しょぼい毎日

いつも理想はでっかいが、結果はしょぼい・・・。そんな日常を綴ってみました

緑のムンクの絵と緑のおんぼろ電車

2008-03-25 00:06:23 | アート・文化

Img_2671 3月20日(木) 春分の日

こんな私でも、時にはアートに浸りたくなります。そんなわけで、北欧を代表する画家「ムンク」の展覧会に行くことにしました。

Img_2663 阪神岩屋駅から海側方向へ大きな通りを2本横断して7分ほど歩くと兵庫県立美術館に到着。大きな建物で、遠くからでも偉容を確認できます。贅を尽くしたアートの要塞!税金をたっぷりとつぎ込めた時代の建築物という印象(意地悪な見方ですが)でした。

窓口で当日券を1300円で買い3階の展示場に向かいます。

最初の展示作品は不安とか絶望とかをモチーフにした、一般によく知られた「ムンク」テイストの作品群が並んでいます。親に連れられた小さな子供は、マジで怖がっていました。

Img_2664 ←そのものズバリ「不安」

「叫び」の流れをくむムンク得意の橋の上シリーズ?ゾンビのような表情のない人々が、前を向いて佇んでいます。「叫び」が現代人の孤独を表現しているのに対し、こちらは集団・社会での個人の不安を表現しているのでしょうか?

Img_2683 ←声/夏の声(ミュージアムグッズより)

ここまで重苦しい作品が続いていましたので、この絵の前に来て正直、ほっとしました。北欧の短い夏を幻想的に描いたもので、画面左の女性の清楚な姿は、私の抱いていた北欧女性のイメージにぴったりでした。

会場の中程に来て、一枚の緑の大きな絵に釘付けになりました。

<リンデ・フリーズ>「公園で愛を交わす男女」

ドイツのお金持ちのお医者さん(リンデさん)から子供部屋用の装飾画を描いてくれてとの注文があり、ムンクさんは張り切って制作に勤しんだのですが、制作中の下絵を見たお医者様はびっくりしたそうです。一見、穏やかで明るい良い風景画です・・・。がベンチには熱く、がっちりと抱擁するカップルの姿がいくつも・・・!これを見たお医者さんが「ムンクさん。これは無いでしょ!子供部屋に飾るものだから、抱擁するカップルは要らないですよ!とにかく刺激の強いものは、消してくださいな。頼むから・・・」と懇願したそうです。が、ムンクはその願いを聞き入れることなく制作を続けたとのこと。そのためお医者さんは完成した絵の引き取りを拒否したそうです。ひょっとしてムンクさんは、お医者さんの言う通り、カップルを描くまいとは思っていても、画家として自身にわき上がってくる欲求に逆らうことが出来ずに描いてしまったのかもしれません。こんなエピソードのあるムンクさんは、正直な人なんだと思います。この絵は、現代の私の目から見ても、子供部屋にはチョット不味いかなと思います。でも、そのまま、お医者さんの子供部屋に飾られていたら、この絵を、今、私が見ることは出来なかったかもしれません。とにかく、鮮やかな原色の木々の緑と燃え上がるような男女の熱き抱擁が、ものすごいパワーとなって見る人の心を引きつけます。

この絵のグッズが欲しかったのですが、何故かありませんでした・・・残念!

108点ほどの作品は、どれも楽しめました。美術館を出た後は、満腹感いっぱいでした。牛丼並を注文したら特盛りが出てきたと言った感じです。

ムンクの代表作「叫び」(4作存在する)は、今回出品作にありませんでした。残念とは思いますが「叫び」については過去2回強奪にあっていますし、所蔵美術館側も外に出し難いのではと勘ぐってしまいます。かくなる上は、3度目の強奪にあう前にオスロに行かねばと考えてしまうのですが、果たして行くことが出来るものか・・・・・。

*兵庫県立美術館 「ムンク展」 ~2008年3月30日(日)まで

阪神岩屋駅の海側は、比較的高層アパートが建ち並んでいます。どうやら震災後に神戸製鋼の跡地に出来た復興住宅群のようです。とすると目の前にある阪神高速高架下付近は神戸港駅から東方向に出ていた臨港線から神戸製鋼所に出入りする専用線が分岐していたあたりの様です。この臨港線は摩耶埠頭まで達していました。いまから20年以上前の事ですが。感慨深いものがあります。

Img_2681 さて、次なる目的を果たすため、梅田の旭屋書店に向かいます。発売されたばかりの貨物時刻表をGETします。これが無ければ今後の撮影計画が立てられませんから。内容は年々薄くなっていきますが・・・・。

その次は、地下鉄谷町線の南森町で下車。この駅に隣接するJR東西線大阪天満宮で松井山手行き電車に乗り換え、4つめの駅の放出へ。5日前に開業したばかりのJRおおさか東線を初乗りします。

