椅子直しの女(71)
LA REMPAILLEUSE
———————————【71】——————————————
Il reprit: « Donnez toujours, puisqu'elle vous en a
chargé; nous trouverons bien moyen de l'employer à
quelque bonne œuvre.»
..———————————(訳)——————————————
主人は言葉をついだ.「それでもやはりお金は渡して下さ
い.それをあの女があなたに委託したものなのですから.
私たちは何かいいことのために使う方法を見つけてみます.」
.———————————〘語句〙——————————————
reprit:(3単単純過去) < rependre (他) 言葉を続ける
言葉をつぐ、答える;本文では:以下が目的格補語
に相当するのだと思います.発話動詞でははっきり
目的語が示せないこともあり、自動詞と他動詞の
両面があるようです.たとえば挿入の場合:
«Oui, reprit-il, tu as tort.» 「そうさ」と彼は言葉をついだ.
「君は間違っているよ」
toujours:とにかく、いずれにせよ、それでもやはり
【文頭に来ると主語と動詞は倒置】
Si je n'ai pas réussi, toujours ai-je fait tout mon possible.
成功はしなかったが、とにかくできるだけのことは
した.
charger:(他) (に) 委託する、委任する
(に)…を負わせる、課す
œuvre:(f) 慈善事業
bonne œuvre となれば「慈善事業」にほぼ間違いない
意味になりますが、おそらく、これはシューケ氏の
まやかしの言葉で、「(自分たちに)いいこと」に使う
という下心のようです.尚、œuvre は辞書には
「仕事」「行為」「活動」とあります.