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明晰でないものは

2013-12-22 | 新日本語百科
明晰でないものは日本語とは言えまい ある警句から、とあって、中日新聞コラム今週の言葉に、この語句についてあげて、日本語をとらえて随筆家が語っている。いわく、フランス語を習いはじめた最初の文章が、明晰でないものはフランス語でない、という警句だったそうである。これを日本語の合成語、成句の明晰さに及んで、話題にしたのは、特定秘密保護法だった。隔靴掻痒を覚えるというのだから、それはそれでよいとして、この法の命名に、機密保全法、防衛機密保護法、というふうに、限定すべきでなかったかと述べている。まあ、これもこれでよいとして、秘密と機密の語の意味の違いをとらえてのことだろうから。というのは、秘密について当時者同士での事柄が機密に変えられて解釈している。

さて、この議論の向きでいえば、いわば秘密保護法のことを言っているにすぎなくて、くだんの、特定秘密保護法の、特定については議論していない。それはどうも第三者機関が関与するというところで解釈を済ませているのか、言い得て言い得ないところであるから、このコラム子が言う、一定のことがらが国家によって恣意的に隠ぺいされて保持されてゆく、それを保持されていかないように防ぐ法案の、特定秘密阻止ではなくて、秘密特定阻止法案というところには、説得性がないのはなぜか。特定をとらえていないか、とりちがって、特定秘密の保護に関することがらを、秘密特定の保護に関することがらに置き換えているからである。それにしても秘密特定を阻止するというのはなんだろう。


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