放出駅に到着すると、向かいのホームにおおさか東線電車が待ってくれていました。<古色蒼然><お疲れサン>という言葉が相応しい緑の103系です。車内の乗客は、1両あたり10名と言ったところ。およそ半分は初乗しにきたマニアの方々みたいです。正直言って<ぼImg_2676 ろい>103系電車に不釣り合いな、高規格な真新しい高架線上の線路を10分程走り、終点久宝寺に到着し、9.2㎞の短い旅は終わります。これでJR西日本完乗タイトルは防衛されたことになりますが、殺風景な都会の路線に乗っても、あまり嬉しさはありません・・・。

ともあれ、今日を境に季節はいよいよ春めいてきます・・・・。


講演会に行く

2008-03-24 23:51:02 | 食べ歩き

3月16日(土) 

Img_2686_2 こんな私でも、時に日本の将来について考えたくなります。そんなわけで、前々政権下で大臣を務めていた竹中平蔵氏の講演を聴きに行きました。

会場のアスティ徳島は、結構人が入っています。新聞報道では2000名ほど来場したそうです。1時間ほどの講演は手慣れたもので、上手かったです。当たり前でしょうが・・・・。

内容は、後日地元紙に要約が掲載されていましたが、何故か2点が抜け落ちていました。

1つ目は、最近この国の人々は、何か起きると必ず誰かのせいにしようとして思考停止に陥っている事が多いのではという指摘。私も、ここは同感です。

2つ目は、マスコミについて。「何か事件が起きると小泉・竹中の時代から日本がおかしくなったと言って強引に結びつけようとする人がいることで、最近も、比内地鶏偽装事件発覚時に、小泉・竹中政権下で日本人の倫理観が無茶苦茶になってしまった。困ったモノだとコメンテーターがしたり顔で発言しているのを聞いて思わず椅子からずり落ちたそうな・・・。というのも、偽装は遙か昔の村山内閣の時に始まっていたのに・・・。」マスコミに対する恨み節が、最後に出て、お開きとなりました。

さて、昼飯時になりましたので、会場近くのラーメン店、「古家」に入ります。肉入りを注文しました。

F1000113 昔からある標準的な徳島中華そば。雑味は無くあっさりしています。濃厚系の味が幅を効かせている昨今、この味は貴重だと思います。とは言え、店の人が「濃いめが好きでしたら、<たれ>(カウンターに置いている)を入れてください」と言われた事から、最近のお客の嗜好を店側も認識しているのでしょう。でもすべての中華そばが、こってりになってしまうのは困ります・・・・。

結局、日本の将来の事より、徳島の中華そばの将来を考えてしまう、春の休日でありました。


なはつきリベンジ!というか・・・

2008-03-20 01:09:57 | 鉄道

3月2日(日)

2月14日のバレンタインデーに会社を休んでまで(主目的は通院のため)京都府の山崎駅で寝台特急「なは・あかつき」(以下「なはつき」)を撮影しようとして、複々線の緩行線を走る快速電車に完璧に被られ、無惨な結果に終わった悪夢から17日経ちました。今日は、その時の無念を晴らすべく午前4時前に徳島の実家を出発します。

鳴門大橋を渡り、淡路島を北上し島の北端、岩屋港へ。港付近にある公営駐車場に車を駐め、明石行きのフェリーに乗船します。

今回の撮影行のミソとも言えるのが、このフェリー利用です。徳島から関西地区に早朝に到着しようとした場合、徳島方面始発バスでは、どうしても着時間が8時近くになってしまいます。午前3時台発の和歌山行きフェリーを使い南海電車に乗り継いでも7時過ぎになってしまいます。これでは「なはつき」撮影には間に合いません。このため前回2月の撮影行では、前日宿泊という手を使いました。そう何度も宿泊するのは不経済です。そこで考えました。そうして、明石-岩屋間のフェリーが24時間運航であることに長い時間かかりましたが、気が付いた訳です。この手段の発見は、私的には新大陸発見級のものでした。本州側の明石駅から始発電車で移動可能なのですから、18切符で旅行する場合の行動範囲は相当広がります。それ以外でも、いままであきらめていた神戸・伊丹空港を早朝出発する便に間に合う事が出来るのですから。淡路島側の駐車場は1日あたり500円でフェリーの旅客運賃は人間だけなら320円です。なぜもっと早く気が付かなかったのか・・・!

明石港からまだ真っ暗な通りを歩き、7分ほどでJR明石駅に到着します。そこから電車に乗り大阪方面の電車に乗り込みます。さて、どこで撮影するかは、まだ未定です。甲南山手かさくら夙川、塚本あたりが候補です。

須磨駅手前の交番前撮影ポイントには15人程のカメラマンが群れをなしています。ここでは、「なはつき」通過時間帯には陽が昇り切っていないと思われ、撮影条件のきついところと思われますが、それでもこれだけの人だかりなのですから、ここから先の有名ポイントは、もっとすごい人出に違いありません。そんなところに後から来ても、人の背中しか撮せないではないかと思い、気が焦ります!とりあえず空いていそうな場所が見つかれば、そこで待とうと考えを定めます。やがて電車は神戸に停まりまImg_2492す。そこには先客2人ほどカメラを抱えて待機しています。私は<ここにする>と心の中で叫び、あわてて下車します。ここの岡山方は、程よくカーブしており想像したよりは好条件です。しばらくして、EF66-100番台牽引貨物列車が通過します。なかなか良い感じですが、まだ陽は差してきていません。背後の阪神高速とビル群がまるで悪意があるかの様に朝日を遮Img_2501っています。やがてゆっくりとお目当ての「なはつき」がやってきます。機関車はライトをハイビームにして接近してきます。これにやられてしまいました。ライトの光が強すぎて画面が見事つぶれてしまいました。リベンジに失敗したみたいです・・・・。嗚呼・・・!無情なり!

