追加情報: 2015年国別対抗戦でのエキシビションの演技「パリの散歩道」を、最後の方に追加しました。
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最高おススメ演技 その12 は、ソチ五輪で、ショートプログラム史上最高得点を出し、
金メダルへと繋げた「パリの散歩道」です。
フィギュアスケートに興味のない人たちにも、一番知れ渡った羽生選手の演技と言えば、やはりこれでしょう。
このプログラムは、そもそも、羽生選手がカナダに渡った年、高校3年生だった(2012-2013)シーズンに演じられていたのですが、
それを、ソチ五輪シーズン(2013-2014)でも、一部振り付けと衣装を変更して、もう一度やりました。
(羽生選手はもともと新しいプログラムを希望していたそうですが、新しい候補の中で、音源で羽生選手が気に入るものがなくて選曲に難航した結果、コーチ陣との判断で、これをもう1年やることになったんだとか・・・)
結果的には、それが成功して金メダルへと繋がりました。 今では、羽生選手の代名詞のようなプログラム!
2012年3月の世界選手権で銅メダリストとなり、羽生選手を有名にした震災シーズンでの「ロミオとジュリエット」「悲愴」のシーズンの直後ですから、それまで、「情熱」「がむしゃら」「全力」「流麗」等のイメージの非常に強かった羽生選手が、いきなり「クール」と「カッコつけ」「余裕」を極めてきたように見えた演技。(笑)
フィギュアスケートでは滅多に使われないブルースを使って斬新にまとめ、その独特のリズムにあった動きが出来るのも、羽生選手のリズム感と技術力が抜群だからです。
冒頭から左右の肩をゆすってスタートするこのプログラムは、音楽イメージに合わせてあるだけでなく、恐らくは出だしで緊張をほぐすことが出来るように、振り付け一つとっても、実はかなり計算されたプログラムなのではないかと思います。
まだ高校3年生だった1年目のシーズンの段階で、既に羽生選手は、このプログラムで過去最高得点を数回、更新していました。
最初に過去最高得点を叩き出した演技がこちら。↓ 衣装は黒白のシャツで、大人っぽく、男っぽく決めています。(2012GPシリーズ・アメリカ大会時のもの)
ソチ五輪シーズンの時とは、振り付けの一部が違っていますが、今見ると、その違いを楽しめます。
このプログラムは、シーズン途中でもほんの少しずつ振り付けに変更が加えられていきました。
(当時、まだ17歳の羽生選手。シーズン当初の大会では、「羽生選手」にしては、ちょっとこの振り付けはカッコつけすぎなんじゃ…?(笑)などと思えた私ですが、この大会の時は、なぜかかなりカッコイイと思えた記憶が。さらに今、改めて17歳という先入観や当時のイメージを完全に取り払ったつもりで見てみると、単に「とてもカッコイイ」だけでした。(笑))
この後も、数回振付が変わっていき、ちょっと笑えるポーズが入ったり・・・(笑)それがさらに変更されたり・・・
振り付けが、ジェフリー・バトルさん(カナダ・元世界選手権王者、トリノ五輪銅メダリスト)なのですが、彼は、その活躍期が「プルシェンコ絶対王者時代」に重なってしまった、(私から見ると)ある意味では気の毒な選手たちのうちの一人でした。バトル選手は4回転が苦手で、それゆえに4回転帝王だったプルシェンコ選手には絶対に勝てないから、金メダルが永遠に取れない・・・かにも思われましたが、プルシェンコ選手が怪我で休養していた時期の2008年(2007-2008年シーズン)に、世界選手権王者となり、彼は満足して、その年の半ばに引退してしまいました。
4回転なしでも、世界王者になることを納得させるほどの演技を見せてくれたのが、こちら。→ (参考1)バトル選手の2008年世界選手権フリー演技 http://www.youtube.com/watch?v=5vJFdEfGk3w
羽生選手やプルシェンコ選手と違い、バトルさんはジャンプが苦手でしたが、音を表す表現力とスケーティングの際立つ美しさ、醸し出される品の良さ(当時)、端麗な容姿で、それこそ「王子様」「騎士」のようなイメージで有名、日本でも相当人気のあった方です。
→ (参考2) バトル選手の2007年のSP (2分以降~後半が凄いです!)http://www.youtube.com/watch?v=bxlMDroBT3s
ジャンプ以外の部分だけで観客を魅了することが出来る才能をお持ちだった、踊りの上手いバトルさんが振付け、それを”ジャンプが最も素晴らしい選手”である羽生選手が演じてくれたのが、この「パリの散歩道」。
天才・プルシェンコ選手をひたすら目指してきた羽生選手の演技に、ついに個性が全く異なる「ジェフリー・バトル要素」が加わるという、私に言わせれば、”かなり素晴らしい組み合わせ!”が実現したのがこのプログラムです。(新シーズンもSPがバトルさんの振り付けプログラムになっており、さらにバトル色が強くなりました!)
