この映画がベネチアで「主演二人がマストロヤンニ賞受賞」ってニュースが流れた時、女の子の方が二階堂ふみちゃんと知って「ええ~!」っとびっくりしたものでした。「熱海の捜査官」の市長の娘レミー役がかわいくて、かなり気に入ってたんですよね。上野樹里ちゃん以来じゃないかというくらいに。でもその割にはその後の動向や出演作のチェックまではしていなかったので(これも樹里ちゃんの時と同じ(笑))、びっくりしたと同時に嬉しかったものでした。
というわけで公開を楽しみにしてました。
なかなかに重い話でしたが、それなりに覚悟して観に行ったので、そんなにショッキングではなかったです。
子どもの将来は親の生活環境で決まる、というシビアな現実は「女の子ものがたり」でも描かれていましたが(しかもあれは半自伝的な話なのでリアリティがすごかった)、主人公の住田は、そんな連鎖から抜け出して「自分は普通の大人になる」と決意しています。
「女の子ものがたり」では女の子たちはなす術もなく親と同じような道を進んでいきましたが、それを思うと住田の決意はすごいことだと思います。たとえそれが夢に向かって努力するようなことではなく、ただ静かに暮らしていくことだけでも。それはとても難しいことだと思うから・・・
住田も自分の意に反して道を踏み外してしまうのかな、と予想していましたが、自暴自棄になりながらも頑なに親と同じような道を選ばなかったのはすごいなと思いました。
衝動的に通り魔的な行動をする若者たちと遭遇しながら、自分も爆発してしまいたい、でも彼らと同じになりたくない、そんな葛藤に苦しみながら彷徨する住田が、どんな結末に至るのかを固唾を飲んで見てしまいました。
最後はきっと銃を捨てるだろう、と思っていたというよりは願っていたのですが、もしかして違った? と一瞬思ってしまったので、生きていた時は素直に嬉しかったです。考えてみたら予告とか宣伝でよく流れていたシーンがまだ出てきていなかったのですが、そのシーンが出てくるまでそんなのすっかり忘れてしまってました(汗)
茶沢にしても、心優しいけれど何もできないホームレスたちにしても、住田を具体的に救ってくれる力は持っていないけれど、彼らの住田を思う気持ちが最終的に彼を救うことができたのかな、と思うとじんわりとしました。
特に、ホームレスたちが住田のために走っていく場面が良かったですね。
被災しただけでホームレスになってしまうのか・・・というあたりのリアリティはどうなんだろうと思ったけれど、優しくて弱い人たちだからああなってしまったのかな。
しかし、あんなに何回も通り魔に遭遇するなんてあり得ないと思うんだけど・・・それとも何かに惹き付けられてそういう場面にばかり遭遇してた?
あり得ないと言えば、中学生が何日も無断欠席したらいくらなんでも普通自宅に様子見に行ったりすると思うんだけど・・・茶沢は家の人が適当に連絡していた可能性はあるとしても、住田の家には行くよなあ。荒れまくっていてたかだか学校に来ないくらい構ってられない、という学校でもなさそうだったし、ちょっとリアリティがない気がしました。2,30年前くらいならあったのかなあ?(原作は10年前らしいですが)
茶沢を演じるふみちゃんは、ちょっと空気読まない押し付けがましい感じがふみちゃんらしいな・・・と微笑ましくてよかったです。(ふみちゃんぽいと言っても本人がどんな子かまだあまり知らないので、今まで演じていたイメージからですけど)
茶沢は自分の苦しみを誰にも言わないけれど、住田を応援することで自分も救われるように思っていたのかな。彼女もまたすごいというか強いな、と思いました。
大人が誰も助けてくれない中、彼らにはどんな未来が待っているのか・・・甘くはないと思うけれど、それでも頑張って生きて行って欲しい、できればささやかで良いから幸せになって欲しい、と思いました。
シビアな話だったので、さわやかな鑑賞後ではありませんでしたが、どこか暖かいものが残る作品でした。
てな訳でまだ2本ですが今年見た映画の順位。
1.ヒミズ / 2.善き人
そして今年観に行く予定の映画
鑑賞済み「日本列島いきものたちの物語」
公開中「アフロ田中」「ヒューゴの不思議な発明」
3月24日公開「僕達急行~A列車で行こう」
4月4日公開「オレンジと太陽」
4月28日公開「テルマエ・ロマエ」
