上海下町写真館2010

上海より半年ぶりに帰国しました。マイペースで故郷の風景や歴史などをご紹介します。

上海ストリート:工芸博物館はフランス租界長官の邸宅だった。(1)

2013年02月09日 06時00分00秒 | 上海優秀歴史建築

18世紀ヨーロッパ城砦建築様式で、フランスのルネッサンス様式住宅の典型的な特徴を持っているそうです。



建築面積1,496m2、地上2.5階、下部に半地下を持っています。



1階南面にはライオンの口から流れる水盤があり、両側に半円形の階段が2階へと続きます。



1905年に建設されてから、歴代16人の長官がここに暮らしました。



1949年に人民解放軍の陳毅将軍が蒋介石の国民党を破って上海へ入城した後は、市長公邸として陳毅が暮らしました。


フランスに4年間留学し、フランスで中国共産党に入党した彼がどんな思いでここに暮らしたのか、外灘に立つ誇らしげな表情の彼の銅像に問いかけてみたいです。

その後、彼は毛沢東の文化大革命の粛清に反対し、迫害に遭いこの邸宅を離れ、1972年北京で病死しました。


彼が北京へ転居した後、一時中国・ソ連友好協会の事務所となりましたが、1963年に上海工芸美術研究所が入居しました。

1969年には「毛沢東」と伴に文革を進めた「林彪」の息子「林立果」がこの家に住みました。


「毛沢東」暗殺に失敗した林一家が逃亡中の飛行機事故で亡くなった後の1972年に、再び上海工芸美術研究所が入居しました。
この優美な邸宅を巡る覇権争いの歴史物語です。

撮影:CANON EOS5DIII + EF24-105mmL F4