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新フリー「SEIMEI」への羽生選手の思いと、歴代日本代表選手たちによる「和風」演技動画

2015-06-17 | フィギュアスケート全般について

ドリームズ・オン・アイス2015が、新横浜で行われました。

羽生選手は、ここで新シーズンのフリーの、ほんの一部を発表。

その名も、「SEIMEI 」。

 

まずは、こちらをどうぞ。

ドリーム・オン・アイス関連のニュース映像を、動画主様が集めて下さった動画です。 演技の一部映像が含まれています。→ http://www.dailymotion.com/video/x2ttbw9_2015-doi%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9_sport

(冒頭でデス・ドロップをやった直後に、いきなり転倒してしまうという、ちょっと珍しい失敗の仕方で、(羽生選手大丈夫かな?)、と思いましたけど…)

 

今シーズンの羽生選手はどうやら、

 

わ!と驚く、「和」 のプログラムにしたいようです。 (笑)

 

映画「陰陽師」の音楽を使い、主人公・安倍晴明の名前「せいめい」に加えて、このタイトルに複数の他の意味を込めたと語ってくれた羽生選手。

→ http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150612-00000208-jij-spo

 

ハッキリとわかるのは、「生命」(いのち)の「せいめい」をかけていることで、これは誰にでもすぐにわかりますけど、

他にも恐らく、「声明」(世間に意見や意思を訴え表明すること)、「盛名」(立派な評判)等の、「せいめい」をかけているのでは、と思われます。

他にも、あるかもしれませんけれども。

 

 

こちらが、NHKのテレビで羽生選手がその思いを語ってくれた、動画です。 

その1→ http://www.dailymotion.com/video/x2u39w6_150616-%E5%BD%BC%E3%81%8C%E8%AA%9E%E3%82%8B%E6%96%B0%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%B3%E3%81%B8%E3%81%AE%E6%B1%BA%E6%84%8F_sport

その2 →http://www.dailymotion.com/video/x2u36sl_20150616-%E3%81%8A%E3%81%AF%E3%82%B9%E3%83%9D_sport

 

私も、「和風」プログラムをやってもらいたかったファンの一人です。(笑) しかし、試合のプログラムではなかなか難しいので…。

「暑いのは、大っ嫌いです」だそう。「スケーターなので」、と笑いながら言っています。 ・・・ 自称「氷上の生物」ですものね、羽生選手は!(笑) 

 

羽生選手は、「日進日歩」が目標だそう。 「日進月歩」では遅すぎるので、「日歩」なのだと。

フィギュアスケートはアスリートの中では、現役でいられる期間がそう長くはない、と…。 (とても長い方も、羽生選手のおそばにいらっしゃいますが…(汗))

五輪まであと3年しかない。 とも語っています。

 

そして、こちらのニュース記事が、羽生選手の今回のこの選択に対しての思いを詳しく報告してくれています。

→ http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150614-00010002-sportiva-spo&p=2

この中から、羽生選手の言葉の部分だけを、以下に抜粋させて頂きます。

タイトルは羽生自らが『SEIMEI』と名づけた。あえて大文字のローマ字表記にしたのは、安倍清明の名前にちなむとともに

「同じ発音の日本語が持つ、多様な意味を込めたいから

今シーズンは、挑戦というか、自分の幅を広げてみようかなという思いがあって、いろいろな曲を聴いてみました。

でも、なかなかシックリこないまま、自分に合うものは何なのかと試行錯誤しながら考えているうちに、『和ものもいいかな?』という思いが浮かんできたんです。それで日本のテレビドラマの音楽なども聴いて、海外の方々も観られるものがいいと思い(映画)『陰陽師』を選びました」

「たぶん今の日本男子で、”和”のプログラムを表現できるのは自分しかいないと思っている」

「自分だからこそ表現できる繊細さや、”和”の力強さ、体の線の使い方を突きつめ、「自分らしいプログラムにしていくこと」が今シーズンの挑戦のひとつ」

(振付師が、日本人ではないシェイリーン・ボーンさんになったことについて)

