井上ひさしの音楽劇を蜷川幸雄が演出、主演は上川さん、ということで、気になって見に行って見ました。チケット取るの大変だった・・・平日でなんとか取れましたが。
井上ひさしの音楽劇と言えば、やはり上川さん主演だった「天保十二年のシェイクスピア」を見たことがありますが、あちらは新感線プロデュースだったので、かなり違うと言えば違いましたね。
まず、開演前には舞台は舞台裏までそのまま見える、まったくセットしていない状態。そういえば「キーン」では最後に舞台裏を見せてましたが・・・
それが、開演とともに勝村政信さんの黒子がボロボロの幕を引いて去ると、鏡張りの壁が現れ、出演者全員が裃姿で正座していて、思わず会場から感嘆の声が上がりました。
この鏡は終始張られていて、客席が常に映っている状態でした。客席を映すためか、客電もあまり落とさず、明るめでした。観客を常に映し出すことで、大衆に見つめられている源内、というものを暗示していたのかな。
特に大衆の目を意識させるような場面では照明が客席をかなり明るく照らし、くっきりと観客を映し出していました。
蜷川幸雄演出といってももとは井上ひさしですから、ギャグ満載なところなど、最初はむしろ井上色が強い感じ? のっけから、役者さんの技量もあってかなり笑わせて、蜷川幸雄もこんなのやるんだ・・・とちょっとびっくりでした。
上川さんの赤ちゃんもびっくりしたし(笑いました!)、豊原功輔さんの家老の馬鹿息子キャラもかなりおかしかったです。
ただ、ギャグ的には新感線のほうがドタバタ感も勢いもあって面白かったかな。いやこの舞台もかなり笑えましたけど。
ただ、長崎時代の場面で、やたらと「♪長崎は今日も雨だった~♪」と歌う場面がありましたが、あれ、当時だったらかなりウケたんでしょうが、今はちょっとなーと思いました。脚本ママなんでしょうけど。
歌的にも、ちゃんと歌える人がほとんどいなかったので、元の曲もさほど良くないので(汗)なんか音楽劇である意味があんまりなあ、と思いました・・・上川さんが上手い方なんだもんなあ。
ひとりだけ、花魁のソロの人がちゃんと歌えてましたが、あれ山崎ちかさんだった?(確認できず・・・)
高岡早紀さんも結構歌えてましたね。後の人は・・・(汗)
でも上川さんはいい声してるし、もうちょっと訓練すればミュージカルにも出られちゃうかも、と思いました。SHIROHの時も思ったけど、そこからはあまり変わってなかった・・・(汗)お手本?のアッキーがいない分SHIROHより落ちたかも(汗)
まあ、とりあえず一人で歌ってなんとか様にはなりますね。ほかの人だと厳しくて・・・(汗)
勝村さんもいい声だなーと思いました。ちょっとテンポ見失なったりしてましたけどね(汗)
でも勝村さんは演技がすばらしかったので。特に、2幕冒頭の講釈の場面は圧巻でした!
まあ歌に関しては、新感線の方が歌える人そろってたし、演奏も生でしかもレベル高いしで、音楽劇としても新感線の方が良かったかな。
ただ、終盤につれて話がシリアスになるにつれ、蜷川色が強くなり、ラストあたりのしんとした狂気も感じさせる場面はさすがに圧巻でした。こういうところ、新感線だとぐだぐだになってしまう・・・というといいすぎですが、張りつめた緊張感のようなものはやはりさうがニナガワ、という感じでした。
源内が江戸で蟄居している間、窓の外を通る物売りたちで時間の移り変わりを表していたのも見事だなあと思いました。また物売りの皆さんがすばらしかったので。日本の美を見せてくれたなあと思いました。
全体としては明らかに長すぎなんですが、まあ井上ひさしだから・・・(笑)
平賀源内がこんなことしてたんだ、という史実どおりの部分も面白かったし、江戸文化のいろいろな部分を面白くみせているのも見ごたえありました。このあたりは井上ひさしと蜷川幸雄のコラボが絶妙だったところかな。
微妙な部分もありましたが、間違いなく見ごたえのある舞台でした。
しかし、不思議に感じたのは勝村さんが演じた「裏の源内」の存在でしたね。
源内の心の闇を表しているのかとも思いましたが、生まれてくる時から既に出ていたし・・・ラスト、源内が死んでも生きてたし。死んじまうことないのによという台詞にも、源内の分身とは思えなかったんだけど・・・