バトルさんによれば、羽生選手のスケーティングの「荒々しい奔放さ」を活かし、羽生選手の「殻を破らせようとした」のだそうです。
確かに、かなり斬新なプログラムで、羽生選手の多彩でかつ自然体な魅力を良く引き出していますが、当初はちょっと背伸びしている感があり、当時の私には、「これ、あと1,2年後だったなら、もっと羽生選手にピッタリ来たのではないかしら?」と思えていました。
高校3年の時に、史上最高得点を獲得したこのプログラムは、先述した通り、結果的には(大学1年の)ソチ五輪シーズンにまで持ち越されました。
2年目のソチ五輪シーズンでは、羽生選手の意見を取り入れながら振り付けに変更を加えていくことをバトルさんが認めたそうで、演技の大人っぽさが羽生選手に合ってきたことや、滑り込んだ影響による美しさ、振り付けの一部がより「羽生選手らしく」変更されたこと等、プラス要素が重なり、さらに高得点を出す、見事に代表的なプログラムになりました。
ソチ五輪の、2013-2014シーズンでは、衣装を水色と白のシャツに変更。 より爽やかに明るく見えるようになりました。これも総合的な印象アップに繋がったと思います。
このプログラム、自信たっぷりで、非常に「余裕そう」「簡単そう」「楽々そう」にも見える羽生選手ですが、かなり難しいことをやっています。
4回転トーループの成功率と美しさは、2012年時点で、全選手中最高で、既にかなり安定している感じで、安心して見ていられました。
トリプルアクセル(3回転半)を跳ぶ前に、助走が全くない状態で跳んでいる、そのこと自体も難しいのですが、それだけではありません。
羽生選手は、カウンターという難易度の高いターンをしてからいきなり助走なしのトリプルアクセルを跳んでいるところ、つまり、(外国解説者たちの説明を引用すれば)、「左足でバック(後ろ向き)のアウトサイドエッジ(スケート靴の刃の外側部分だけで滑る技術)で滑ってきて、ターンしてフォワード(前向き)のアウトサイドエッジにチェンジし、そのままその滑ってきた左足だけで踏み切ってトリプルアクセルを跳び、キレイに成功させてしまう」というところにある、と。
つまり、難しいターンをしながら「片足だけで滑ってきてそのままの片足だけで(反対側の足を全く使わずに)トリプルアクセルに踏み切って跳んでしまい、なおかつ鮮やかに成功させてしまう」というジャンプ技術が、常識を超えた「信じられない」「驚異的な難易度」だそうで、外国の解説者や他選手たちを毎回毎回、驚かせています。
スケートの技術を横に置いておいても、地上で、片足をしばらくぶらぶらさせた後、そのまま立っていたほうの足だけで回転ジャンプしようとすることが、どれほどトンデモナイ脚力とバランス感覚を要するかを実践してみれば、羽生選手の「非常識ぶり」がよりよく解るかもしれません。
着氷後も直ちに別の動作に入っており、しかもバランスを崩しやすい姿勢をわざわざ複数使っている・・・それもまた難易度を上げている要素です。
バトルさんに言わせれば、最初はそんなに難しいことをやらせるつもりなんてなかったのに、羽生選手にやらせてみたら、どんどん難しいものが出来ちゃっていくので、取り入れることにしたのだとか。(笑)
しかもこれを、体力が落ち、緊張が続いてしまうからふつうは避けるはずの「演技の後半に持ってくる」ことで、得点が1.1倍になるようになっており、相当な「高得点プログラム」を滑りこなしていたことになります。
ジャンプそのものの飛距離、高さ、美しさ、軽やかさ、成功率が最高レベルであることと合わせて、「ジャンプの天才」と呼ばれる所以です。
そして、得点以上に、そのような精神的・身体的・技術的なリスクを何重にも負いつつ、それらを問題なく実現させてしまう羽生選手は、かなり「あり得ない」ことをやってのけているのです。
