しょぼい毎日

いつも理想はでっかいが、結果はしょぼい・・・。そんな日常を綴ってみました

高松小旅行(1)『ウルトラマン・アート!』を心底楽しむ

2012-11-28 22:32:54 | アート・文化

Img_5076Img_50752012年10月27日(土)

土曜の朝は思うように早起きできません。けれど、すばらしい好天に恵まれ、いつまでも家に引きこもっている訳にも行きません。徳島駅から高松行きの高速バスに乗り込みます。正午ごろ終点の2つ手前の県庁通りで下車。このバス停にほど近い高松市美術館に向かいます。開催中の『ウルトラマン・アート!』Img_5050_2 Img_5063 Img_5028 Img_5036 を見に来ました。明日で終了と言う事で慌ててやって来たと言う訳です。会場入り口には一部撮影可能なコーナーがある旨、案内がありましたのでカメラを持ち込みます。第一の展示室にはヒーローや侵略者が決めポーズで出迎えてくれます。ウル トラマンは仁王立ちしセブンはファイティングポーズを決めて、<いつでも記念撮影OKだぜ!>という表情で出迎えてくれましImg_5045た。天井からは妖怪<いったんもんめ>のようなビラ星人が皮肉な目を来場者に向けています。バルタン星人はまじめな表情で起立しています。メトロン星人は畳の上に座って来場者がちゃぶ台の向かいに座るのを平和的に待っています。来場者はこぞって彼らに寄り添い記念写真を撮り続けています。大人も子供も皆にこやかな表情です。もちろん一番興奮しているのはお父さん  ですが・・・。子供にヒーローや星人に関するうんちくを披露していますが、だからと言って子供の尊敬を集められるとは限りませんが・・・。ウルトラホークやジェットビートルのモデル(レプリImg_5041Img_5031Img_5032カ)にも引き込まれます。子供の頃夢中になったアイテムが目の前にあるのですから。

写真撮影可能なゾーンはここまででしたが、成田亨のCOOLとしか言いようの無いデザイン画に見とれたり、子供の頃憧れた科学特捜隊やウルトラ警備隊の装備(実際の小道具)が現在の視点で見ると意外にしょぼくて戸惑ったりと、いろんな発見のあった展覧会でした。製作過程のエピソードの数々を見て、何もないところから新しいものを作ってやろうというスタッフの情熱が伝わってきます。展示物を見ているとテレビの前に座って30分間、思いっきり楽しめた幸福な時代を思い出しました。


緑のムンクの絵と緑のおんぼろ電車

2008-03-25 00:06:23 | アート・文化

Img_2671 3月20日(木) 春分の日

こんな私でも、時にはアートに浸りたくなります。そんなわけで、北欧を代表する画家「ムンク」の展覧会に行くことにしました。

Img_2663 阪神岩屋駅から海側方向へ大きな通りを2本横断して7分ほど歩くと兵庫県立美術館に到着。大きな建物で、遠くからでも偉容を確認できます。贅を尽くしたアートの要塞!税金をたっぷりとつぎ込めた時代の建築物という印象(意地悪な見方ですが)でした。

窓口で当日券を1300円で買い3階の展示場に向かいます。

最初の展示作品は不安とか絶望とかをモチーフにした、一般によく知られた「ムンク」テイストの作品群が並んでいます。親に連れられた小さな子供は、マジで怖がっていました。

Img_2664 ←そのものズバリ「不安」

「叫び」の流れをくむムンク得意の橋の上シリーズ?ゾンビのような表情のない人々が、前を向いて佇んでいます。「叫び」が現代人の孤独を表現しているのに対し、こちらは集団・社会での個人の不安を表現しているのでしょうか?

