ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

ホビット 思いがけない冒険 ネタバレ感想 1回目

2012年12月24日 | 指輪物語&トールキン
さて、ホビット 思いがけない冒険を初日に観てきましたので、その感想です。
感想書き終えないうちにもう3回観てきてしまったのですが、とりあえず1回目の印象から。
ネタバレ全開ですので、未見の方はご注意ください。

まず初日に観た全体の感想から。
公開前日にゴールデングローブ賞のノミネートが発表されて、ホビット一つもノミネートされてなくてえっ?と思ったのですが、実際観てみてなんか納得したかな・・・
LotRと違って、感動的な場面が終盤に集中していて、3分の1の時点ではFotRのような感動的な頂点までは達していないんですよね。だから、LotR三部作のような大きな感動を得られる話ではないというか。
それでも、映画オリジナルの設定を入れつつ、上手く着地点(とりあえず3部作の1作目としての)を見つけて来たかな、とは思いますが、やっぱり賞を獲るようなところまでは行っていなかったんだろうなと。
まあ序章ですから、後2作に期待ですね。と言っても、これからさらに映画オリジナル設定が出てくるはずなので、ちょっと心配もありますが・・・
しかし音楽だけでもノミネートされても良かったのになあ。アカデミー賞も無理かなあ。

あと、原作と概ね同じ展開ではあるんですが、ほとんど全ての場面でちょこちょこと細かいシチュエーションや設定が変えられていて、まあ上手いアレンジとも言えるのかもしれませんが、どうも違和感があってならなかったですね。
色んな意味でPJらしい改変だなあと思いましたが・・・そういう意味ではもうLotRで慣れっこで、しかもLotRほど激しく原作から離れていなかったので、まあ許せないというほどではありませんでした。これも2回、3回と観て印象また変わったのですが。

とまずマイナス評価な部分から書いてしまいましたが、次に良かったところ。
何よりも、キャラクターが活き活きと魅力的に描かれていたことでしょうね。LotRでもそうでしたから、驚くにはあたらないですが。
当初から、ドワーフ13人を一人ひとり個性的に描きたいと言っていましたが、本当に13人のキャラクターをちゃんと分けて来たのには拍手、ですね。ちょっとイケメンすぎたりとかドワーフっぽくないキャラクターもいて、当初ビジュアルが発表された時には違和感がありましたが、実際観てみたらそんなに違和感はありませんでした。まあ大分見慣れて来ていたからかもしれませんが。
実際のところ、トールキン教授だってドワーフを13人描き分けようなんて全く思ってなかったと思うんですよね(汗)12とか13って、ベオウルフとかの竜退治にでかける兵士たちの数にありがちで、その辺から13人ってことにしたんだと思われるので、単なる数合わせだったはず。
それをここまでちゃんと描き分けて来たのは、本当にすごいなあと思います。皆少しずつちゃんと活躍してましたしね。ちょっとノーリとビフールの影が薄かったですが、ここまでやっただけでもすごいと思います。
まあ、せっかく描きわけても、初めて観る人にはだれが誰だかさっぱりでしょうが・・・13人の名前全部言えた私だって、ビジュアルが公開されてから全員の顔と名前が一致するまで2ヶ月くらいかかりましたから(汗)
でも、一人ひとりが活き活きと描かれていたからこそ、13人揃った時に大騒ぎな感じが微笑ましかったんだと思います。
このドワーフたちのにぎやかさは良かったですね。袋小路屋敷での大騒ぎはもちろん、トロルにつかまってぶーぶー騒いでいたところも、原作のイメージそのままで嬉しかったです。

