ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

ノルウェイの森(ネタバレ)

2011年01月05日 | 映画
昨年の積み残しその5・・・
年末で駆け込みで観てきました。
村上春樹1冊たりとも読んだことのない私。このベストセラーの原作にも全く興味なかったんですが、松ケン主演というのとトラン・アン・ユン監督というのが気になってみてきました。(トラン・アン・ユン監督作も見たことなかったけど(汗))
まず印象的だったのは映像の美しさでしたね~。東京の風景から、京都の山奥の緑の美しさ、雪景色の美しさ、海辺の荒涼とした景色・・・
徹底した70年代風のインテリアや衣装も、古ぼけているようでおしゃれ。松ケンの着てた緑のチェックのシャツとか、形は古いけどすごいかわいい柄だったなあ。
映像も全体に古ぼけたような感じでしたが、それをデジタル上映で観るのはちょっと違和感あったかなあ・・・
70年代ファッションを着てる女子大生たちも皆かわいかったなあ。あんなかわいい子ばっかりってことはなかったと思うけど(笑)
建物もどこで探して来たんだ? というくらい徹底して70年代風でした。大学は早稲田大学とか東海大学とか(だったような)使ってたみたいなので、古そうに見える校舎選んだんでしょうね。どこが使われたかわかったら結構面白そう。
登場人物たちのファッションも髪型も70年代風なんですが、それがハマって美しくさえあるキャスティングがすごかったなあと。松ケンも似合ってたけど玉山鉄二さんがまたハマッてたなあ。
水原希子さんも70年代ファッションすごく似合っててかわいかったです。
と映像とか見た目の話から入りましたが、この映像の美しさでかなり話の説得力が増していたような気がします。映像だけで話がしょうもなくても観られたかも、くらいな(汗)
あらすじをおおよそ知った時点では、なんだか共感できるような気がしないな・・・と思ってましたが、実際に観て、登場人物たちの心情は皆理解できました。直子の喪失感とか、ミドリがなんでワタナベに声をかけたのかとか、初美がなんであんなひどい男を思い切れないのか、とか、永沢の虚無感さえも。共感するのはまた別の問題ですが・・・でも皆ある程度共感はできたかなあ。意外と。
やっぱり原作がちゃんとした「文学」なんだろうな・・・というのはおぼろげに理解できたような気がします。まあベストセラーになる理由はよくわかりませんが・・・(汗)
キズキの自殺の理由だけがさっぱりわかりませんでしたが、そもそも理由らしきものは全然描いてなかったし、なんで死んだかは問題ではなかったのかな。彼が死んだことで起こったことを描きたかっただけということ?
でも、永沢の虚無感と通じるものがあるのかな、となんとなく思ったりしました。
しかしワタナペのしゃべり方がいちいちムカついたなあなんか(汗)おそらく原作の雰囲気をよく出しているんじゃないかと思います・・・
最後にミドリちゃんが待っててくれるというのもなんかズルいというか。全てを喪って再び歩き出す(もしくは歩き出さない・・・)ラストだと思ってたのに。
まああのラストも希望を感じさせる、という終わり方ではあるのかな・・・
ベッドシーンが多々ありながらもほとんど体を映さないので?R指定はなくPG12とかでしたが、12歳以下の子を連れて観に行く親はいないだろうなあ・・・(汗)
R指定にしないためか、女性の胸を絶対映しませんでしたが、ブラだけしてるのはなんか不自然だったなあ・・・(汗)アジア映画観てる気分でした。(あ監督がベトナム人だから?(汗))
菊池凜子さんの演技はさすがでしたが、なぜか彼女だけ70年代の香りがあまりしなかった・・・敢えてなのかなあ?
水原希子さんは台詞回しとかは素人っぽかったけど、とにかくみずみずしい透明感のある美しさがありましたねー。台詞がたどたどしいのもむしろ新鮮に見えたというか。こういうの映画のマジックですよね。監督の演出力というか。
高橋幸宏さんとか細野晴臣さんとかのカメオ出演はエンドロールで気がついてびっくり・・・最近の顔知らなかったので、あんなになってたの?みたいな(汗)
というわけで、思ったよりも見ごたえのある映画でした。

ようやく2010年の映画の感想全て終わりました。
2010年の映画総括はまた次回に・・・
コメント
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