日本誤百科 51ページ 予行練習 を、例題にしている。
予行演習 というところ、練習 との違いを説明する。
この表現はそれぞれに意味解釈ができる。
しかし、予行練習は誤りとして、儀式や催し物の前に、その当日に行うとおりに練習してみること、という説明が行われる。
演習の語が計画通り実際に行う意味を持って使われた。
いわば軍事演習で、その演習場も実弾を使う可能性があって実戦さながらに行われたであろう。その演習場に天皇が見に来たと史跡を残すものがある。
その用法に対して、そのような意味合いをもたないで行う練習があってもよいので、予行練習という語を使うことがあったのであろう。いまも軍隊と自衛隊で作戦行動を日米また日米韓で行う訓練は演習である。
毎日ことば・ブログ: 「予行練習」は「予行演習」の誤り?
blog.mainichi-kotoba.jp/2012/10/121027.html
2012/10/27 - 先日、スポーツ面の読み物である「焦点」に、「予行練習さっそく成果」というやや大きな見出しがついたところ、何人かの読者の方から「『予行演習』の誤りでは?」というメールを頂きました。実はこのご指摘を頂くのは初めてではありません。
>最初に私がこのご指摘を頂いたのは、はっきりとは覚えていないのですが、10年以上前のことだと思います。回答しなきゃ、と辞書などで調べを進める際、「予行」は「前もって行ってみること。また、そのもの」(日本国語大辞典)で共通なので、「演習」と「練習」の違いをはっきりさせてどちらが適切か考えてみよう、という方針でした。日本国語大辞典の説明を引きます。
【演習】(1)学問、技芸などを繰り返して習うこと。けいこ。練習。
(2)軍隊で、実戦に慣れ、また、平素訓練した戦闘能力をためすために、実戦の状況を想定して行う、軍事行動の練習。
(3)大学などの授業方法の一つ。学生に研究発表をさせたり、全員で討議を行ったりするもの。ゼミナール。セミナー。
【練習】学問や技芸などを繰り返し学習すること。また、一定の作業を反復して、その技術を身につけること。
他の辞書もおおむね同じような説明でした。「演習」の(1)(2)には「練習」とはっきり書かれていて、意味の差はそれほど大きくないと考えられます。そうなるとやはり、自分は「予行演習」「予行練習」どちらをどんな場面で使ってきたかを、つらつら考えてしまいました。私は1962年生まれですが、自分がよく耳にしたのは「運動会の予行演習」です。今なら「リハーサル」というところだと思います。この用例から「演習」の(2)の「実戦の状況を想定」に注目、「運動会」の隊列等の連想もあり、「予行演習」には軍隊のニュアンスが含まれているかもしれない、と推測しました。戦後の一般的な日本語には旧日本軍を思わせるニュアンスを嫌う傾向があるようで、私は、軍事的な語彙(ごい)は定着しづらいという印象を持っています。そこで、そのニュアンスを排除するため、時間が経過すれば「予行練習」の用例が増えていくのでは、という見通しを持ちました。確証は何一つないのですが、そういう見通しのもと、前述の「どちらも誤りではありません」という回答を作りました。
予行演習 というところ、練習 との違いを説明する。
この表現はそれぞれに意味解釈ができる。
しかし、予行練習は誤りとして、儀式や催し物の前に、その当日に行うとおりに練習してみること、という説明が行われる。
演習の語が計画通り実際に行う意味を持って使われた。
いわば軍事演習で、その演習場も実弾を使う可能性があって実戦さながらに行われたであろう。その演習場に天皇が見に来たと史跡を残すものがある。
その用法に対して、そのような意味合いをもたないで行う練習があってもよいので、予行練習という語を使うことがあったのであろう。いまも軍隊と自衛隊で作戦行動を日米また日米韓で行う訓練は演習である。
毎日ことば・ブログ: 「予行練習」は「予行演習」の誤り?
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2012/10/27 - 先日、スポーツ面の読み物である「焦点」に、「予行練習さっそく成果」というやや大きな見出しがついたところ、何人かの読者の方から「『予行演習』の誤りでは?」というメールを頂きました。実はこのご指摘を頂くのは初めてではありません。
>最初に私がこのご指摘を頂いたのは、はっきりとは覚えていないのですが、10年以上前のことだと思います。回答しなきゃ、と辞書などで調べを進める際、「予行」は「前もって行ってみること。また、そのもの」(日本国語大辞典)で共通なので、「演習」と「練習」の違いをはっきりさせてどちらが適切か考えてみよう、という方針でした。日本国語大辞典の説明を引きます。
【演習】(1)学問、技芸などを繰り返して習うこと。けいこ。練習。
(2)軍隊で、実戦に慣れ、また、平素訓練した戦闘能力をためすために、実戦の状況を想定して行う、軍事行動の練習。
(3)大学などの授業方法の一つ。学生に研究発表をさせたり、全員で討議を行ったりするもの。ゼミナール。セミナー。
【練習】学問や技芸などを繰り返し学習すること。また、一定の作業を反復して、その技術を身につけること。
他の辞書もおおむね同じような説明でした。「演習」の(1)(2)には「練習」とはっきり書かれていて、意味の差はそれほど大きくないと考えられます。そうなるとやはり、自分は「予行演習」「予行練習」どちらをどんな場面で使ってきたかを、つらつら考えてしまいました。私は1962年生まれですが、自分がよく耳にしたのは「運動会の予行演習」です。今なら「リハーサル」というところだと思います。この用例から「演習」の(2)の「実戦の状況を想定」に注目、「運動会」の隊列等の連想もあり、「予行演習」には軍隊のニュアンスが含まれているかもしれない、と推測しました。戦後の一般的な日本語には旧日本軍を思わせるニュアンスを嫌う傾向があるようで、私は、軍事的な語彙(ごい)は定着しづらいという印象を持っています。そこで、そのニュアンスを排除するため、時間が経過すれば「予行練習」の用例が増えていくのでは、という見通しを持ちました。確証は何一つないのですが、そういう見通しのもと、前述の「どちらも誤りではありません」という回答を作りました。