トーリンは、イケメンで鬚も薄くてドワーフとしてどうなの、と思ってましたが、意外にトーリンらしかったです。頑固なところなんかそのままで。この頑固さがないと終盤の展開につながらないですが。
トーリンについては2回目吹き替え観たらかなり印象変わったのですが、その話はまた別の記事で・・・
バーリンがトーリンより年上でどうなの? と思っていたのですが、なるほど爺や的存在ですか~
バーリンの、思慮深くて優しいところがいいですね~。ウィンクがお茶目でかわいいです!
ドワーリンはルックスからしてワイルド系でカッコイイですね。回想シーンでモヒカンだったのでちょっと噴きそうになってしまったんですが(汗)あのスキンヘッドは敢えてなのかそれとも・・・?(実際のところ、演じているグレアム・マクタビッシュさんの髪型をそのまま使っていると思いますが(汗))
ドワーリンについては2回目、3回目観てどんどん好感度upしたんですがそれはまた別の記事で(笑)
フィーリ、キーリは、なんかLotR映画のメリピピポジションですね(笑)割と考えなしな無謀で悪戯好きの若者ポジション。特にキーリが結構お馬鹿さんでかわいい・・・映画のピピンのポジションですね。
一方で弓矢を使う場面はまるでレゴラスのよう・・・ルックスもイケメンだし、レゴラスとピピンの両方を兼ね備えたキャラクター!?
フィーリはキーリよりは思慮深いところもあり、まさにメリーのポジションだなあと。
予告のAt Your Serviceを観た時から「かわいいじゃないか・・・」と思ってましたが、いや実際かわいかったです。トーリンといい、イケメンドワーフ3名意外にも受け入れられてしまいました・・・
グローインはルックスからしてギムリそっくりですが、しゃべり方とか仕草までギムリらしくて、見ていて微笑ましいですねー。まさにドワーフという感じで。
ドーリは上品なドワーフなんですねえ。意外な感じ。
オーリはパチンコが武器だったりして(後で斧も振り回してましたが)、もしかして戦闘力メリー以下なんでは・・・と思わせましたが(汗)いや実はビルボよりも下かも?
でもこの気弱そうなオーリが、後にバーリンと一緒にモリアに行こうと思うんだなあ・・・と思うとちょっとじんわり来るものが・・・
ボフールは結構オイシイ役どころですね。というか、原作のボンブールの役目をやや取ってしまっているような。その分ボンブールが意外と目立たなかったですね・・・どころか台詞ないんですねボンブール・・・2作目では喋るのか!?
オイン、ノーリ、ビフールについては1回目の時点ではあまり感想がありませんでした(汗)でもここまで個性出してそれぞれのキャラクターを見せているんだから、充分すごいなあと思います。

原作そのものと言えば、ビルボですね! マーティン・フリーマンのビルボはもうどこからどう見てもビルボそのものでした!
私はマーティン・フリーマンは「銀河ヒッチハイクガイド」で知って好きになったのですが、ビルボのキャスティングの噂で彼の名前が最初に上がった時から(そもそも最初の噂から名前が出てたと思います)「マーティン・フリーマンだといいなー」と思い続けていたので、本当に彼になって嬉しかったですね! 絶対にぴったりだと思ってましたから。
彼になって嬉しかったもうひとつの理由は、彼を選ぶということは、原作どおりのビルボなんだろうな、と思えたからでした。そしてやっぱりそのとおりだったので、もう本当に嬉しかったです。
原作どおりなだけでなく、新しい息吹も吹き込んでくれてました。彼の演技によって、原作どおりの場面に息が吹き込まれたというか。
袋小路屋敷で、朝になってドワーフたちがいなくなって、ホッとしたはずなのに寂しくなって・・・というあたりの表情が絶妙でしたね~!
ゴラムを殺そうとして、できなかった時の表情も良かったです。あそこはゴラムもかわいそうだったけど、それに心を動かされるビルボの表情の方が泣けましたね~

