娘の婿さん。
このひとにこんな強さがあるということは、一種のおどろきです。
だってこの青年、おとなしくて口下手で(娘ほどではない)、ひとと争うよりはがまんして引っこんでしまう、というタイプの人間なのです。
盆や正月に、一家(一族?)十数人が勢ぞろいするときなど、娘とふたり、隅の席でひっそりしています。
外交的な兄たち一家を、遠くからニコニコと眺めています。
(わたしたち両親だけになると、わりとリラックスして口数も多くなりますが。)
また、かなりの優柔不断で、おやつのハーゲンダッツアイスクリームをなかなか選ぶことができません。
いつも見かねて、「コレがいいよね」と娘が選んでしまいます。
そんな婿さんです。
逆境に強く男らしく見えますが、じつは、まだ弱冠34歳の青年です。
今回の苦難(赤ちゃんの障害)で、つらい不安を感じないわけがありません。
でも、そんな自分の気持ちはつゆほども見せず、妻をいたわり赤ちゃんを可愛がっています。
「大丈夫?」「無理してない?」と思います。
肩に手を置いてあげたい、手をにぎってあげたい、背中をさすってあげたい。