ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

偶然が生んだ名作?

2007年07月18日 | 指輪物語&トールキン
300の上映が今週で終わりだというので、行こうかな~と思ったけれど、旅行の準備もあるしな・・・とやめました。うーん、もう一度見てみたかったんだけど・・・DVDが1000円くらいになったら買うかな・・・(笑)
さて、昨日書き忘れたことがひとつ。
死者の道の途中で、扉に指を挟まれたままのバルドールの白骨体を見つけるシーンが印象的ですよね。伝説の結末をこの目で見てしまった、みたいな。ちょっとインディ・ジョーンズみたいとも思いましたけど・・・(汗)
しかしこの白骨体が誰なのかが、訳注では書かれてましたけど、本文では後になってセオデンの話で初めてわかる、という形になっているのがちょっとびっくりなんですけど。すごい不親切・・・
しかも多分、何の予備知識もなく、あのセオデンの話から「あの白骨体はこのことだったのか」と読む人皆が理解できるわけではないですよね。
でも、後から「あれはそういうことだったのか」とわかる方が面白い・・・かな? うーむ(汗)
まあそれはおいておいて、こういう、メインの物語の背景に、作りこまれた伝説まである世界観が、指輪物語の魅力でもあると思います。「ホビット」もそうですけど・・・
しかしこの世界観は、「指輪」のために作られたものではなくて、もともと別に考えていた中つ国の物語だったけわけですよね。
トールキンが本当に書きたかったのは、中つ国の第一紀の物語だったわけですが、出版社がどこも渋ったように、正直なところ「シルマリル」だけが出版されても売れなかったでしょうね・・・あれはあれで魅力的な物語ではありますが・・・
でも、もし「指輪」を書くために背景としての世界観を新しく作ったとしたら、どんなによく考えられたものでも、トールキンが長年考えて来たあの世界観ほどのものができたとは思えません。これは他のどんなファンタジー作品と比べてもそうですが・・・。
中つ国の物語を先に考えていたことが、「指輪」に思わぬ深みを与えたことになりますね。
しかも、「指輪」はもともと「ホビット」の続編を書くように勧められて書き始めたもので、あんな長い話になる予定でもなかったし、あのような深い物語になる予定でもなかったのですよね。
「シルマリル」の世界観だけでなく、「指輪」には「ホビット」の影響も色濃く残っています。続編なんだから当たり前と言えばあたりまえかもしれませんが・・・
「シルマリル」になくて「指輪」にあるものと言えば、やはりホビットの存在でしょう。伝説にも書かれていないホビットが突然物語の中心に出てきたことは、神話・伝説を模した物語である「シルマリル」と大きく違いますよね。
フロドはちょっとエルフっぽくなってしまうけれど、サムやメリー、ピピンの存在は、深刻な物語の中でホッとさせてくれますね。
ガンダルフの「ホビット」の流れを汲むせっかちさも、ギムリの皮肉さも。レゴラスもエルフながら飄々としたドライなところがあって、レゴラスとギムリの会話にも「ホビット」の流れを感じます。
「ホビット」のイギリス人らしいドライなユーモアと、キリスト教的な道徳観、そして「シルマリル」の神話・伝説につながる世界観、この融合が、それまで誰も読んだことのなかったような物語を生み出したんですね。
しかも、それが最初から意図されていたものではなかったというところが・・・なんとも運命的というか、不思議な気がします。
未だに「指輪」に匹敵するような・・・少なくとも似たような作品が(真似したものではなく)現れない理由が、なんだかわかるような気もします。
狙って書いたモノは売れないんだなあと・・・あれ、何か違う?(汗)
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