ガンダルフは、しっかり10年分年取ってましたが、観ているうちに慣れました。奥方も・・・なぜかエルロンドだけ若返っていたようですが(汗)いや鎧姿のエルロンドかっこいいです。エルロンドに関してはホビットの方が断然好きだなー。
ガンダルフはさすがに原作ほどお茶目ではありませんでしたが、ところどころせっかちなところを見せてくれて、ああ灰色のガンダルフだなあと嬉しかったですね。
サルマンは、この時点ではまだ悪い人ではなかったはずなのに、既にガンダルフや奥方から敬遠されてますね・・・(汗)
そして、ガンダルフと奥方が実際に会話する場面、原作でも直接には出てこなかったですが、なんかガンダルフが奥方にものすごく敬語使ってるのが違和感・・・そんなに身分?の差があるもの? イスタリのガンダルフの方がえらかったりしないの?
そしてテレポーテーションを使ったと話題の奥方ですが、実は実体じゃなくて、本体はロリアンにいて立体映像を飛ばしていたのでは、と私は思っています・・・そっちの方がすごいか(汗)

ラダガストの出番が意外に多くてびっくりでしたが、いやラダガストかわいかったです。ただの変人なだけじゃなくて、ちゃんと力があることを示す場面もあったし。
しかし、うさぎ橇でワーグをひきつけるとか言い出した時は「うさぎがワーグに勝てるわけないじゃん!」とハラハラしながら観てしまいました。ここ原作にない分、どうなるかわからなくてドキドキしてしまいましたね・・・
むしろワーグがドワーフたちの方に来たらホッとしましたね。ここで誰も死なないのわかってるから。
しかしラダガスト、ガンダルフたちがどっちに行くつもりなのかちゃんと打ち合わせておきなよ、と思いました・・・
あと、ハリネズミの名前がセバスチャンって、中つ国っぽくないですよね・・・

そしてゴラム! ビルボとのなぞなぞの場面、緊迫の名場面でした!
後でプログラム読んだら、モーションキャプチャーの進歩で、セットでマーティン・フリーマンとアンディ・サーキスがそのまま演技して、後からCGに差し替えることができるようになったのだとか。
おかげでリアルな演技になっていましたね。
そして、ゴラムの二重人格が結構はっきり描かれていて、スメアゴルは遊びたがっているのがかわいいというか、かわいそうでしたね・・・後でビルボが哀れみを感じる場面にも通じていたと思います。
この静かな場面がこんな名場面になるとは・・・色んな意味で脱帽でした。

トロルはちゃんと喋りましたが、鷲はしゃべりませんでしたねー。
そう言えば、サントラ聴いていて「自然のテーマ」が出てきて、ああ鷲たちが来るところなんだろうな、でもまさか蛾は出ないだろうな・・・と思ったら本当に蛾が出てきて、ここも一人で噴きそうになってしまったのでした・・・

終盤の、ビルボがトーリンを助けに行くあたりは、盛り上げようというオリジナルの展開ですが、ちょっとやりすぎかな・・・と1回目を観た時点では思いました。この後また印象変わったのですが。
やりすぎと言えば、サントラで「一行の離散」とか「王の帰還」のフレーズが出てきたのも、ちょっと大判振る舞い過ぎな気がしましたね・・・

字幕は大丈夫らしいと聞いてましたが、本当にちゃんとしてました。予告と全然違ってよかったー。
エンドロール観たら、なんだ監修が吹き替え版と同じメンバーではないですかー。もうLotRの時も最初からこうしてれば良かったのに。
でも、LotRの時の騒動があってこその今回の字幕なんですよね。あの騒動のおかげで吹き替えの楽しさも知ったわけだし、無駄ではなかったんだなあ、なんて思いました。

あ、IMAX 3D HFRで観ましたが、確かにきれいかな・・・と思いましたが、特に3Dでなくてもいいかなというのが私の感想でした。
ただし、私は後ろの方で観てしまったのですが、IMAX 3Dは前の方で観たほうがいいという話をあとで聞いたので、次は前の方で観ようと心に決めたのでした。
あと、HFRに映像が追いつかないのか、ぼやけるところが結構ありましたね・・・2Dだとどうなのかがむしろ観てみたいです。(まだIMAX 3D HFRしか見ていない・・・)

というわけで、おおまかなくせに長い1回目の感想でした。
近日中に2回目、3回目の感想も書く予定です。
ブログでは書ききれないこともあるので、サイトの方も更新できたらな・・・と思いますが、さてどうなりますやら。
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