演技中のポーズ一つとってみても、非常にバランスを崩しやすい体勢をとっていて、かなり高い技術が要求される内容ですが、いとも簡単に、軽々と滑っているように見せることができるのが、羽生選手のすごいところ。(実際、羽生選手にとってはそんなに難しくないのかもしれません。)
2年目のソチ五輪シーズンにおける、私から見た”最高おススメ演技”は、振り付けの一部が「より羽生選手らしく」改良され、一部の振り付けのちょっとした「違和感」までもが完全に解消され、集中力も高く、羽生選手の良さが大爆発した、2013年グランプリファイナル初優勝の時のものです。
解説者たちの、演技終了後のスロー再生時の解説付き絶賛ぶりは、聞いてみる価値があります。
ご本人の言葉によれば、「自分自身に集中」しきっていて、「脳みその奥まで落ち着かせてみた」という(笑)この大会で、初めてチャン選手に勝ち、五輪金メダルを含む、3冠達成への最初の一歩となりました。
良い意味でリラックスできているのか、その魅力を最高レベルでアピールしており、まさに世間をあっと言わせる、圧巻の演技。
ジャンプが全て非常に美しく、文句のつけようがありません。
全選手中でも最高の成功率を誇る「4回転トーループ」の完璧さはもちろん、前述した、難易度を驚異的に引き上げたトリプルアクセル(3回転半)の凄さ、そして、トリプル(3回転)ルッツ+トリプル・トーループのコンビネーションジャンプが、高さ・飛距離の両方が凄くてなおかつ、着氷の美しさが素晴らしいです。 凄すぎてもう、笑うしかない感じ。(笑)
柔軟性が遺憾なく発揮されていて、足の上がり方の角度、腰の落とし方の深さ、スピード感までもが、最高です。
ラストのスピンでほんの少し横に移動してしまいますが、最後に、羽生選手自身も演技に満足したのか、自分で手をたたいています。
この直前の2試合(グランプリシリーズカナダ大会、フランス大会)では、チャン選手にスコアの上では完敗した羽生選手でしたが、そのおかげで、冷静さと本来の自分らしさを取り戻して、本格的な逆襲を開始したように見えました。
この時の羽生選手は、敵(ライバル)を全く見ていなくて、自分のベストを尽くすことに専念しており、本当の意味での「無敵」状態で臨んだ試合だったと思います。非常にかっこよく、素晴らしかったです。
この後、史上最高レベルでの大激戦だった2013年年末の全日本選手権を優勝します。(国内史上最高得点をマーク、初の100点超え)
羽生選手はこのプログラムで、後半に行った「3回転ルッツ+3回転トーループ」の連続ジャンプで、最初のジャンプの回転軸が大きく斜めに曲がったにも関わらず、きちんと着氷してなおかつ、後続ジャンプではなぜかキッチリ軸まで修正して美しく跳ぶ、という離れ技を見せつけ、観ていた人々を驚かせました。
普通は軸が曲がると、上手く着氷できずに転倒するか、最低でも後続ジャンプが跳べなくなって単独ジャンプになるか、それでも無理してやると後続ジャンプが失敗するか、です。 相当な脚力、バランス感覚、強い意志があるのだろうと思われます。
(羽生選手は過去のインタビューで、調子が良い時にはジャンプ回転中に、周囲の景色が360度バッチリきれいに見えているのだとか、跳んだ瞬間に、自分のフォームが目の前で3D映像のように見えて、どこをどう修正したらよいのかが直ちにわかるので、跳んでいる最中に即座に修正できるのだとか、そんな感じの変態的天才的能力があることを告白していたことが数回あります。身体の隅々の感覚まで鋭敏で、それを脳で正確に処理して判断し、さらに運動神経にフィードバックできる・・・ ま、一言でいえば、ただの天才なのですね。)
こういう常識を超えた、ふつうは倒れるはずのところをなぜか成功させる「離れ技」は、かつてはプルシェンコ選手が得意でした。羽生選手も、同類のようです。
