ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

「太平洋序曲」2回目

2002年10月24日 | ミュージカル・演劇
新国立劇場での「太平洋序曲」の2回目を観て来ました。初演、N.Y.と合わせると4回目になりますが。
今回、実は職場の団体観劇でした。と言っても、演劇に関心のある人たちが希望して申し込んだはずなので、今まで話題になっていたいわゆる「貸切」のお客さんとは違うんですが。でもまあ、いわゆるミュージカルファンとは違う、初めて観る人たちが30人ばかりいたことになります。(私も入れてですが)
最初、「太平の浮島」が終わった時には拍手がまだ少なかったのですが、舞台が進むにつれて、だんだん反応が良くなって行くのがわかって、面白かったです。
初めて観る人が多いので、笑いを取るシーンも結構新鮮な笑いが起きてましたし(笑)
そして、最後の「ネクスト」が終わった後、カーテンコールが2回終わるまで、拍手がまったく止まりませんでした。

さて、周りの反応はおいておいて、自分の感想なのですが。
今回、かなり前の席で見ることができました。初演で一回だけ観た時もかなり前の席で、その時にものすごく衝撃を受けたのですが、今回久しぶりに前の方の席で観て、最初に見た時の衝撃と感動が甦りました!
妹も、実は今回初めて前の方の席で観たのですが、「後ろで見るのと全然違う」と言ってました。後ろで見るのも、花道で何をやっているのかが良く見えていいんですが、やはり前で見た方がいいですねえ・・・。
「黒い竜が4匹」で襖が流れるように動いたり、前にドン! ドン! と迫って来るところの迫力などは、やはり前の方で観ると違いますね。
「太平の浮島」で、金の扇子がとても効果的に使われてるんだなあ、なんてことに初めて気が付いてみたり。
あそこの振り付けは、日舞を効果的に取り入れていて、すごくいいなあ、と改めて思いました。
1幕の最後、金の襖についていた赤い線は、その時出ていた役者さんが赤インキのついたローラーで引いていたこととか、「ポーラー・ハット」の最中に、着替えと一緒に香山と万次郎にシワや白髪のメイクがされていたこととか、初めて気が付いたとこがたくさんありました。
そして、役者さん一人一人の演技がよく見えて、感動に拍車がかかりましたね。
おそらく、私が見た初演の時よりも、一人一人の役の解釈も深まってるでしょうし。
喉が疲れてるかな、という感じの役者さんが多かったのですが、それがかえって感情の高まりを表していたような・・・。「帰り待つ鳥」の広田勇司さんの歌が、今回はなんだかいつになく胸にじーんと来ました。
「木の上に誰か」も、相変わらず良かったですね。
「プリーズ・ハロー」のところでは、以前はロシア司令官、フランス司令官にまでならないと笑えなかったものですが、最近は最初のアメリカ司令官から結構面白いなあ、と思えるようになって来ました。皆とても楽しそうにやってますね。
余談ですが、席がオランダ司令官が出てくるあたりだったので、オランダ国旗が肩にかかってちょっと嬉しかったです(笑)
そして、今回一番新鮮に感じたのは、香山と万次郎の絆、でした。
最後に万次郎が香山を刺した瞬間、はっとして慄く表情が、今回初めて見えたのです。思わず胸をつかれてしまいました。
初演の時はそういう表情には気が付きませんでした。単に気が付かなかったのか、公演を重ねて演技が深まったものなのかはわかりませんが・・・。とにかく、今回観た万次郎からは、友であったはずの香山を殺してしまったんだということに対する衝撃が感じられて、思わず涙ぐんでしまいました。
そう思ったら、その前に香山が万次郎に銃を向けながらも撃つことができなかったのも、やはりかつての友を殺すことができなかったからなんだなあ、と思えて、相乗効果で泣けました。
そして、ネクストが流れている中、死んだ香山が立ち上がってしばらく悲しげな表情で立っているのも見えて、またまた泣けましたね。
「ネクスト」で、原爆投下で一度倒れた人たちが、機械のように震えながら立ち上がって行く様も良く見えて、ゾクゾクしました。
最後に香山とたまてが出て来た時も、最初に出て来た時と全く同じ会話をしているのが分かって、それも感動したなあ・・・
という訳で、4回目にして新たに感動してしまったのでした。
ああ、あと1回しか観られないのが悲しい・・・。また再演してくれるといいのですが
コメント
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