカタログに文章を執筆して欲しいというフランスのエペルネー美術館からの依頼を受け、私は、事前に展示作品を見せてもらえるならという条件で引き受けた。美術作品は、絵画はもとより、特にオブジェは写真を通しては伝わらない質感や存在感があるからだ。
日経新聞文化面 グラスが語ること 関口涼子 200230723 より
文章に表現される時間設定がまずある
1それは 今年春のこと だった
2依頼を受け 私は 条件で引き受けた
3美術作品は 質感や存在感がある からだ
句読を見て、形式に、3文からなるが、文の連節には5文ないし6文を認めることになる
4半年後に開催されるアールヌーボーのグラス展
5カタログに文章を執筆して欲しい
6美術館からの依頼を受け
7事前に展示作品を見せてもらえる
8条件で引き受けた
9オブジェは写真を通しては伝わらない
この文の意味から文章内容を読み取っている。
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