「彼女の振り付けのなかで、まだ自分の得意な動きが確実にできていないというか、お互いが完璧に理解し合えているというわけではないと思う。その意味では、ジェフリー・バトルさんに作ってもらった『パリの散歩道』(2013-2014シーズンのショートプログラム)を滑り込んで、自分のものにできたように (このプログラムも自分のものに) したい。

それとともに、本当はこういうテイストの曲は日本人に作ってもらった方がもっと”和”の雰囲気が強くなると思いますが、あまりにも日本らしくしすぎるのはどうなのかな?という思いがあったので、日本人ではなく(カナダ人の)シェイリーン・ボーンさんにこの『SEIMEI』を振りつけてもらって、世界から見た日本の素晴らしいところもピックアップしていければと考えました」

能や狂言を見て、姿勢を振らさずに流れるように歩く動きや滑らかさは「スケートにも通じるものだと感じた」と言う羽生は、そうした動きを「これからの自分の演技の中に取り入れていきたい」と目標を語った。

(衣装について)

「アイスショーのスポットライトを浴びるときの照明と、試合の明るい照明では見え方も違うので完成形ではないです」

平安時代以降、公家の普段着だった狩衣(かりぎぬ)をイメージしたものを選んだそうです。

(プログラムについて)

 「(フルバージョンは)盛り上がるパートもあるし、もっともっとテンポの速いところも入っています。(そこは)あとの楽しみにしていたただきたいという意味も込めて、この長さにしました」

「サルコウの失敗の原因もだいぶつかめてきています。こうやってショーに高いお金を払って見に来てくださる方たちには申し訳ないところもあるかもしれないけど、僕はこのプログラムをみなさんに観られながら仕上げていきたいという気持ちがあります。

もちろんいつも完璧にできるとは限らないですけど、こういう場をひとつひとつ乗り越えながら、課題を見つけて頑張っていきたいと思います」

「自分の世界に入り込み、自らの感情や体まで、すべてを溶け込ませるものにしたい」

 

こちらのニュースでは、羽生選手の言葉はこうなっています。↓

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150612-00000074-dal-spo&pos=1

「来季何か挑戦というか、幅を広げてみようかなと思った。海外の方も見れるものがいいなと思って。

まずここまで和なプログラムを演じられるのは今の日本男子でたぶん僕だけ

僕だから出せる繊細さ、和の力強さ、線の使い方で、僕らしいプログラムになればと思う」。

 

何やら、和のイメージに対して、自信があるご様子の羽生選手です。

振付は、昨シーズンの「オペラ座の怪人」と同じ、シェイ・リーン・ボーンさんですが、最初から羽生選手もかなり加わって作っているようです。 

羽生選手らしいプログラムにするには、それは絶対に欠かせないでしょうね。

 

私は羽生選手は和装や和風は、衣装でも音でも、絶対に似合うだろうとは思っていましたし、今まであったエキシビションプログラムでも非常に似合っていましたけれども、やはり衣装は今回もかなり似合っていました・・・!

今までの衣装にはなかった色合い「黄緑」「紫」の和風の組み合わせがなかなか新鮮で、若竹カラー&雅なカラーというべきか、枝豆カラーに小豆カラーというべきか、あの色を見て「抹茶アズキ」を思い出しました…(笑)

ただ、羽生選手ご本人も上のインタビューで言及したように、今回はショー用の衣装のようなので、試合での衣装は、色の変更等の試行錯誤はあるでしょう。 今のカラーで試合でも良いのかというと、もしかしたらちょっと暗すぎるかもしれないし…。

カラーの部分に赤が入ってきたりしたら、それだけでイメージがかなり異なってきますし、音楽全体とのイメージの相性もあるだろうし、どうなるのか、色々と楽しみですね。

 

後半にハイドロも入っていて、羽生選手のハイドロが好きな人にはたまらないかも?!

