日本と世界

世界の中の日本

韓国は、妥協することを知らない社会だ

2020-12-08 16:18:30 | 日記
勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。


韓国は、妥協することを知らない社会だ。屁理屈をつけて敵味方に分かれ、自分の利益だけを主張して争うのである。その典型例が韓国の労資関係の悪化だ。

労働者のスト損失日数は日本の209倍にも達している。韓国労組は、些細なことでスト権を樹立してストを構える。スト権は、労組に認められた正当な権利である。

その濫用によって、韓国経済を蝕んでゆくのである。韓国企業は、すでに国外へ逃れて雇用を失う羽目になっている。

日韓対立も、この延長線にある。

韓国は、すぐに感情的になって対抗してくる。文大統領のように、「二度と日本に負けない」と段平を切ったが、現在は苦境に立たされている。「日本はかけがえのない大切な隣国」と歯の浮くようなお世辞を言って、日韓関係の融和を呼び掛けている

のだ。韓国に理性的な判断があれば、ここまで日本へお世辞を言わなくても済んだはずだ。

労使関係の悪化も、労組の理性的判断欠如がもたらした「国難」である。民族特性がもたらした落し穴と言うべきだろう。

『朝鮮日報』(12月7日付)は、「韓国の労働損失日数は日本の209倍、ドイツの10倍」と題する記事を掲載した。

韓国の争議行為(ストなどの集団行動)による労働損失日数が、主要先進国に比べてはるかに多いことが分かった。

韓国経済研究院(韓経研)は7日、韓国とG5(米国、日本、ドイツ、英国、フランス)の2008年から18年までの10年間の労使関係指標を分析した結果を発表した。

(1)「調査期間の「賃金労働者1000人当たりの年平均労働損失日数」は、韓国が41.8日、日本が0.2日、ドイツが4.3日、米国が6.7、英国が19.5日、フランスが40.0日だった。

韓国の労働損失日数は日本の209倍、ドイツの9.7倍、米国の6.2倍、英国の2.1倍に達する。韓経研は、韓国で労使紛争による労働損失日数が多いことについて、労使関係に対する国際機関の評価と相通じるものがあると分析した」

日本の年平均労働損失日数が、0.2日と飛び抜けて短いのも問題である。日本では事実上、ストがない状態だ。

これは、日本の平均賃金水準を引下げている大きな理由である。最近の日本経済分析では、個人消費の伸び悩みを指摘している。

それは、賃金水準が低い結果だ。韓国のようにストをやれとは言わぬが、ドイツ並みのストをする必要がある。

労組のスト自粛は、企業の内部留保を貯めるだけという弊害もある。日本の労組は、ドイツ並みのストを構えて、経営陣に緊張感を与える必要があろう。


(2)「世界経済フォーラム(WEF)による2019年の労使協力水準に対する評価で、韓国は141か国・地域のうち130位にとどまった。日本(5位)、米国(21位)、英国(24位)、ドイツ(30位)、フランス(92位)とは大きな差がある。

労働市場の競争力を総合的に評価するWEFの労働市場柔軟性評価でも、韓国は97位で米国(3位)、日本(11位)、英国(14位)、ドイツ(19位)、フランス(35位)に大きく水をあけられた」

WEFによる2019年の労使協力水準は、韓国が130位である。これは、韓国の労使関係の悪化を端的に示している。

「屁理屈をつけて敵味方に分かれ、自分の利益だけを主張して争う」結果である。これに、拍車を掛けているのが文政権である。労働市場改革とは逆であり、規制を増やして企業の自由度を奪っている。私の持論であるが、韓国経済は確実に衰退コースに嵌り込んだ。

(3)「過去10年間の平均労働組合加入率はフランスが8.9%、韓国が10.4%、米国が11.3%、日本が17.7%、ドイツが17.9%、英国が25.4%の順で、韓国は2番目に低かった。

