4月2日 羽生選手の演技動画を追加しました
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世界選手権2017の男子ショートが終わりました!
羽生選手、本当にお疲れさまでした!
もう、何から書くべきか悩むほどでしたが…(笑)
羽生選手の試合後のインタビューは、こちらのサンケイスポーツの記事によると、
「楽しむことはできたけど、なんだかんだいってまたサルコー-トーループを失敗してしまったので、そこはすごく悔しい。仕方がない。ループがきれいに決まってしっかり集中した結果がこれなので、実力が足りないと思った」
「すごく楽しかった。結果は結果なのでしっかり重く受け止めてフリーへ向けて全力を尽くしたい。絶対にノーミスにしたい。一つ一つ丁寧にやりながら、最後まで集中したい」
と語られました!
こちらがそのインタビューの一部映像
また、こちらの動画ニュースの終わりの方(1:20~)で、羽生選手が、英語でインタビューに答え、
「応援が僕の力になってくれたので、僕は世界一幸せだと思います」と、言っています。
「すごく楽しかった」という言葉が聞けて、それは嬉しかったし、見ている側も、とても楽しかったですよ!… 私はむしろ、本当に「凄すぎて圧倒された」という感じでしたけど。
今回は、自分が演技を観ていて感じた「大きな感動」と、出されたスコアとの「かい離」が、かなり大きかったな、という印象でした。
もちろん、技術点で大幅減があった、つまり、コンビネーションが認められなかったのだな、とはすぐに思いましたけどね。
遠慮なく正直に書くと、私が見ていた感想としては、演技そのものは、もうお世辞でも誇張でもなく、本当に「総合的に」素晴らしかったです!!
私は今季で一番感動した「レッツゴー・クレイジー!」だったと思いましたし、メリハリもあったし、曲の解釈・表現も恐らく一番良かったように見えたし、すごい気迫だったので、観ていてかなりカッコよかったです!!
会場の観客の盛り上がりの通りの反応が、ファンとしての素直な反応だと、本当に思えましたよ!
羽生選手のショート演技「レッツゴー・クレイジー!」
冒頭の4回転ループは、全く力みもなく、高さもあって、ものすごくカッコよくて、思わず目を疑うほど完璧なジャンプでした。
しかも、曲のあのタイミングで、あのような形で跳ぶループの、演技として表現されていることの深い意味まで感じとっている私としては、あれはもう、非の打ち所がない素晴らしさだったと思いました!
まずあれだけで、圧倒されたというか、本当に心奪われましたね。(笑)
4回転サルコウがコンビネーションとして認められなかったせいで、
明らかに10点は落としてしまい、スコアはあまり伸びなかったけど、
このプログラムでは、私には、今シーズンで間違いなく一番感動した演技でした!
4回転サルコウは、着氷で「あ!」と一瞬思ったのに、気合で、ほんの一呼吸おいてから直後にいきなり両手上げの2回転トウループをつけてきたのは本当に凄くて驚きました。
何度も書いていますけど、もともと羽生選手の両手上げが大好きだった私は、このプログラムで初めて見た、久しぶりのキレイな両手上げを見られたので、思わず大喜び。
それだけでなく、それ以上に凄かったのが、
日本人でこれに気が付いた人がどのくらいいるかわからないけど、
あの箇所って、歌が、「And if de-elevator tries to bring you down」つまり、
「もし (悪魔の)引き下げ専門エレベーターが 君を引き下げようとしたら」って歌っている場面だったので、
まさにその歌詞のままが起きたように見えました。
つまり、
羽生選手が、4回転サルコウをキレイに跳んだにも関わらず、着氷で、後ろ足を垂直方向の真下に引っ張られたかのような、膝がつきそうな形の着氷になったのです。
そして、本来なら生じないはずの一瞬の間があって、
その後ろで歌われる、「Go, crazy!」 つまり、「無我夢中になって行け!」 の歌詞に合わせるかのように、
2回転トウループを、真上に両手を上げる形で、(つまり「天の方向」に垂直に向けて、)
いかにも障害を簡単に乗り越えそうな勢いと技術力で跳びあがり、美しい2回転トウループにして
演技をまとめて、続けていった羽生選手を見て、さらにビックリ。
あれはなんか感動しました。
コンビネーションと認められなかったせいで、スコアでは大打撃でしたけど、
むしろ歌詞の歌われているタイミングも意味も、技とピッタリ合っていて、成功ジャンプの時のよりも、むしろより深い表現になってしまったように見えて、ちょっと驚きました。
ジャンプとしては得点で大損したけれども、演技の解釈、演技の意味としては、「むしろ完璧」になっちゃったように見えて、またそれがピッタリすぎて、信じられない気持ちで圧倒されたというか…
もう色んな意味で言葉を失う感じでしたね。
演技としては見事なほど、完璧にまとめてくれたと思うんですよ、今回の羽生選手の演技は。(笑)
英語圏の人、キリスト教圏の人たちなら、私と同じことを感じた人は、絶対に世界中に大勢いるはずです。
だからある意味、ものすごい演技だったともいえる…
得点だけを見たら、ミスあり演技、で片づけられてしまうかもしれませんけれども、
このプログラムは、そんなに軽いものでもないし、羽生選手がやっているのは、浅い演技じゃないですからね。
今回の演技は、絶対に狙ってできるような演技じゃなかっただけに、
だからこそ、「やっぱり羽生選手、すごい天才だわ…」と思ってしまった私でした。
直前の公式練習の時は、4回転サルコウからのコンビネーションは完璧だったんですよね。
すごくキレイに跳んでいて、(ああ、あんなにキレイに跳べるんだね…)と思って見ていました。