ソチ五輪団体戦SPでも、長年のあこがれのプルシェンコ選手のスコアを上回り、最高点を獲得して1位となり、ソチ五輪の個人戦では、プレッシャーも何のそのの堂々たる態度で、「歴代最高得点更新」「国際公認試合・史上初の100点超え」などという偉業までもを達成して、ついに金メダルを獲得します。
いずれもノーミスのパーフェクト演技でした。
特に圧巻だったのが、初出場の五輪ながら、不敵な笑みさえ浮かべてみせ、精神力の強さと才能を世界に印象付けた、ソチ団体戦での次の演技です。(動画主様、拝借します。)
この解説では、トリプルアクセルの入り方が、左足のインサイド(内側)エッジ(刃の端)で滑ってきてからアウトサイド(外側)エッジ(刃の端)に切り替える”スリーターン”(氷上に3の数字を描いたような跡がつく形の基本的なターン)だと説明されていますが、前述したように左足のアウトサイド(外側)エッジだけでターン後も滑りきる”カウンター”(というターン)の間違いだと思われます。
どちらにしても、そのターンをしながら浮いている方の右足を氷の上につけずに、そのまま直ちに回転をつけて3回転半を跳んでいってしまうことで、羽生選手には恐ろしく素晴らしいレベルのコントロール力があることがわかる、と解説者は絶賛しています。
{ 注: 一般的には、インサイドエッジ(足の内側に重心をかけて、ブレード(靴の刃)の内側の端だけで滑ること)よりも、アウトサイドエッジ(足の外側に重心をのせてブレード(刃)の外側の端だけで滑る技術)のほうが、バランスを崩しやすく、身体が横に倒れてしまいやすいから難しいです。
スケート靴は、刃の底部分の真ん中が縦ラインにくぼんでおり、両端の尖った部分で滑っています。平たくまっすぐに滑る(フラット)状態だと、氷の上に2本の縦の平行線がつきますが、その内側と外側のラインのどちらか部分をつかって滑ることが多く、両足の内側(内股側)のラインをインサイドエッジ、反対の外側のラインをアウトサイドエッジと呼びます。 }
全日本選手権やソチ個人戦金メダル獲得時のものも、もちろん、言うまでもなく非常に素晴らしくてご紹介したいところですが、近々発売されるブルーレイ・DVDに収録される様なので、そちらで御覧下さい。(笑) ↓
羽生結弦選手の演技 Blu-ray版 (2014年7月16日発売予定)
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さて、このプログラムで非常に有名になったのが、あの途中で出てくる、「へ」の字の形のようなポーズです。
あれは、羽生選手ご本人の解説によれば、「変形型のランジ姿勢」だそうで、名前はないもの。
「イーグル」の変形技では、とも噂されましたが、イーグルは基本的には足腰が曲るのは美しくないとされているだけでなく、180度近くの開脚両足のエッジを使って滑る技なのですが、この羽生選手の技は、主に曲げている側の片足で滑っているようなので、イーグル変形とは呼びがたい。(イナバウアーは足を前後にずらしたイーグルの変形技に当たるそうです。)
「ランジ」というのは、フィギュアスケート用語なのではなく、スクワットなどと同じ、筋トレの姿勢の一つの、一般的な呼称です。
腰を落として前方のひざを曲げ、後ろ脚を伸ばした、フェンシングでいう、「突き」のポーズに似ているもの。
検索してみたら、こんな動画が引っかかりました。お、面白い!(笑) 説明が詳しく、よくわかります。→ (参考3): ランジとは http://www.youtube.com/watch?v=vGzc5FikpRQ
羽生選手が、「ランジは、振付師のバトルさんが現役時によくやっていた姿勢だ」と指摘していましたが、上で紹介した、2008年世界選手権フリーの中でも、出てきます。 ランジ姿勢を美しく表現したものが見られます。