Img_2683 ←声/夏の声(ミュージアムグッズより)

ここまで重苦しい作品が続いていましたので、この絵の前に来て正直、ほっとしました。北欧の短い夏を幻想的に描いたもので、画面左の女性の清楚な姿は、私の抱いていた北欧女性のイメージにぴったりでした。

会場の中程に来て、一枚の緑の大きな絵に釘付けになりました。

<リンデ・フリーズ>「公園で愛を交わす男女」

ドイツのお金持ちのお医者さん(リンデさん)から子供部屋用の装飾画を描いてくれてとの注文があり、ムンクさんは張り切って制作に勤しんだのですが、制作中の下絵を見たお医者様はびっくりしたそうです。一見、穏やかで明るい良い風景画です・・・。がベンチには熱く、がっちりと抱擁するカップルの姿がいくつも・・・!これを見たお医者さんが「ムンクさん。これは無いでしょ!子供部屋に飾るものだから、抱擁するカップルは要らないですよ!とにかく刺激の強いものは、消してくださいな。頼むから・・・」と懇願したそうです。が、ムンクはその願いを聞き入れることなく制作を続けたとのこと。そのためお医者さんは完成した絵の引き取りを拒否したそうです。ひょっとしてムンクさんは、お医者さんの言う通り、カップルを描くまいとは思っていても、画家として自身にわき上がってくる欲求に逆らうことが出来ずに描いてしまったのかもしれません。こんなエピソードのあるムンクさんは、正直な人なんだと思います。この絵は、現代の私の目から見ても、子供部屋にはチョット不味いかなと思います。でも、そのまま、お医者さんの子供部屋に飾られていたら、この絵を、今、私が見ることは出来なかったかもしれません。とにかく、鮮やかな原色の木々の緑と燃え上がるような男女の熱き抱擁が、ものすごいパワーとなって見る人の心を引きつけます。

この絵のグッズが欲しかったのですが、何故かありませんでした・・・残念!

108点ほどの作品は、どれも楽しめました。美術館を出た後は、満腹感いっぱいでした。牛丼並を注文したら特盛りが出てきたと言った感じです。

ムンクの代表作「叫び」(4作存在する)は、今回出品作にありませんでした。残念とは思いますが「叫び」については過去2回強奪にあっていますし、所蔵美術館側も外に出し難いのではと勘ぐってしまいます。かくなる上は、3度目の強奪にあう前にオスロに行かねばと考えてしまうのですが、果たして行くことが出来るものか・・・・・。

*兵庫県立美術館 「ムンク展」 ~2008年3月30日(日)まで

阪神岩屋駅の海側は、比較的高層アパートが建ち並んでいます。どうやら震災後に神戸製鋼の跡地に出来た復興住宅群のようです。とすると目の前にある阪神高速高架下付近は神戸港駅から東方向に出ていた臨港線から神戸製鋼所に出入りする専用線が分岐していたあたりの様です。この臨港線は摩耶埠頭まで達していました。いまから20年以上前の事ですが。感慨深いものがあります。

Img_2681 さて、次なる目的を果たすため、梅田の旭屋書店に向かいます。発売されたばかりの貨物時刻表をGETします。これが無ければ今後の撮影計画が立てられませんから。内容は年々薄くなっていきますが・・・・。

その次は、地下鉄谷町線の南森町で下車。この駅に隣接するJR東西線大阪天満宮で松井山手行き電車に乗り換え、4つめの駅の放出へ。5日前に開業したばかりのJRおおさか東線を初乗りします。

放出駅に到着すると、向かいのホームにおおさか東線電車が待ってくれていました。<古色蒼然><お疲れサン>という言葉が相応しい緑の103系です。車内の乗客は、1両あたり10名と言ったところ。およそ半分は初乗しにきたマニアの方々みたいです。正直言って<ぼImg_2676 ろい>103系電車に不釣り合いな、高規格な真新しい高架線上の線路を10分程走り、終点久宝寺に到着し、9.2㎞の短い旅は終わります。これでJR西日本完乗タイトルは防衛されたことになりますが、殺風景な都会の路線に乗っても、あまり嬉しさはありません・・・。

ともあれ、今日を境に季節はいよいよ春めいてきます・・・・。