ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

ダウト~あるカトリック学校で~(ネタバレ)

2009年04月05日 | 映画
基本的にネタバレですが、重要なネタバレには反転文字を使います。
どうも忙しくて更新もままならず・・・映画観に行く時間もなくて、もうレディースデーで行くのは絶対無理なので、銀座行く用事があったついでにささっと観て参りました。
オーストラリアは見ないうちに終わってしまったなあ・・・
なんで観に行ったかというと、音楽がハワード・ショアだからという、それだけなんですが(汗)まあ、結構アカデミー賞にもノミネートされてたし、見て損はなさそうだなあと思って。
俳優陣、特に女優陣の評判が良かったですが、なるほど、という感じ。メリル・ストリーブ、ヴァイオラ・ディヴィス、エイミー・アダムス、3人とも素晴らしかったです。
特にメリル・ストリープは圧巻でした。マンマ・ミーアとは全然違う・・・マンマ・ミーアでも後半の演技とか良かったと思いますが、やっぱこういう映画の方がいいですね~
前半の厳格な校長の姿も、厳格すぎてどこか笑えてしまうようなユーモラス感もただよっていて、怖いけど決して「嫌なやつ」という気がしなかったのもさすがかなあと思いました。
ラストはもらい泣きしてしまったし・・・
メリル・ストリープ演じるシスター・アロイシアスは、厳格な校長で、何らかの信念のもと、自らの疑惑(ダウト)を信じて突き進むわけですが、なぜ彼女がそのような行動をするのか、という理由や背景はほとんど語られません。
背景が語られないのに、折々の場面で、シスター・アロイシアスが決して単なる非常な人間なのではなく、信仰にも篤いことが窺えたのも、人間味を感じさせて良かったです。
ひたすら厳格につき進む姿は、むしろカッコ良くすら思えてしまった(笑)
ドナルドの母のヴァイオラ・ディヴィスも、鼻水まで流しての熱演で、素晴らしかったです。
そして、若き純粋なシスター、シスター・ジェイムスを演じたエイミー・アダムスが予想外に素晴らしかったです。ただ若くてきれいなシスターというだけでなく、純粋に人を信じたいという思いが、嫌味でなく素直に伝わってきて、彼女の存在にかなり救われる感じでした。ラスト、彼女の前で弱みを見せたシスター・アロイシアスの気持ちもわかる、という感じ。
フィリップ・シーモア・ホフマンのフリン神父は、人あたりもよく快活で、誰からも好かれる好人物、でも何か裏にありそうだけど、気のせいかもしれないし・・・という人物像を、見事に体現していたと思います。ホント上手いよなあ、と思いました。ふだんにこやかなだけに、シスター・アロイシアスとの対決?の場面での激し方とかも怖かったし・・・
このあたりの見事な人物造形は、脚本や演出が負う部分も大きいでしょうが、とにかく俳優陣素晴らしいなあ、という感じでした。
ストーリーも複雑な感情を呼び起こすもので、なかなか見ごたえがありました。
一見好人物な神父に起こった疑惑を、確証もなく追い続ける校長。シスター・アロイシアスの疑惑は、直感と偏見によるものといいつつ、なんか「いかにもやってそう」な雰囲気にも見えるフリン神父・・・このあたりの演技も絶妙だったかも。
そして、次第に外堀が埋まるように「やっぱりそうなのでは」と思わせる事実が集まり始め・・・それでもはっきりした証拠が出ないまま、シスター・アロイシアスは嘘をついて誘導尋問するという大勝負に出て、一度は勝ったと思いきや、フリン神父は栄転の形で教区を去ったという意外な結末に。
ラスト、泣き崩れるシスター・アロイシアスには泣かされましたね~。私は「神にそむいてまで自分のやったことはなんだったのか」と解釈したんですが、色々取れる含みのある台詞だったのも良かったですね。そんなシスター・アロイシアスのために涙するシスター・ジェイムスにも泣かされましたし。
このあたりには、「所詮は男の世界」というのもありますよね。
夕食のシーンで、ちょっと下品な話で和やかに爆笑している神父たちの夕食シーンと、静まり返ったシスターたちの夕食風景が対比させられていて、シスターたちの静まり返りっぷりに笑っていた人もいたけれど、神父たちの生臭ぶり(とまでは言ったら言いすぎですが)にも軽い不快感はありましたね。
シスター・アロイシアスは、そういった男たちの世界に対しても、自らの信念で立ち向かっていたと思うのですが、深読みしすぎでしょうかね。
確かに、シスター・アロイシアスが守ろうとした世界は古く、世間からは受け入れられなくなって行くばかりのものでしたが・・・
ケネディ暗殺の翌年という時代から、人種差別、同性愛差別の問題も絡むあたりは、ドナルドの母の場面が代弁していましたね。最初は一見無責任な母親に見えたドナルドの母が、偏見に満ちた時代の中、あるがままの息子を守ろうという信念を持っている姿が明らかになるところは圧巻でした。
ドナルドの母に気おされるシスター・アロイシアスにも人間味を感じさせられます。でもその後の、強風に煽られながらやっぱり決然として帰っていくシスター・アロイシアスはちょっとカッコよかった(笑)
サントラは、音楽がなっていない部分が結構多く、要所要所でポイント的に音楽が流れる感じでした。むしろ子供たちが歌う聖歌の印象が強く・・・エンドロールも聖歌しか流れなかった(汗)サントラCDがショアの自レーベルからしか出なかったのもなんか納得。でも、音楽流れる時間少ないながらショアらしい静かな音楽で良かったです。

てなわけで今年見た映画の順位。
1.マンマ・ミーア! / 2.ダウト~あるカトリック学校で~ / 3.アラトリステ / 4.三国志
メリル・ストリープ、マンマ・ミーアよりよかったといいつつもマンマ・ミーアより下にしてしまった・・・(汗)

あと今年見に行く予定の映画のリスト。
4月10日公開 「レッドクリフpart2」
5月公開 「インスタント沼」
6月6日公開 「スタートレック」
6月20日公開 「トランスフォーマー・リベンジ」
7月4日公開 「MW-ムウ-」
7月17日公開 「ハリー・ポッターと謎のプリンス」
8月22日公開 「X-MEN/ウルヴァリン」
9月19日公開 「カムイ外伝」
9月公開 「キラー・ヴァージンロード」
12月公開 「のだめカンタービレ THE MOVIE Ⅰ」
公開時期未定 「ニューヨーク、アイラブユー」

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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2012-09-05 00:30:02
なんちゅう曲解やねんw
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