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脳卒中 古典に見る病名史3

2013-09-04 | 病名のことば
脳卒中 古典に見る病名史

病が語る日本史 講談社学術文庫本 を読む。病名についての語の変遷を学ぼうとする。医学のことであるので正確な知識の記述はこの本書によるか、専門書のよるべきを参照する必要があるが、病名のさまざまなとらえ方があるので日本語の病名がわかるように読んでみたい。誤記、語読など至らないところがあると思う。

中風というのを、よくわからずに中古という語とあわせて、ちゅーぶると言ったりしていた。その中風は消えた病名として見えるが、中気、中風の代わりに、脳卒中、脳溢血、脳出血、脳梗塞というようになった。原因が病名になって、よりその半身不随になった状態を現わしているが、いまや必ずしもその状態になるとは限らないので、原因による病名が正確に表しているだろう。

このような中風に、江戸時代では、真中風、類中風、卒中風に分けていたそうである。この卒中風は卒然と昏倒し意識を失うからで、脳卒中に該当する。この語だけが現代医学で使われているのはなぜか。ここに漢方に対して西洋医学が入ったときの事情を見ることができる。たとえば癪は西洋医学での名称には該当しないもので、その病気については西洋医学の語を翻訳した病名となる。その一方で、漢方の病名もできryだけ残そうとした、そのひとつに脳卒中がある。

漢方で使われていた病名で、上述のようにできるだけ残そうとしたものは、麻疹 ましん、痘瘡 とうそう、赤痢 せきり、 猩紅熱 しょうこうねつ、梅毒 ばいどく、淋病 りんびょう、破傷風 はしょうふう、 乳ガン、喘息 ぜんそく、頭痛、偏頭痛、難産 などがある。消えた病名に、疝気、腎虚など、漢方で使っていても、西洋医学でとらえた病気はそれまでの漢方では説明していないものが多く、病名の翻訳がまずは行われたのである。


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