私は、あの「裏源内」は源内の才能と野望にとり付いた悪魔だったんじゃないかなあと思ったんですが、どうでしょうか。
井上ひさしの音楽劇と言えば、やはり上川さん主演だった「天保十二年のシェイクスピア」を見たことがありますが、あちらは新感線プロデュースだったので、かなり違うと言えば違いましたね。
まず、開演前には舞台は舞台裏までそのまま見える、まったくセットしていない状態。そういえば「キーン」では最後に舞台裏を見せてましたが・・・
それが、開演とともに勝村政信さんの黒子がボロボロの幕を引いて去ると、鏡張りの壁が現れ、出演者全員が裃姿で正座していて、思わず会場から感嘆の声が上がりました。
この鏡は終始張られていて、客席が常に映っている状態でした。客席を映すためか、客電もあまり落とさず、明るめでした。観客を常に映し出すことで、大衆に見つめられている源内、というものを暗示していたのかな。
特に大衆の目を意識させるような場面では照明が客席をかなり明るく照らし、くっきりと観客を映し出していました。
蜷川幸雄演出といってももとは井上ひさしですから、ギャグ満載なところなど、最初はむしろ井上色が強い感じ? のっけから、役者さんの技量もあってかなり笑わせて、蜷川幸雄もこんなのやるんだ・・・とちょっとびっくりでした。
上川さんの赤ちゃんもびっくりしたし(笑いました!)、豊原功輔さんの家老の馬鹿息子キャラもかなりおかしかったです。
ただ、ギャグ的には新感線のほうがドタバタ感も勢いもあって面白かったかな。いやこの舞台もかなり笑えましたけど。
ただ、長崎時代の場面で、やたらと「♪長崎は今日も雨だった~♪」と歌う場面がありましたが、あれ、当時だったらかなりウケたんでしょうが、今はちょっとなーと思いました。脚本ママなんでしょうけど。
歌的にも、ちゃんと歌える人がほとんどいなかったので、元の曲もさほど良くないので(汗)なんか音楽劇である意味があんまりなあ、と思いました・・・上川さんが上手い方なんだもんなあ。
ひとりだけ、花魁のソロの人がちゃんと歌えてましたが、あれ山崎ちかさんだった?(確認できず・・・)
高岡早紀さんも結構歌えてましたね。後の人は・・・(汗)
でも上川さんはいい声してるし、もうちょっと訓練すればミュージカルにも出られちゃうかも、と思いました。SHIROHの時も思ったけど、そこからはあまり変わってなかった・・・(汗)お手本?のアッキーがいない分SHIROHより落ちたかも(汗)
まあ、とりあえず一人で歌ってなんとか様にはなりますね。ほかの人だと厳しくて・・・(汗)
勝村さんもいい声だなーと思いました。ちょっとテンポ見失なったりしてましたけどね(汗)
でも勝村さんは演技がすばらしかったので。特に、2幕冒頭の講釈の場面は圧巻でした!
まあ歌に関しては、新感線の方が歌える人そろってたし、演奏も生でしかもレベル高いしで、音楽劇としても新感線の方が良かったかな。
ただ、終盤につれて話がシリアスになるにつれ、蜷川色が強くなり、ラストあたりのしんとした狂気も感じさせる場面はさすがに圧巻でした。こういうところ、新感線だとぐだぐだになってしまう・・・というといいすぎですが、張りつめた緊張感のようなものはやはりさうがニナガワ、という感じでした。
源内が江戸で蟄居している間、窓の外を通る物売りたちで時間の移り変わりを表していたのも見事だなあと思いました。また物売りの皆さんがすばらしかったので。日本の美を見せてくれたなあと思いました。
全体としては明らかに長すぎなんですが、まあ井上ひさしだから・・・(笑)
平賀源内がこんなことしてたんだ、という史実どおりの部分も面白かったし、江戸文化のいろいろな部分を面白くみせているのも見ごたえありました。このあたりは井上ひさしと蜷川幸雄のコラボが絶妙だったところかな。
微妙な部分もありましたが、間違いなく見ごたえのある舞台でした。
しかし、不思議に感じたのは勝村さんが演じた「裏の源内」の存在でしたね。
源内の心の闇を表しているのかとも思いましたが、生まれてくる時から既に出ていたし・・・ラスト、源内が死んでも生きてたし。死んじまうことないのによという台詞にも、源内の分身とは思えなかったんだけど・・・
私は、あの「裏源内」は源内の才能と野望にとり付いた悪魔だったんじゃないかなあと思ったんですが、どうでしょうか。