 

いくら和のテイストって言っても、さすがにあの富士山ポーズは出てこない・・・ はず。(笑)

 

しかし、羽生選手のフリーは、2シーズン連続でなかなかオドロオドロしいというか、怖いイメージの音楽のスタートというか…  

何を表現しようとしていて、どのような終わりにするのかが、総合印象を左右するポイントになりそうです。

 

報道では、「陰陽師を演じる」みたいな言葉も書かれていましたけれども、もしタイトルが、「陰陽師」や「安倍晴明」だったら、多分その時点で、2~4位にはなれても、決して優勝はできないプログラムとして確定してしまっただろうと、率直に、私は思いました。

フィギュアスケートでは、あまりにも民族的過ぎる音楽やプログラムだと、スケートの長所が活かしきれずに終わるか、またはその世界観を理解されずに終わる印象があり、そういうプログラムでトップを張れた選手を見た記憶はないので… 

羽生選手が、複数の意味を込めて、大文字のローマ字で、「SEIMEI 」にタイトルをしたということ、他の意味をもかけたということは、間違いなく正解だったと、私は思います!

 

「あまり日本らしくし過ぎるのもどうなのかな?と」

「世界から観た日本の素晴らしいところも、ピックアップできれば」と、語っている羽生選手。

この2点は、すごく大事になると思います。

「生命」などもかけているのであれば、テーマとしては不変的で普遍的なものだから、世界にも通用すると思うし、

羽生選手は「繊細さ、力強さ、線の使い方」等に言及していますので、主に「和」的な「音」を「和風に」カッコよく表現していきたいのかなとも思いますけれども、 注目してみていきたいと思います!

 

ただ、個人的にはちょっと気になることが。

ここ数年の、「ロミオ」、「ノートルダム・ド・パリ」、「オペラ座の怪人」等のプログラムは全て、「架空の人物」で、なおかつ世界中に知られている有名なストーリーだったので、解釈や焦点の当て方によって表現の幅の自由さもあり、役に「なりきる」演技もアリだったと思うのですが、

今回は、映画そのものは完全な脚色だらけの作り話ですが、日本の歴史上の実在の人物の名前が使われていることと、なおかつ史実の実態とはその作られたイメージが離れているとも言われている点が、少し気になります。

その意味で、今回は特に 「なりきり」みたいな演技をあまり目指さないほうが良いだろうと私は思いますし、それを目指すと、色んな意味で極めて危険というか・・・ 危険を招きやすくなるのではないかなと。 

ファントム(怪人)の時もちょっと思ったのだけれども、入り込みすぎると危険な題材というのが、あるような気がするので…。 

 

例えば、「道化師」というオペラの曲が、時々フィギュアスケートで使われますが、音楽はなかなか印象的ではあるし、話の途中までは喜劇調だけれども、あのオペラの内容って、かなり酷いドロドロで、喜劇要素がありながらも、主人公がかなり悲惨で、なおかつラストが、本当に救いようがない終わり方でして、過激な内容も多いオペラの中でも、特にラストに希望も愛も残らない、非常に後味の悪い作品だと私は思っています。 

実際にオペラを見た時の感想で言えば、最後の最後に、それまでの良かった点も全て頭からふっとんでしまい、そそくさと帰りたくなるような・・・(苦笑)周囲の人たちも皆そうだったので、私だけではないと思うのです。普通は、もうちょっと余韻に浸っている人も多いと思うのですが。

その「道化師」の主人公を忠実に再現しようとすると、非常に重苦しくなり、ラストが気分が悪くなる可能性が高いわけですが、オペラと違うのは、フィギュアスケートは「表現したいもの」を選ぶことができる点。 たとえば、「喜劇」や「哀愁」だけに焦点を当て、そこを表現したフィギュアスケートとしての作品にすると、なんとか収まります。(しかし、それでも万人受けするものにするのは難しい印象です。)

ジェフリー・バトルさんの「道化師」 → https://www.youtube.com/watch?v=76vipBaIiiQ(SP) https://www.youtube.com/watch?v=d-BtlrFrqj0 (エキシビション版)は、徹底的に喜劇要素に焦点があてられていて、衣装もそうですが、バトルさんの振付にユーモア要素が多く、ラストも、本当は重苦しい悲劇のラスト音楽なのですが、ポーズもあえて喜劇調でまとまっていて、重苦しくなく仕上がっています。だから、なんとか観ることが出来るし、非常によくできているとも思うのです。 (それでも、私から見るとこのオペラ曲は、心からの感動で、わ~っとスタンディングオベーションをしたくなるような感じの終わりには、なかなかできない作品に思えてしまうのです。)

