ベラミ(57)
Bel-Ami
(1885)
by Guy de Maupassant
——————————【57】————————————————
Et ils se mirent à marcher en se tenant
par le bras, avec cette familiarité facile qui
subsiste entre compagnons d' école et entre
camarades de régiment.
..——————————(訳)—————————————————
そして彼らにいつまでも心に残っている、こうした学
校時代の旧友の間柄や、軍隊仲間のよしみという気安い
馴染みから、ふたり腕組みをして歩き始めました.
——————————⦅語句⦆———————————————
se mirent à:(単純過去3複) < se mettre à + 不定詞
~し始める、~にとりかかる
marcher:(自) 歩く
en se tenant:(ジェロンディフ)
se tenir:(ある状態に)いる、ある、(状態を)保っている
par le bras:このフレーズは辞書不掲載だが、文脈から
推すと「腕を組んで」.確かめるため和仏辞典で
逆引きすると:marcher bras dessus, bras desous
もしくは:marcher se donnant le bras avec ~
もしくは:marcher en se donnant le bras avec ~
結局辞書を引いても分からなかったが、おそらく
marcher bras dessus, bras desousの別表現が
marcher en se tenant par le bras なのだろうと思
います.でも申し訳ないですが、もしも仏検で
「彼らは腕を組んで歩いた」を和訳せよ、という
問題が出たら:Ils ont marché bras dessus, bras desous.
にしておいて下されば安全です.これは『フラン
ス語表現辞典』(朝日出版)に載っていた文例です.
familiarité:(f) 親しみ、なじみ、親密、親しい態度
avec cette familiarité: こうした親しさで
facile:(形) 気安い、気軽な
subsiste:(直現3単)
< subsister (自) 存続する、残存する
compagnon:(m) [女性形はcompagne]、仲間、友だち;
camarade:(名) 仲間、同僚
régiment:(m) 連隊、[話] 軍隊