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羽生選手が五輪新ショートに「バラード第一番」を選んだ理由と、ファンタジー・オン・アイス2017幕張公演3日目の羽生選手の名演技

2017-06-03 | 羽生結弦選手・注目発言

 

 

 テレビ朝日が公開して下さった、新「バラード第一番」の、幕張公演3日目のノーミス演技動画です。

基本的には、こちらの「テレビ朝日・グランプリシリーズ2017」(最新)の公式HPから見て下さい、ということのようです。(ページ真ん中あたりに動画が張ってあります。)

今後も継続して演技するのでしょうから、これが完成形、または完全版だなどとは思わない方が良いでしょうね。

 

ファンタジーオンアイス・幕張公演 3日目に披露された、羽生選手の「バラード第一番」

 

 

最初のジャンプは、4回転ループ、 (イーグルから入って、着氷後もイーグル)

次のジャンプが、3回転アクセル、

最後のジャンプが、4回転トウループ+3回転トウループ のコンビネーションです。  完璧です!(笑)

 

とても音楽に合っていて、ちょっとしたリズムや強弱まで合わせてあるのが判ります。

足元までしっかり映っていたら、もっとすごかっただろうと思うのですけど!(笑)

何にしても、映像を出して下さって感謝です!! 

 

 

6月20日追記: 羽生選手は、6月半ばの新潟公演の時のテレビ・インタビューで、「バラード第一番」について、こう語っていました。

 「いちスケーターとして、非常に幸せを感じながらスケートをしていました。『自分の技術の結晶』と言われるようなプログラムにしたいなと常に思いながらやっているので、これからさらに磨いていって、また、もっともっといいプログラムにしていきたいなと思っています。」



Web Sportiva から、折山さんの取材による、羽生選手の「バラード第一番」選曲の理由についてのインタビュー内容が書かれた記事が出ています。

 幕張公演終了後、5月末に出てきたこちらの記事をどうぞ。(Web Sportivaより)

 

 後から、羽生選手の「バラードを選んだ理由」と演技構成について言及した記述が削除されてしまったのですが、ファンタジーオンアイス神戸公演と新潟公演でのパンフレットに、そのインタビューの詳細が載ったせいだったようです。

こちらの内容は、公開されている上の記事よりも、もっとうんと詳細になっていましたし、パンフレットには、振付師のジェフリー・バトルさんの見解も載っていましたので、そちらのほうがおススメですけれども、もともと、上の記事に載せられていた、羽生選手の「選んだ理由」については、そのまま載せておきます。 

 

以下、羽生選手の「バラード第一番」を選んだ理由部分についての抜粋です。

 

「再びバラードを選んだ理由について、羽生はこう話す。

「自己最高得点を出した曲で、磐石の態勢を固めようということではないんです。バラードはもう一度やりたいと思っていましたし、世界選手権のフリーであれだけのノーミスの演技ができたことで『まだできる、もっといいバラードができる』と思ったので選びました。

 この曲だからこそ見せられる自分のプログラムの組み方、この曲だからこそできる自分のスタイルというのもあると思います。これまでモヤッとしていたバラードに対する想いが、ギュッと固まって明確になってきた感じがしているんです」

アクシデントや病気、ケガに苦しんだ3年間があったからこそ「ピアノ曲のバラードを演じ切りたい」と、平昌五輪シーズンを再び『バラード第一番ト短調』で挑む。」

 

…と書かれていますね。


折山さんの文章には、「羽生の演技からは、以前のバラードとは違う力強さが感じられた。」と書かれていますけど、わたしもそう思いました。

以前にはなかったような、何か「強い確信」「強い意欲」のようなものが演技からビシバシと感じられて圧倒された感じがあったのですが、上の羽生選手の言葉を聞けば、「モヤッとしていたバラードに対する想いが、ギュッと固まって明確になってきた」と語っているので、やはりそうだったんだな、と思いました。

 

私は、3度目の挑戦と知った時、逆にその自信と挑戦心と覚悟と意欲に、むしろ驚き、そして演技を観て感動しましたけどね。


だって、最高評価を得ているのですから、それを超える自信がなければ、出来ないです。


「「まだできる、もっといいバラードができる」と思ったので選びました。」

と羽生選手は語っていますけど、そう思ったからこそ、選んだんでしょうし、そう思えるところが凄いですし、本当に意欲的で素晴らしいですし、私はとても感動しました。


上の発言での「世界選手権のフリーでノーミス」っていうのは、今年の世界選手権での、「Hope&Legacy」のことですよね。

昨年の世界選手権のSPでのバラードも、本当に凄かったんですけど、あの時は実は酷い怪我をしていた状態だったわけで、もし健康だったら、もっとさらに良い演技が出来たというような思いは、羽生選手の中には残っていたのかもしれませんし、今シーズンを終えて、さらにその自信が高まったのでしょうね。


今までの羽生選手の選曲パターンを見ていると、羽生選手はきっと、相当な「職人気質」なんだろうと、私は感じています。

普通の人なら、「それ飽きた」とか言いそうなところを、全く飽きもせず、こだわりの作品のより理想的な完成に向けて、「一ミリの差」とか、そういうところをひたすら追求し続けられる、ひたすら修正を加えながら、一つのことに打ち込んで、究めていけるタイプ。

だからこそ、あれだけキレイなジャンプが跳べたりするのでしょうし…。


今回の「バラード第一番」で驚いたのは、スピンの時の手の表現が、より一層印象的になった気がしたところです。 すごく力強さと迫力を感じました。 それでいて、ステップは柔らかさやしなやかさも加わり…。 本当に素晴らしくなったと思ったんですよね。