しかし、やはり勝てる印象のプログラムではないと思ったのか、バトルさんはこのプログラムはシーズン途中でエキシビションに変えてしまい、ショートを前年度のものに変更することで、最終的には世界選手権で優勝できました。

高橋大輔さんの「道化師」は、「悲哀」と「葛藤」に焦点があてられていた印象で、ストーリーを知らなければ、音楽に乗って、感傷的な表現の感動で終わらせることができ、ストーリーのリアルを求めずに済んだというのが、私の印象でした。(それでも私にはちょっとラストは重く感じられましたけど。)

 

羽生選手の「オペラ座の怪人」は、私の印象では、振付師のシェイリーンさんは、「前半は誘惑のファントムで観客を惹き込み、後半は哀愁のファントムでハートをつかむ」という感じで演じさせたかったのではないかという気が私にはしていたのですが、羽生選手本人が最初から言っていた「僕なりのファントム像」は、「ファントムの中にある(知られざる)ピュアさ」に焦点が当てられていて、それを表現したいということでした。

最終的に、羽生選手が本当は何を表現したいのかを私は見たかったのですが、結果的には最初の言葉通りだった印象で、洗脳や狂気、嫉妬、殺意や激情と言った、ストーリーに入っている別の側面を描きたかったわけではなく、人によっては持っているかもしれない、そういったファントム像を表現したかったわけではなさそうだったところは、私から見ると、良かった点というか、とても救いだった点だし、羽生選手の人気が出ている大きな理由の一つだろうと思うのです。(笑) 

 

日本はその地理・地形上、地震等に代表されるような、いわゆる天災を免れない国ですが、それと羽生選手の演技は、直接関係ないのは当然のことです。 (願いや祈りを込めることは出来たとしても…です。)

 

羽生選手は、あくまでも現代に生きる、一人の、命ある青年で、アスリートであるということを、絶対に忘れないようにしたいです。

羽生選手は羽生選手であって、様々なリスクを背負いながら演技している「フィギュアスケーター」であって、他の誰でもない。 

俳優でもないし、架空のキャラでもない。

 

また、どこまでいっても、フィギュアスケートはフィギュアスケートなのであって、バレエ要素やオペラ的要素の入ったフィギュアスケートはは高く評価されるけれども、バレエそのものでも、オペラそのものでもない。 当然、日本の伝統芸能そのものでもない。

どのような要素を入れていても、スケートの魅力を活かした融合としての完成でなければ、フィギュアスケートとしては評価もされない。 

また、世界で日本のイメージで定着しているものでかなり有名なのに、「すし」「空手」「忍者」 「サムライ」 (番外編で「アニメ」)がありますが、そのどれもが、本来の日本のものとはかなり違った形に変化し、日本から見たら、「なんちゃって」モノになっていることが多いですが、その「和テイスト」「和要素」が受け入れられて、知れ渡っていますが、純和風になると、なかなかそうはいかない。  

宮崎駿のアニメ映画で言えば、「トトロ」「ラピュタ」は外国でも人気があっても、「もののけ姫」にまでなると、たとえアニメとしての質が良くても、世界観がほとんど理解されず、人気が出ない、というように、評価される境目というのが、確かにあると思います。

 

羽生選手本人の言葉通り、あまりにも「日本的すぎる」のを避けて、「和のテイスト」で、世界から観ても「素敵」だと思われる、普遍的な価値を放つような「和的な」音楽とそれに合わせた「動きの美」、「色彩美」の世界を表現することに徹していくほうが、きっと良いのではないかという気がします。 

音楽の全容がわからないので、まだ何とも言えませんが、「動」と「静」のメリハリ、直線と曲線の美の使い分け、剛と柔の切り替え、が、すごくカギになる気がします。それが成功したら、羽生選手は和装は似合うし、かなり素敵な個性的なプログラムになるのでは。

 

もう一つ、ちょっと気になる点があったのですが、これはドリームオンアイスの放送があってから後に、改めて書きたいと思います。

 

さて、今回は過去に、日本人選手による「和」「日本的」なプログラムと呼ばれたものに、一体どのようなものがあったのか、ちょっとだけご紹介してみたいと思います。

「和」と言っても、「衣装が和」なものと、「音楽が和」なもの、「題材が和」なもの、に大きく分かれます。

 