次の動画の、1分18秒から19秒のところで止めてみると、ランジ姿勢の応用と思われる、バトル選手の美しいポーズが見られます。http://www.youtube.com/watch?v=5vJFdEfGk3w
バトル選手得意の、騎士のようなポーズですね。バトル選手についてまわった、「王子」やら、「中世の騎士」のようなイメージは、このランジ姿勢の上手な多用によるものだったのかと、今更ながら気づかされました。 羽生選手、ありがとうごさいます。(笑)
日本では、羽生選手の足の形が日本語の「へ」のような形のランジだから、「へ・ランジ」などと呼んでみたりされていますが、正式名称はないし、「へ」は日本人にしかわからない言葉なので、国際的に共有できる正式名称をつけてくれるといいですね。
「イナ・バウアー」さんが始めたから「イナ・バウアー」、「デニス・ビールマン」さんが始めたスピンだから、「ビールマン・スピン」という名前なのですから、羽生選手が始めたこの印象的な「ランジ姿勢」の滑走技術は、「ユヅル・ハニュー」とか、「ユヅル」又は「ハニュー」だけ、「ユヅ・ランジャー」(←ふざけてみました)等、なんでもいいですが、羽生選手の名前のついた正式名称になるといいのですけどね・・・。(笑)
「出ました!ユヅル!」とか、「出たー!ハニュー!」と世界の解説者たちが叫ぶと、そこにはあのポーズをやっている他の選手の姿が・・・みたいな未来が、いつか来るといいですね。
羽生選手によれば、「僕はふざけると、こういうことになる」というポーズだそうで、羽生選手の持っている”やんちゃ坊主”っぽさ(笑)が大いに発揮されていて、面白いです。(笑) 自由で勢いがあります。
このプログラムで発揮されている「カリスマ性」も、高く評価されていて、「氷上のエルビス・プレスリー」だの、「氷上のロックスター」だの、「氷上のカリスマ」だのと各国の解説者たちにも絶賛されました。
ソチ五輪・シーズンの羽生選手が、このショートと、さらにフリーの両方で合わせてこなしてきた演技の”難易度”は、全選手中でも他の誰にもできない最高難易度だったことは既に周知の通りですが、それをこなすのが一体どのくらい難しいのか・・・ 「一般人」には、雲の上のようで想像もつかないレベルなのですが、
①振付師のバトルさんがこの難易度のプログラムを滑りこなせる羽生選手に、思わず嫉妬してしまった
②過去最高の天才として名高いプルシェンコ選手が「ユヅルは天才!」を連発した、
③女子で技術力最高の浅田真央選手は、滅多に男子選手を絶賛したりしない発言の慎重さをもっていますが、すご技連発を見て驚きのあまり、「ユヅル君は、ハイもハイも、ハイ・ハイ・レベル!」「尊敬しています」と本気で言わせた ・・・
・・・というほどの、超・高難易度だった、ということは、ファンとして知っておいて損はないかもしれません。
参考までに、上述の3選手に対する、私の評価はどれも非常に高く、次のようなものです。
①ジェリフー・バトルさん → (羽生選手を除く) 歴代男子選手の中で、一番、「観てよかった!」と思える美しい表現力をお持ちだった方
②エフゲニー・プルシェンコ選手 → (羽生選手を除く) 歴代男子選手の中で、圧倒的に桁違いの天才だった方、 もはや説明不要の存在
③浅田真央選手 → 歴代女子選手の中で一番、私の理想像を体現し続けてくれた最高の選手 女子では完全に別格 こちらも説明不要の存在
このお三方に、このように絶賛されてしまう羽生選手・・・ 私が初めてその演技を見たとき、数十秒で鳥肌が立って惚れ込んだのも無理はなかったのですね。 特に技術に決して妥協しない浅田選手の昨年の上の発言を聞いて、羽生選手がどれほど凄いことをサラッとやっちゃっているのか、改めて実感できました。
さらに、2015年の国別対抗戦の、エキシビションで、羽生選手が久々に、「パリの散歩道」をやって下さいました!