せめて京都駅で「なはつき」回送風景を撮ろうと考え京都方面に向かいImg_2516ました。途中、山崎駅の大阪方ホームで人だかりが出来ているのを発見し、急遽下車してその人だかりの最後尾に陣取ります。何が来るのか分からぬまま待っていると、国鉄色485系雷鳥がやって来ました。皆さん、それを撮影し終わると撤収していきます。雷鳥目当ての人垣だったようです。このタイプの雷鳥も引退が近いのだと実感します。

携帯のメールに大学鉄研同期の大阪在住A木氏から今まで淀川鉄橋で銀河を撮影していたとのメールが来ました。せっかくの機会です。近場の撮影地で会うことになりました。

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Img_2531甲南山手の岡山寄りホームでA木氏と合流します。が、狭いホームの先端はカメラマンでいっぱい。ポジション取りに苦労します。そうこうしていると、後ろから「何が、来るんや?」と声を掛ける人がいます。後ろを振り向いて驚きました。これまた大学鉄研の相当先輩にあたるNト氏がいるではないですか。電車で移動中に人だかりがしていたので、降りたとのこと。山崎駅で途中下車した、私の行動と同じです。特に珍しいものは無いと答えると「それじゃあ!」と一言発して去ってしまいました。OBとの突然の再会には驚きましたが、それ以上にびっくりしましたのは、久しぶりの再会にも関わらず、旧交を温める間もなく去っていったことでした・・・・。

貨物1本と「はまかぜ」を撮影して、塚本に移動します。

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ここまで来ると、同業者はいません。誰に遠慮する事無く、リラックスした雰囲気で撮影を続けます。もっともここには貨物列車は来ませんが。

Img_2606次はA木氏が行った事がないJR東西線加島駅下車大阪方向徒歩5分の陸橋からの俯瞰ポイントに向かいます。遠景が霞んでおり、イマイチすっきりImg_2587しませんが、朝の失敗の後味の悪さも多少は埋め合わせた様な気がします。A木からは、来週も来るの?と尋ねられましたが、「なはつき」撮影はこれで最後になると思います。

Img_2629 Img_2638 淡路島へ渡る帰りの道中、たこのイラストの描かれたフェリーボートの甲板であつあつのたこ焼きを食べながら、今日一日を振り返ります。「なはつき」撮影のリベンジこそなりませんでしたが、そこそこの充実感はあったかなと思える1日でした。


J南高校映画部OB会 牡蠣を食いに高松に集う

2008-03-09 23:58:16 | 映画部OB会行事

2月16日(土)

Img_2488良く晴れた土曜日の朝、徳島の自宅に人間ミサイル先輩が車で迎えに来てくれました。二人を乗せた車は、高松に向かいます。本日は、高松在住の阿波影先輩が音頭を取り、J南高校映画部OBが集まる事になりました。 今回は、岡山在住の金目校長先輩を加え4名が、JR高徳線古高松南駅近くにある活魚問屋 海寳(カイホウ)に集合します。牡蠣の食べ放題にチャレンジします。

Img_2475Img_2476 テーブル中央の鉄板にブリキのバケツに山盛り入った牡蠣を鉄板にならべた後、大きな蓋を被せて、しばし待っていると、やがて、香ばしい海の匂いが漂い始めます。左手に軍手をはめ、右手でナイフ状の道具を使いながら、殻から身を外していきます。その作業に熱中してしまうため、皆さん無言になってしまいます。

このままでは、せっかくのOB会の意味が無くなるのではと思い始めた頃、阿波影先輩が注文していた「(店のオーナーが)世Img_2478界一大きいと思う海老フライ」が出てきました。その大きさに一同目を丸くします。味は、普通の海老フライと変わりませんでしたが・・・。これを、きっかけに会話も弾みだし、いい雰囲気になってきました。

Sennpai ←巨大な海老フライを前に、笑顔を見せる金目校長・阿波影両先輩

向かい側に座っている人間ミサイル先輩は「エビラの子供じゃ!」と叫んでいました。「エビラは伊勢エビの怪獣じゃないですか?こちらは普通の海老のようですが?」とつっこみを入れるのは私でありました。

もう10年は食べたくないと思えるほど、お腹に牡蠣をため込んで、店を出ます。

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このメンバー、何故か甘党ぞろいの為、締めくくりはスイーツとなりました。高松市内の<ガトーよしだ>にて各自お気に入りのケーキをチョイスします。こうして、いささか満腹気味のOB会は、お開きとなりました。

次回も、OB会楽しみにしていますから。その時はよろしくお願いしますね。