花巻温泉郷、志度平温泉の巨大ホテルで一泊 私的には、大きいホテルは少し苦手です。規模が大きくなると湯の循環・消毒が程度の差はあれ、避けて通れません。私は、浴槽はしょぼくても泉質がよければ、Goodなのですが、父は見た目と規模重視です。今回の旅はその意味では親孝行になっているのでしょうが、私は多少不満が積もります・・・・。それにしても大きなホテルは、とにかく浴槽の数が多いです。風呂に一つずつ入っていくだけでも大変・・・・。疲れが溜まります。 そうは言っても3日目もスタートします。 車を遠野方面に向け、走らせます。
宮守の道の駅で休憩
来た道を振り返ると、観光ポスターやテレビのロケで見たことのあるJR釜石線のアーチ橋が見えています。カメラを構えると、ほとんど間を置かずに上り列車が通過していきます。道の駅で売っていたリンゴジュースも先ほどのアーチ橋と国鉄色急行型気動車が描かれておりビタミンと鉄分を少し補給。今回の旅行ではこれが最後の鉄分補給かと思っておりました・・・
そして鉄分大量補給
国道107号線白石トンネルを出ると、やがて進行方向左側からきた線路と併走します。岩手開発鉄道*です。ついつい視線がそちらに行ってしまいます。と、前方から工場から上がってきた、青い凸型機関車にひかれた鉱石列車とすれ違いました。もう、それを見てしまった以上、我慢できません!車を止め、同乗の両親にお願いします。「ちょっと寄り道させてもらって、いい・・・。」山道で突然そんなことを言われて、両親は明らかに戸惑っています。が、思い切って言ってみるもので、意外と簡単に寄り道の許可をもらい、車を反転させ鉱石列車を追いかけます。岩手石橋駅まで鉱石列車を追いかけますが、すでにスイッチバックの引き上げ線に入り待機状態。駅前の空き地に車を止め両親に「15分したら帰って着るから、待ってて下さい」(なぜか丁寧語でお願い)とカメラ片手で構内へ。信号操作のために待機中の職員さんに、おそるおそる「あのー、少しの間だけ列車の写真を撮らせて貰えませんか?」と話しかけると、にっこりと「いいですよ」との返事が返ってきました。
もうそれからは、撮影Timeのスタート!ゲートを出た競走馬のように、ひたすらにシャッターを押し続けます。列車はゆっくりと青い機関車に押されて巨大な積み込み施設に貨車を押し込んでいきます。私にとっては、まさに至福の光景です。
が、後ろの方から視線を感じました。遠くの方から両親が私が撮影に熱中する様を呆然と眺めています。今まで両親にはほとんど見せたことの無い、鉄ちゃん姿・・・
≪恥ずかしぃー!恥ずかしすぎる!この姿≫と一瞬、写真を撮る事をためらいました。自分の子供がいい歳をしてこの醜態・・・・。きっと複雑な思いを抱いているに違いない。でも、私はすぐにこの考えを振り切りって撮影を続行します。≪許して下さい!父よ、母よ!でも撮りたいんです!この光景、この列車≫と心の中で両親に手を合わせて謝ります。そのような心の葛藤はありましたが、岩手石橋の採石の積み込み作業に立ち会えて、本当に幸せでした。
*岩手開発鉄道とは、山間部の鉱山に隣接する岩手石橋と沿岸部のセメント工場のある赤崎まで石灰石を運ぶ貨物専用鉄道です。貨物専用なので当然時刻表にも載っていません。 かつては旅客列車も運行していましたし、貨物列車もなんと24時間体制で走っていました。現在は、日中のみ運行されているようです。
盛の料理店でしばし休息
なかなか料理が出てこず、これなら対岸の赤崎駅を見に行けたのにと、考えたりもしましたが、これ以上両親にマニアぶりを見せるのは得策でないと判断し、ひたすら魚に舌鼓を打ちます。
ひさしぶりにディスカバーじゃぱん
私自身、国内では沖縄(含む島嶼部)以外ほとんどの場所に行っており、もはや本土の景色で感動することもあるまいと思っていました・・・・。が、それは大間違いでした。いや。本当に世間知らずの、こどもみたいな思い上がりでした。本日最後の訪問先の碁石海岸は良かった・・。実にすばらしかった
駐車場から、人気の無い松林の中の小道をしばらく上ると、どーんと波の音が聞こえてきます。音の聞こえてくる柵の向こうの光景に、思わず息を呑みます!ほとんど風と雲がない暖かい日差しの下、海面が岩場近くで突然大きくせり上がり、巨大な水の塊になってほとんど垂直に起立している岩にぶち当たって行きます。その瞬間、洞窟状の穴の開いた岩から間欠泉のようにしぶきが垂直に上がっていきます。これこそ、テレビの2時間サスペンス劇場のラストシーンに出てくる景色です(私的には・・・)!主人公が断崖絶壁で真犯人と対峙し、「犯人はあなたね!」と名指ししたばっかりに逆ギレした犯人に反対に追いつめられる場面にぴったり!でもここでそれをやったら警察が来る前に犯人に突き落とされるなーと思いながら感動していました。期待していなかった大衆食堂で絶品料理が出てきた感じ・・・・。