ソチ五輪頃からファンになった方々は知らないかもしれませんが、2012年—2013年シーズンに、「パリの散歩道」を初めてやった時も、その選曲にあたって、バトルさんが出してきた数多くの候補曲を、気に入らなくてことごとく却下していった中で、やっと羽生選手が首を縦に振った唯一の曲が、あの「パリの散歩道」だったと、バトルさんが語っていたかと思います。


しかもそれも、やり始めてからも、自分であまりしっくり来ていなくて、「これ、ジェフのプログラムで良くない?」と、バトルさんが滑る方が良いのでは、と思っていたようなことを発言していたと思います。

だから、最初の頃は、わたしから見ても「ちょっと羽生選手らしくないかも…?」と思えたし、同じように思っていたファンも大勢いたし、それまでの羽生ファンで、「パリの散歩道」が好きではないという人も、結構いたと記憶しています。(最初は、ちょっと背伸びしすぎというか、ちょっとカッコつけすぎに見えたんですよね。(笑))

でも、スケートそのものは最初から凄くて、羽生選手の「技術の凄さ」はとてもよく伝わってくる、なおかつ振付も斬新な印象的なプログラムだったので…。また、特にそれまでのイメージを捨てて見るならば、カッコイイ演技であることには間違いなかったですし、4回転トウループやトリプル・アクセルの抜群の安定性もあったし、安定的な高得点が取れるようになりました。

でも、そのシーズン最後の、肝心な世界選手権では、怪我のせいで納得のいかない演技に終わってしまった羽生選手。(フリーは凄かったですが。)


翌年の、ソチ五輪シーズンも、最初、なかなかショートの選曲が決まらなくて、候補になった曲をまた羽生選手がことごとく「しっくりこなくて」却下してしまい、いろいろ検討した結果、結局、「パリの散歩道」を突き詰めたほうが良い、という想いになって、再演が決まったという経緯だったと、インタビューで答えていたかと思います。

だけど、パリの散歩道は、2年目にぐんと良くなって、本当に羽生選手らしくなったし、背伸び感も違和感もなくなって、名プログラムになりましたけど、それまでは、「沢山の曲を検討したけど、ことごとく却下した」というくらいですから、羽生選手が「これ!」と勝負をかけたいと思えるほどのもの、そう感じさせる曲って、案外少ないのかもしれないですね。(羽生選手に限らず、誰でもそうかもしれませんが。)


でも、やはり演技するのは羽生選手なのですし、その羽生選手ご本人の「勘」は正しくて、結果的には、ソチ五輪で金メダルの原動力になったのは、この「パリの散歩道」が抜群に良くなって安定して、「完全に羽生選手のものになった」ことが大きく影響したわけですし、それがあって初めて羽生選手を知った人も大勢出たわけですから…

五輪のプログラムは、最終的にはその選手の「顔」「代表プログラム」みたいになっていくのだから、羽生選手だって、相当なこだわりをもって———演技するご本人が、誰よりもこだわり抜いて選んでいるだろうと思います。


「ロミオとジュリエット」も、曲は全然違いましたけど、2シーズン、しかも特に大事なシーズンにそれらをやったわけですし、テーマに対する強いこだわりというのも、羽生選手にはかなりあるように思います。



ショートが過去プロの再演(といっても、かなり変わるようですが)に決まったのだから、

フリーは新プロだろうと、私は思っています。(もちろん、ただの予想ですが。)


アイスショー出演が報じられた時に、もし両方新プロだったら、ちょっとスケジュール的に厳しいのでは…と思っていたので、SPかFSの、何かの再演が決まったんだろうな、と予想してはいました。


ショートにピアノ曲が来たので、フリーは、ピアノのみの曲ではないのだろうと思いますし、

また少なくとも、同じシーズンに「バラード第一番」と同時にやった、「SEIMEI」と「オペラ座の怪人」もまずないだろうなと、私は思います。 (もちろん、私の予想なだけですが…)

そもそも、韓国での五輪で「SEIMEI」をやるのは不利だろうと思いますし。 

たとえ、演技内容が国際的に十分通用するとしても、「日本文化」が衣装を始め、前面に出ているものは、両国の歴史を思えば、韓国に喧嘩を売っているようなものだと私は思いますので…。

(別ページで書いた記事は、再演してほしいなどという意味で書いたのではありませんし、そういう予想もしていません。)


フリーはいつ頃発表になるのかは、まだわかりませんけれども、

前回のソチ五輪シーズンは、試合が始まるまで、何の演技になるのか、全く公表されなかったと思うので、羽生ファンは焦らずに、きちんと羽生選手側が決めた時期を待ってあげるべきでしょうね…!


ソチ五輪シーズンと違うのは、今は羽生ファンで、あまりそういうところをわかっていない人たちが、日本・海外問わず、あまりにも増えすぎたような印象があって、何でも「知りたい、知りたい」と先走るのではなくて、羽生選手サイドがきちんと正式に公表するのを、何においても、ファンは待つべきだろうと私は思います。

公表するタイミングにも、きちんと理由があると思うので…。


4回転トウループは、もともと羽生選手の得意技ですけれども、リスフラン靭帯損傷の原因にもなったのだから、羽生選手には、そこだけは本当に本当に大事にしてほしいと思っています・・・  

 

 

羽生選手には、お身体お大事に、楽しく頑張ってもらえたら、と思います…!!