角岸's blog (Kadogishi s' blog)

酒、酒&映画・・時事問題?

35年を経て全く色あせない「ルパン三世 カリオストロの城 デジタルリマスター版」

2014-06-20 11:05:59 | 映画

 さて、ちょっと前になるんですが、TOHOおいらせ「ルパン三世 カリオストロの城」デジタルリマスター版が2週間ほど上映されました。もうセリフも暗記するほど何度も見慣れたこの作品を、スクリーンで観るとはいえ、見飽きるんじゃ無いかという不安があったのですが・・・・観る前は。

映画館でもらった公開当時の復刻版チラシ表面(B4) 

公式予告編はコチラ↓↓↓
「ルパン三世 カリオストロの城 デジタルリマスター版」予告編

 言わずと知れた、日本が世界に誇る天才アニメーター、宮崎駿が手掛けた劇場1作目の伝説的映画です。
宮崎ファンならずとも、おそらくテレビのロードショーで2回、3回とご覧になった方も多いことでしょう。

 そういう小生も水野晴郎先生がバリバリのストライプスーツで解説していた「水曜ロードショー」でこの作品を観て度肝を抜かれたものでした。当時まだ小学生だったと思います。

 あの、パタパタとスピーディーに走る登場人物の爽快さ。お馴染みの登場人物と、ヨーロッパ小国王家をめぐる巧みな脚本で、この90分のアニメーションを老若男女全ての人が感動できる見事な人間物語へと昇華させています。
 
 まさに宮崎節全開の大連続活劇で、「天空の城ラピュタ」と共に小生の好きな宮崎アニメの双璧をなす作品です。
誤解を恐れずに言えば、小生は後の「ナウシカ」「もののけ姫」などの理屈臭い(と自分には思える)作品よりは、こちらの方を断然支持するものです。断っておきますが、あくまで、個人的な主観ですよ。

 さて、このデジタルリマスター版ですが、この大スクリーンと見事なデジタル音響で、予想より遥かに深く感動的に鑑賞できました。
 特に、冒頭パンクした車を次元が修理しルパンがヨーロッパの大草原に広がる大空を眺めながら「平和だねぇ~」しけモクしているシーン。そしてカリオストロ城に鐘が鳴り響くシーンなど、今まで気にもとめなかった何気ないシーンで、圧倒的な臨場感を味わうことができます。
 もちろん、ルパンがクラリスを救い出すため城中内外で孤軍奮闘する爽快なシーン、暗殺部隊“影”達との死闘シーンなど迫力満点です。

 しかし改めて観て、この物語をいっそう深く且つ胸を打つ人間ドラマにしているのは、もう一人の主役というべき銭形警部だと小生思うんですよね。
 銭形警部のテレビ中継を利用し全世界へ向け伯爵の「ニセ札づくり」を暴露シーンの可笑しさと、してやったりの爽快さはどうでしょう!!。ルパンの言うところのこの「昭和一桁生まれ」のマジメ中年オヤジは、巨悪を打つために、とりあえずはルパン一味らと共同戦線をはり、カリオストロ伯爵のニセ札作りの告発。そして、巨悪を成敗した後はちゃんとルパン一味を追うプロフェッショナリズムをみせます。自分の出世など全く考えない、まさに昭和時代の日本のオヤジを絵に描いたようなこの人物造形に溜飲をさげ、宮崎演出に改めて感心させられました。今から、35年前の作品ですよ!!


映画館でもらった復刻版チラシ裏面(B4)

 何時かまた、上映してくださいTOHOさん。