5月5日公開「宇宙兄弟」
5月公開「ダークシャドウズ」
8月公開「桐島、部活やめるってよ」
10月公開「フランケンウィニー」
秋公開「のぼうの城」「009 RE:CYBORG」
12月14日公開「ホビット 思いがけない冒険」
というわけで公開を楽しみにしてました。
なかなかに重い話でしたが、それなりに覚悟して観に行ったので、そんなにショッキングではなかったです。
子どもの将来は親の生活環境で決まる、というシビアな現実は「女の子ものがたり」でも描かれていましたが(しかもあれは半自伝的な話なのでリアリティがすごかった)、主人公の住田は、そんな連鎖から抜け出して「自分は普通の大人になる」と決意しています。
「女の子ものがたり」では女の子たちはなす術もなく親と同じような道を進んでいきましたが、それを思うと住田の決意はすごいことだと思います。たとえそれが夢に向かって努力するようなことではなく、ただ静かに暮らしていくことだけでも。それはとても難しいことだと思うから・・・
住田も自分の意に反して道を踏み外してしまうのかな、と予想していましたが、自暴自棄になりながらも頑なに親と同じような道を選ばなかったのはすごいなと思いました。
衝動的に通り魔的な行動をする若者たちと遭遇しながら、自分も爆発してしまいたい、でも彼らと同じになりたくない、そんな葛藤に苦しみながら彷徨する住田が、どんな結末に至るのかを固唾を飲んで見てしまいました。
最後はきっと銃を捨てるだろう、と思っていたというよりは願っていたのですが、もしかして違った? と一瞬思ってしまったので、生きていた時は素直に嬉しかったです。考えてみたら予告とか宣伝でよく流れていたシーンがまだ出てきていなかったのですが、そのシーンが出てくるまでそんなのすっかり忘れてしまってました(汗)
茶沢にしても、心優しいけれど何もできないホームレスたちにしても、住田を具体的に救ってくれる力は持っていないけれど、彼らの住田を思う気持ちが最終的に彼を救うことができたのかな、と思うとじんわりとしました。
特に、ホームレスたちが住田のために走っていく場面が良かったですね。
被災しただけでホームレスになってしまうのか・・・というあたりのリアリティはどうなんだろうと思ったけれど、優しくて弱い人たちだからああなってしまったのかな。
しかし、あんなに何回も通り魔に遭遇するなんてあり得ないと思うんだけど・・・それとも何かに惹き付けられてそういう場面にばかり遭遇してた?
あり得ないと言えば、中学生が何日も無断欠席したらいくらなんでも普通自宅に様子見に行ったりすると思うんだけど・・・茶沢は家の人が適当に連絡していた可能性はあるとしても、住田の家には行くよなあ。荒れまくっていてたかだか学校に来ないくらい構ってられない、という学校でもなさそうだったし、ちょっとリアリティがない気がしました。2,30年前くらいならあったのかなあ?(原作は10年前らしいですが)
茶沢を演じるふみちゃんは、ちょっと空気読まない押し付けがましい感じがふみちゃんらしいな・・・と微笑ましくてよかったです。(ふみちゃんぽいと言っても本人がどんな子かまだあまり知らないので、今まで演じていたイメージからですけど)
茶沢は自分の苦しみを誰にも言わないけれど、住田を応援することで自分も救われるように思っていたのかな。彼女もまたすごいというか強いな、と思いました。
大人が誰も助けてくれない中、彼らにはどんな未来が待っているのか・・・甘くはないと思うけれど、それでも頑張って生きて行って欲しい、できればささやかで良いから幸せになって欲しい、と思いました。
シビアな話だったので、さわやかな鑑賞後ではありませんでしたが、どこか暖かいものが残る作品でした。
てな訳でまだ2本ですが今年見た映画の順位。
1.ヒミズ / 2.善き人
そして今年観に行く予定の映画
鑑賞済み「日本列島いきものたちの物語」
公開中「アフロ田中」「ヒューゴの不思議な発明」
3月24日公開「僕達急行~A列車で行こう」
4月4日公開「オレンジと太陽」
4月28日公開「テルマエ・ロマエ」
5月5日公開「宇宙兄弟」
5月公開「ダークシャドウズ」
8月公開「桐島、部活やめるってよ」
10月公開「フランケンウィニー」
秋公開「のぼうの城」「009 RE:CYBORG」
12月14日公開「ホビット 思いがけない冒険」