しょぼい映画日記 6月28日(木)
ザ・シューター/極大射程の巻
所用があり休暇をとる。午前中に用を済ませ、北島町のシネコンへ。さて、何を見るかと思案。当初は、プレステージを見るつもりであったが、上映まで間があったのと、29日までと表示のあったザ・シューターに惹かれて、見てみることに。
ほなけん評価★★★☆
出だし。凄腕の射撃兵がアフリカで交戦中にCIAにより置き去りにされ、ヘリコプターをライフルで撃ち落とすなどして、命からがら生還して退役したのに、またも「愛国心」という言葉に、同じCIAにだまされ、大統領暗殺犯に仕立てられ逃亡を続けるという、これでもかというほどに、可哀想な人の話ではある。が、CIAとしては、はめようとした相手が悪かった・・・・。
マーク・ウォールバーグ演じる主人公は、アニメのボトムズに出てくるキリコを彷彿とさせるキャラクター。敵がどんなに大勢でも倒してしまう、そのくせ、政府高官の悪事の証拠のレコーダーを、こんなものを持っていると危ないとか言って焼いてしまう行動や、悪人を撃ち殺すチャンスがありながら、見逃してしまう(捜査機関に引き渡す)といった、おめでたいところが同居している。そして、捜査機関に引き渡した悪人たちは、予想通り証拠不十分で無罪放免。でもこれは、最後の復讐シーンの為の布石なんだから良しとしないと。最後の殴り込みシーンに私は、しびれました。いや、日本人の多くが、はまります。
以下再現。多少記憶違い(脚色あり)
刑事訴追を逃れた悪の上院議員と大佐が、護衛に囲まれながら、山奥の別荘で楽しそうにお酒を飲んでいます。
上院議員「今日のアメリカがあるのも、わしらのおかげだよ」
大佐「わしらに無罪放免を言い渡した、あの時のFBI長官の悔しそうな顔と言ったら、ありませんでしたぜ。いひひひ。」
石油会社の社員「今度は、ザンビアで原住民が(石油メジャーの)言う事をきかないので、大佐が出向いて、痛めつけてやって(皆殺しに)ください」
悪の大佐「いひひひ。承知した。」
と、そこで天井から護衛の死体が降ってくる。「どこだ。どこだ。」と侵入者を探し回る様は、キカイダーのダークのアンドロイドみたい。そうこうしてる内に護衛がひとりずつ血祭りに。邪魔者がいなくなってから、悪の大佐を今度は一撃で倒す(行ってきた悪事からすれば、一発で殺してしまうのは惜しい気がするが。)そして、いろいろ御託をならべる上院議員を問答無用と、<ずどん!>。この上院議員は最初から最後まで、時代劇に出てくる悪代官そのものでした。
最後に、内輪もめの銃撃に偽装し別荘を爆破し、ヒロインの元に帰る主人公。最後の10分は日本の時代劇。仕事人そのものです。私が監督なら、平尾昌明の「仕事人のテーマ」をかぶせてしまうほど似たテイストです。
見終わった後、最前列から後ろを見渡すと男のみ15人ほどが、男の世界に酔いしれていました。
今回は、間抜けな新米FBI捜査官を演じた、 マイケル・ペーニャが好演。人の良さが、にじみ出ていました。
つっこみどころはありますが、娯楽映画としては十分及第点であります。
◆鉄の目
この映画、やたらと貨物列車がバックに写り込んでいます。ヒロイン自宅横ではダブルストッカーと言われる2段に積んだコンテナー車がゆっくりと走っていました。