羽生選手本人の演技で言えば、「音楽が和的」な要素を持つものは、「change」や「白鳥の湖~ホワイト・レジェンド」で、つい最近の国別対抗戦で見せてくれた日本チームの群舞「STORM」もそうでした。 しかし、これらは衣装は和ではありませんでした。  

「衣装が和」のものは、言わずと知れた、「花になれ」、 「題材が日本」なもの には、「花になれ」「花は咲く」 があります。(「花になれ」は内容は普遍性をもつものですが。)

 

羽生選手の演技は、今まで散々紹介してあるので、 

今回は、歴代日本代表選手の 「和」風の演技で、パッと思い浮かぶものを、ちょっとだけご紹介してみます。

 

まずは、羽生選手と同じ音源から取った演技。 

アイス・ダンスの、キャシー・リード&クリス・リード組 エキシビション「陰陽師」 

これはなかなか素敵なプログラムで、音楽は「陰陽師」でも、そこで表現されているのは日本的美と日本的な音をふんだんに活かした、アイスダンスとしての世界観であって、そこがとても成功していると思います。

演技を見ていると、陰陽師とは何も関係なさそうだけれども、お二人の動きが音に合わせて、とても素敵です。

音楽も、日本的な静けさの中に光る厳かな迫力があり、こういうタイプのものをもし羽生選手がやったら、すごくカッコイイだろうな、というイメージは確かにあります。(笑)

 

次は同じく、キャシー&クリス・リード組の、ソチ五輪シーズンの演技「SHOGUN」

上に上げた二つの、キャシー&クリス組の和風プログラムの何が良いかと言えば、やはり「静」と「動」 あるいは、「柔」と「剛」のメリハリや切り替えがハッキリとしている、という点です。 観ている側も、気持ちが乗りやすく、観ていて飽きないし、盛り上がります。

 

次は、まだ17歳の本田武史さん(ソルトレイクシティ五輪4位)による、長野五輪シーズン(1997~1998)の、世界選手権の時の演技  

衣装・演技ともに和の要素が入っています。 最初は特に日本的な衣装ではなかったと思いますが、途中からこういう和テイストに変更。

大人気だったプルシェンコ選手やヤグディン選手と同世代で日本代表で闘っていた本田武史さんが、日本的要素を取り入れてきたプログラムで、空手をイメージさせる振付がそこここにあり、当時としては、かなり斬新で面白いと私は思っていました。 外国の方がどう思ったかはわかりませんが、私は(衣装だけでも)、かなり感動した記憶があります。  

 

高橋大輔さんの、バンクーバー五輪銅&2010世界選手権金の時のエキシビション「Luv Letter」(ラブ・レター) 

これは、高橋さんの歴代プログラムの中で、個人的にはベスト5に入ると思う、印象的な名プログラム。 

衣装が思い切り「和」で、これをオリンピックに持ってきたのは、良かったと思いました。この赤・紫・金の、ド派手な色合いがバッチリ似合うのが、高橋選手ですね。 バンクーバー五輪のメダリストのエキシビションの中では、一番良かったと私には思えた演技でした。

この2年後に登場する、羽生選手の「花になれ」の衣装との色遣いの違いや、個性の違いが面白いです。 

 

無良選手の、ソチ五輪シーズンのフリー「shogun」(将軍)

これは、試合での和風プログラムとしては、珍しくかなり成功していた印象のもので、無良選手の良さが出ています。 衣装はあまり和風に感じられないのですが、曲と演技が和風。

羽生選手が、このプログラムの無良選手のラストポーズを真似してやっているのを見て、羽生選手にもとても似合いそうだなと思い、ぜひ羽生選手にも和風のプログラムをやってもらいたいな~と思いました。(笑)

 

織田信成さんのソチ五輪シーズンのエキシビション「ラスト・サムライ」  

本物の織田家の末裔が演じる「ラスト・サムライ」。 織田さんは和のプログラムを複数回やっていますが、これは一番、衣装も音楽も題材も演技も「和」で、しかも本当に、ラスト・サムライとなってしまった演技。

