ジェーン・オースティン読書シリーズその2です。図書館で借りやすい順に読んでいるので書かれた年代順には読んでません。
これは6作中4作目でしたっけ? 確かに元は最初に書かれたという「高慢と偏見」に比べると、話に捻りができてきたかなーと思いました。
どちらかというと、主人公のエマがどうしても好きになれない、貧しいけれど美しくて教養もあるジェーンの方がヒロインっぽいキャラで、エマは少女マンガでいうとヒロインのライバル役、みたいな存在なのが面白いなあと思いました。
作者はエマのことを「私以外は誰も好きにならないような人物」と言っていたそうですが、どうしてなかなか魅力的でユニークなキャラクターだと思いました。
もしかしたら、当時のイギリスでは嫌われるタイプだったかもしれませんが、今読むとむしろ現代的で共感できるキャラクターに思えます。
ミスター・ナイトリーがジェーンを評して、素晴らしい女性だけれど、(控えめすぎて)あけすけなところがないのが妻にするには物足りない、なんて言っていますが、まさにそんな感じで、エマの方が魅力的に感じますね。
エマが色々と深読みすることが、ことごとくハズれているのが結構笑えました。一人で勝手に誤解のループにハマったエマが、失敗を経験に成長する物語ですが、エマの失敗、特にハリエットに対する行動が結構痛いので、わりと素直に彼女の失敗から反省までの変化に共感できるように思いました。
プライドが高くてちょっとおせっかいなキャラクターは、「高慢と偏見」のキャサリン夫人にも通じるような・・・やっぱりキャサリン夫人にはどこか愛嬌があったなあ、と、この作品に出てくるうざキャラ(汗)ミセス・エルトンなどと比べると思いました。
まあ、最後の全て丸く収まりすぎなハッピーエンドはちょっとつまらないですけど・・・(汗)
「高慢と偏見」だけ読んだらそんなに感じませんでしたが、やはり作者の世界観の狭さと真面目すぎる道徳観がちょっと鼻につくように思いましたね。こちらの方が話が捻ってある分、余計に感じるのかもしれません。
しかし、とにかく読みやすくてぐんぐん読ませる力はすごなあと思いますね。彼女の作品が今でも読まれている最大の原因ではないかと思います。
なんかやっぱり少女マンガの原点って感じがするんですよね。「高慢と偏見」のダーシーは元祖ツンデレって感じだし(笑)この作品でも「実は身近にいる人が」というパターンがやはり少女マンガの王道だなーと思うし。
頑固で変わり者だけれど結構人好きなエマの父のミスター・ウッドハウスや、おしゃべりなミス・ベイツなど、ちょっと変わり者だけれどどこか愛嬌のあるキャラクターも面白かったです。こういうキャラクター造形の能力もすごいなあと思いますね。
というわけで、読み易いし、残りの作品も読む予定です。実はもう一冊、「説き伏せられて」を読み終わっているのですが。「黄金の羅針盤」を読み始めたのでしばらくは中断ですが、そのうち読みたいと思ってます。