その映像がこちら。
大事故・怪我・手術で大変に苦しんだこのシーズンの最後に、エキシビションとして羽生選手が選んだのは、なんとこのプログラム。
試合ではないため、余裕気味で、かつノリノリなのですが、エキシビションで4回転が入っているプログラムをやる人って、
本当に羽生選手くらいでは…(笑)と思いますが、そんなことは関係ないよとばかりに、
試合と違わぬいつもの羽生選手らしい、本気の全力モードで魅せて下さいました。
解説の荒川さんも、最後に驚嘆・絶句気味です。
このチカチカしたライトの中でこれが出来、しかもなぜか、超・余裕ぎみ… ということで、
1年前と比べたら、大変だったこのシーズンでも、どれほど成長していたのかをしっかりと証明して見せてくれて、会場は大いに沸きました。
さて、最後におまけをどうぞ。
同じ衣装+やっている内容はほぼ同じものを組み替えただけなのに、音楽が変わるとこんな感じ、という演技。
曲の印象に合わせて、雰囲気をきちんと変えています。 特に「へ型変形ランジ」が、「優雅」バージョンになっていて、これまたカッコイイです。驚きます。
見ていて眩しすぎる気がするのは、決して照明や映像のせいだけではないでしょう!(笑)
ドリーム・オン・アイス2014でのオープニングの羽生選手 ↓
ジャンプを終えた直後、片足をふり上げる角度があまりにも高すぎて、もう驚愕の一言!!
引き続き、今シーズンの活躍を、期待しております!
海外の解説を聞くと、いかに羽生選手が技術的に凄いことをしているのかよくわかるのですが(しかも驚きとかの感情表現がストレートで、本当にこの技は、滑りは凄いことなんだというのがストレートに伝わってきますよね)、日本の解説ではあまりそういうことには触れてませんね(四回転トウループとか技の名前を紹介するくらいで…。)
そのへんがいつも物足りなく感じています。
管理人さんのいつもの丁寧な解説で、あらためて羽生選手が(本当にフィギュア界の歴史を塗り替えるような)すごいことをしているんだと再認識しています。
スケート技術の知識も乏しいまま、感情のままに羽生選手を批判しているアンチの人たちにこそ、この記事を読んでほしいと強く思います。
今のままでも十分にすごいのに、決して現状に満足することなく、さらなる高みを目指して努力し続ける羽生選手の姿勢は本当に素晴らしいですね。
進化のためには失敗を恐れないチャレンジ精神(チャンピオンになった今、失敗すればあれこれ言うひとたちもいるでしょうが…。)
決して守りの姿勢に入らない羽生選手。
19才の若さゆえというところもあるかもしれませんが、そんな羽生選手から目が離せません。
高度な技術力、繊細な表現力、強い精神力、恵まれた容姿(!)、そして性格の良さとあらゆるものを兼ね備えた羽生選手でもちょっとしたスランプに陥ることもあるかもしれません。
羽生選手がいい時でも不調の時でもどんな時でも、そしていつまでも羽生選手を見守り応援し続けたいと思います。
いつも興味深い&ためになる記事をアップしてくださってありがとうございます。
いつも暖かく熱いコメントをどうもありがとうございます!
