柱の多い平べったい部屋で
人々がざわめいていた
その時電話が鳴ったんだ
誰一人として電話に出ようとしなかった
誰も電話なんかに見向きもしなかった
僕はその電話が僕宛のような気がして
電話をとろうかと思ったんだ
だけど女性が電話に出て
さっさと用件を済ませて切ってしまった
正体不明の疲れに肩を落として
僕は川を越え橋の上をふらふらと歩いた
四角く明るい部屋が見えてきて
僕は甘い物を買った
雨音に耳を澄ませば
ノイズがうるさく聞こえている
ノイズがしつこく聞こえている
あまりにもノイズがうるさくて
僕は電話を確かめた
そのノイズこそが僕宛の電話だったんだ。
そこで僕は気が付いた
さっきのコンビニに傘を忘れた!
雨が降っていたというのに。