非常に印象的で、私は織田さんのエキシビションの中では、このプログラムが多分一番好きです。 

「ラスト・サムライ」はそもそも外国が作った映画なので、外国視点が最初から入っているため、やりやすかったのではないかと。

織田さんの着氷のしなやかさや柔らかさが活かされている演技です。

これを見てから、織田さんと羽生選手にはぜひとも、「忍者」か「サムライ」をテーマに二人でコラボして頂きたいと思うようになりました。(笑) 着氷の素晴らしい4回転ジャンパーの二人なら、相当見ごたえがあるものが出来るのではないかと思うのですけど…!(笑)

 

もう一つ、織田さんの和風SPだった 「Storm」  羽生選手がシニアデビューした年の織田さんのショート。 

今年4月の国別対抗戦の群舞と同じ曲です。

これもかなり良かったプログラムですが、同じ時期の羽生選手の「白鳥の湖」の和風アレンジがあまりにもあまりにも良かったので…  織田さん、スミマセン。

 

町田樹さんの、和風アレンジ「アランフェス協奏曲」 エキシビション   

(以前もご紹介したことがありますが) 衣装と音楽、題材、演技すべてに「和の要素」を入れた、エキシビションならではの、革新的な面白さ!

これは一度観たら忘れられない強烈さです。 さすが町田ワールド!(笑)

 

男子最後にご紹介するのは、引退してしまわれた、佐々木彰生さんの、「忍者」。

いつも非常に個性的で面白い演技をするので、有名だった選手です。 氷上のエンターテイナー。

 

次は、ちょっとだけ女子選手のものをご紹介。

まず、こちらも引退された村主章枝さん(ソルトレイク五輪5位&トリノ五輪4位)のエキシビション「浜辺の歌」。 作曲が日本の有名なものですが、それの外国アレンジを、美しい優雅な演技で表現したもの。 パッと見は、日本要素があるとは全く感じられないかもしれませんが…。

 

氷上のバレリーナと呼ばれ、究極の繊細美を表現できた太田由希奈さんが、世界ジュニア選手権を優勝した時のエキシビション。

当時日本でとても人気になった曲、加古隆さんの美しい曲「黄昏のワルツ」に合わせて美しい舞を見せます。和風演技ではありませんが、曲が「和」製。

美しさにおいて彼女を超える人はいるのかと思わせるほどに指先まで美しい素敵な選手でしたが、怪我により早期に引退されてしまいます。

 

同じく、太田由希奈さんの、2003~2004年SPだった「ピカソダンス&オモタイ」(ヒロシマ)

和とスパニッシュの要素を融合させたのだそうです。 独特な味がありました。

 

浅田真央選手の、2011~2012シーズンのエキシビション。 衣装が、織姫と彦星に出てくる天女のような…「和風」(やや中国入り?)です。 音楽も和製のものの、外国アレンジ版。 とても美しい、祈りの込められた演技です。

 

 他にも、織田さんの「座頭市」 とか、中野友加里さんの「SAYURI」など、「和風」の試合プログラムがありましたけれども、中野さんの演技は私はいつもとても好きだったけれども、この和風プログラムだけは、全体に高評価されるのはちょっと難しいかな・・・という印象を持ちました。 

和風要素を入れたプログラム特有の難しさというのは、確かにあったように思います。

 

羽生選手の「和」なイメージを活かして、得意技や個性も活かしつつ、総合的に素敵なプログラムになっていきますように…!! 

 

 

最後に、羽生選手の、サッカー日本代表への応援CMの動画をどうぞ。

その1 http://www.dailymotion.com/video/x2u5rc7_150616-%E3%82%B5%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC%E5%BF%9C%E6%8F%B4%E3%83%A1%E3%83%83%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%82%B8_sport

その2 http://www.dailymotion.com/video/x2u5rdo_2015-06-16-rio-olympic%E3%81%B8%E9%A0%91%E5%BC%B5%E3%82%8C%E3%82%B5%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BB%A3%E8%A1%A8_sport?from_related=related.page.int.behavior-only.7c8576607f54ad0735246567210804d7143446409

 

「頑張れ!サッカー日本代表!」って、上の動画で、羽生選手は言っています。

ですので、私はこう言ってみます! 「頑張れ!フィギュアスケート日本代表 ! 」