あの4回転サルコウからのところは、プリンスさんが、「悪魔の引き下げ専門エレベーターが引き下げようとしたら…」、と歌っている箇所です。
この歌(曲)のタイトルは、その続きの歌詞ですよね、「 Go crazy!」で、もともとの全ての歌詞を見たら、「無我夢中になって上へ(神の方へ)行け」と歌われているわけなのですから。
だから、そういう部分も含めて、世界選手権で今回、こういう「歌詞に完璧に忠実な表現」の演技になっているのを見て驚くのみならず、
実際、こうして羽生選手は「その場合、どうするかのお手本」をリアルに世界中に、演技中に示してくれたわけで(笑)、
実際、同じことに気が付いている人、同じことを感じた人は、世界中に大勢いると、私は断言できます。(笑)
技術点がかなり損したにも関わらず、演技構成点で、ノーミスだったハビエル選手やパトリック選手と、ほとんど変わらないほどにまで、非常に高い評価を受けた、今回の羽生選手の演技。
「曲の解釈」で10点満点つけているジャッジがいたり、パフォーマンスで10点満点つけたジャッジがいますけど、きっとこういう細かい部分でも、私と同じような気持ちになって感動したのではないかと思いました。
今回は、演技への気迫も凄かったし、最初から4回転ループが終わるまでの冷静さと完璧さ、そこから一転して、4回転サルコウで「下に引き下げられかかった」かのような微妙で絶妙な着氷、さらにそれを打破するがごとくの、「尖頭型両手上げ2回転トウループ」と続き、
この2回転トウループは、確かに得点にもならなかったけど、
でも、演技としては非常に深い意味があったと思ったので、
そういう展開になっていくこと自体が、なんというか、私から見たら畏敬の念に打たれたというか…。
ラストの大盛り上がりのステップ部分で魅せた、余裕や笑顔も良かったし、観客を巻き込む…いや、世界中のテレビの前の人たちまでもを巻き込むほどの力といい、
4大陸の時は、背中をあまり反らせなかったレイバック・ランジでしたが、今回はすごくしなやかで見事な体勢で、見ごたえがすごくありましたし、迫力も凄かったです。
今回の演技は、構成としてはノーミスじゃなかったけど、
プログラム、あるいは、歌詞の持っていた意味を「表現」する「演技」として観るなら、
実はむしろこれこそが完璧であり、ノーミスだったと言えるのでは?!と本気で思ったほど、
色んな意味も含めて、ひたすら圧倒されました。
録画で繰り返し、あの4回転サルコウからの箇所を、歌詞を聞きながら確認してみると、見れば見るほど、あそこは逆に怖くなるほどの完璧さに見えてきます。(笑)
最初、解説の本田さんが、「なんとかコンビネーションにしました」って解説してくれたので、認められるのかな?とちょっと期待したけど、そこはダメで残念でしたね…
だけど、高橋さんがコメントしたみたいに、「あの後にあんなジャンプをつけるのは普通出来ないので凄い」というのが、見ていた側の受けた驚きと感動だと思います!
この曲は、本当は「的確に表現する」のは、ものすごく難しい曲だと思うし、
他にも色んな意味で、普通の人には決して滑ることが出来ないような、見えない世界での闘いのある、本当に凄く大変な、ハイレベルなプログラムだと、私は思っています。
表で見えている以上に、羽生選手が、今この時代、このタイミングで、このプログラムをやっていることの意味、その凄さというのは、もう言葉に出来ないほどの凄さだと言っていいと思います。
それを解っている人は、世界中に、絶対に沢山いますから。
だからこそ、私は「ここまでやった」「ここまで表現出来ている」羽生選手を本当に凄いと思っているし、尊敬するし、
今日の演技そのものには、私は本当に圧倒されてしまって、何も言うことがなかったですね…!!
後続ジャンプの前に一瞬の間ができたせいで、技術点が伸びなかった点は確かに残念でしたけど、これだけ難易度の高いものを、リスクを負いながらやってきて、
これだけ多くの人を楽しませて、盛り上げることも出来て、ファンや観客を大勢巻き込んで…
一つ一つの質・加点レベルも、他選手と比べても極めて高いのは明らかでしたし、出ている総合得点以上に、非常に価値のある演技だったと私は思っています!(笑)
外国のファンたちが、「Still you are the best!! 」と書いているのを見て、私は凄く納得したし、
心の底から同意するし、嬉しかったですね!!
伝わる人たちには、ちゃんと伝わっているよ! と、私は羽生選手にお伝えしたいですね!!
正直、1番滑走の羽生選手に、あまりに圧倒されたせいで、後から滑った他の選手たちの、もっと高得点が出た演技を見ていても、(普段ならもっと感動したのだろうけど、)感動が薄くなっちゃったところが困りものでした。(笑)
1番滑走だったせいか、ちょっと演技開始時間が遅れて1点減点になっていたそうで…
そこはもったいなかったですけど、
フリーもまた最終グループの1番滑走になったようなので、今度は気をつければ良いでしょうね。
難易度を決して落とさないという選択肢を、あえてとり続けてきた羽生選手。
羽生選手とネイサン選手という、超・高難度挑戦型ジャンパーが、ワンミスによって、5位と6位になってしまった、今回のショートですが、トップのハビエル選手とは、それでも約10点差。
およそ10点以内に6人がひしめいています。
これって、フリーのジャンプ一つで簡単に差がつく範囲内の得点なんですよね。
ネイサン選手がこの得点差を見て、一体どのような戦略に出てくるかもわかりませんし…
羽生選手は、自分の目指す演技に集中して、そしてやってきたことに自信をもって、フリーに臨んでほしいと思います!!
フリーの演技も、心から楽しみにしています!!
めげずに、むしろこの状況をも感謝して、思いっきり試合を楽しんでほしいですね!
まずは良くお疲れをとって、頑張れ~!!