現在私的事情によりネット環境のやや悪い状態にあり、コメントアップも更新も遅くなっていてすみません。
日本の解説が物足りないというのはよく解ります。フィギュアスケート界全体やマスコミ事情、あるいは他選手にも絡む様々な事情でだろうと思われますが、ここ数年、何かタブーが存在するかの如く、奥歯に物が挟まったような解説が確かに多かったのは、本当に残念でした。 自身も技術力が高く、4回転ジャンパーだった織田信成さんや本田武史さん等の解説者としてのご活躍により、今後は解説の視点等もおそらく少しずつ変わっていくのではないかと期待しております。
技術的な説明は、私は全く適任ではないばかりか、はるかに詳しい方が沢山いるはずなので、あまり書きたくはなかったのですが、歴代最高得点をとってギネス記録にもなっているこのプログラムだけはその辺は無視できないかと思い・・・選手たちから見ればお恥ずかしいレベルですが、逆にその凄さを少しでも「一般目線から」実感できればと思って、外国解説者たちの解説や複数のフィギュアスケート専門雑誌からの情報、羽生選手や他選手の言葉、自分自身が滑った時の実感等を混ぜ合わせて、自分なりの言葉で書いてみました。あれあれ、それはちょっと違うよ、という点がございましたら、遠慮なくご指摘頂ければと思います。
アンチの方々はまだご活躍なのでしょうか。(苦笑)
アンチというのは、目的がただ「引き下げること」でしかないので、新規羽生ファンも皆様は非常に驚かれショックを受けられたかもしれないですが、反面教師か今後の教訓に生かすことを心がけ、羽生ファンの皆様は関わらずに完全無視していくのが一番かと個人的には思います。
私の羽生ファン歴は、他選手の溺愛ゆえに羽生選手をあり得ないほどに見下すような、アンチの方々からの激しい攻撃でスタートしてしまった感じでしたので、どういう方がなぜそうするのかも含め、早期に実態を知り、色々考えさせられ、覚悟と免疫もできました。そして逆にこの天才少年を恥じることなく堂々と応援していこう、という強い決意が湧いちゃったので、今思えばその出会いも不思議な導きだったのかもしれません…。(笑)
しかし、当然ながらそのようなつまらないことにエネルギーを注ぐよりも、「良い」ものを「良い!」と認めて生きていくほうが遥かに良いし、遥かに各選手たちのためになるかと思っています。
事実と違うことで攻撃しても、いずれ真実は多くの人の眼に明らかになっていくと思いますし、また、「好みでない」人たちはどこまでいっても単に「好みでない」「面白くない」だけなので、むしろ彼女たちにはお気に入りの選手の素晴らしさを声高に言うことのほうをお勧めしたいですね。
今までもずっとそうでしたが、フィギュアスケートを見る時には特に、何を言われても「自分の眼」と「感性」を信じて、「良い」と思ったものを「良い」と表現して伝え、他人の価値観や感性に振り回されたり動じない精神が鍛えられてくる側面があります。
フィギュアスケートの一番素敵な部分は、各選手たちの「個性」がそれぞれ最大限に発揮されている時で、そういう時に、個性の違いというのは本当に素晴らしく、誰一人として同じ人間がいないことはむしろ深い感動になります。
色々な選手のファンがいてこそ、各選手たちは頑張れるとも思いますし…。
(ただ、そのことと、他選手を貶めることは別モノですよね。羽生ファンも、会場で最大多数派になっても同様の過ちを犯さないように気をつけたいものですね。)
人間だから、色々な時があります。それは羽生選手も、他選手も、私たちも皆同様ですので、ゆうこさんのお言葉通り、ファンとしてはいつでも暖かく羽生選手を応援できるようでありたいですね!
本当にいつも心のこもったメッセージをありがとうございます!!