しかし、労働組合加入率の10年間の推移を見ると、韓国は08年の10.5%から18年には11.8%と1.3ポイント上昇し、最も上昇率が高かった。

とくに18年の1年だけで1.1ポイント増加した。韓経研は「労組の社会的影響力の増大が労組加入者の増加につながった」と分析した。08年に比べ18年に労組加入率が増加した国は韓国のほかにはフランス(0.3ポイント)だけだった。それ以外の国は労組加入率が減少した」

韓国の労組加入率が10.4%と低いのは、組織労働者が大企業だけしか存在できないからだ。中小企業に労組が結成されないのは、労組の生産性を上回る高賃金要求に企業が耐えられない結果である。

つまり、韓国で高額賃上げ闘争に耐えられる企業は、寡占大企業しか存在できない異常な構造が原因である。

韓国経済の歪みは深刻だ。文政権には、そういう認識はゼロであり、さらに労働市場を規制しようとしている。

(4)「韓経研は、制度的な影響で韓国の労使協力や労働市場の柔軟性の評価が低かったと分析した。韓経研は「ほかの先進諸国とは異なり、韓国はストライキのときの代替労働を禁止し、事業場内での争議行為を部分的に認めている」として「不当労働行為について会社側だけを規制しているのに加え、刑事処罰まで科しているため、労使のバランスが悪く、労働者側に有利になっている」と指摘した」

労働者一人一人は弱者であるが、労組の結成で企業を上回る対抗力を身につける。

韓国政府は、労組による「集団権力」の過剰行使が、韓国経済を左前に追込む危険性を察知しなければならない。

それ故、労働市場の規制強化は諸刃の剣になる。韓国は、すでにその状態に入っている。企業の労働搾取は許せないが、労組の企業収益圧迫も異常である。生産性向上に見合った賃上げが理想型である。

75歳以上「医療費2割負担」結論持ち越し、政府と公明の溝埋まらず

2020-12-08 15:11:59 | 日記
75歳以上「医療費2割負担」結論持ち越し、政府と公明の溝埋まらず

2020/12/08 09:49
 
政府・与党は7日、75歳以上の後期高齢者が医療機関で支払う窓口負担の引き上げの対象範囲に関する協議を続けた。

政府と公明党の意見の隔たりは埋まらず、政府は7日に予定していた全世代型社会保障検討会議(議長・菅首相)の開催を、4日に続いて見送った。8日を目指していた最終報告の閣議決定もずれ込む見通しだ。


政府・与党はこれまでの協議で、窓口負担の1割から2割への引き上げ時期について、2022年10月以降に実施することを確認している。

しかし、対象範囲を巡り、厚生労働省がまとめた五つの案のうち、政府側は対象者数が2番目に多い「年収170万円以上」(約520万人)を求めているのに対し、公明党は対象者数が最も少ない「同240万円以上」(約200万人)を主張し、折り合っていない。

首相官邸で7日昼開かれた政府・与党連絡会議に出席後、公明党の山口代表は記者団に「かたくなに(年収240万円以上の案に)こだわっているのでは必ずしもないが、政府も当初掲げていたところからどうなるのかよく見えない」と語った。政府側の譲歩を条件に歩み寄る姿勢を示したものだ。

しかし、首相は現段階で、年収170万円以上の案から譲る構えを見せていない。首相は7日、首相官邸で自民党の二階幹事長、森山裕国会対策委員長と会談し、公明党との調整を急ぐよう指示した。

 
これに関連し、自民党の下村政調会長は7日夜のTBSのBS番組で、「自民党としては首相の考えに近づくよう公明党にお願いしている最中だ。タイムリミットは本来8日だったが、それを延ばして15日に(閣議決定)する予定で進めている」と語った。

韓国の高齢者10人のうち8人が年金受給なしか2万5千円未満

2020-12-08 14:43:18 | 日記

ハンギョレ紹介

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韓国の高齢者10人のうち8人が年金受給なしか2万5千円未満

登録:2015-09-24 21:30 修正:2015-09-25 06:30


「生活費」などの理由で61%が「働きたい」
 
高齢者10人のうち8人は、老後の所得の重要な役割をする年金を全くもらっていないか、月の受給額が25万ウォン(約2万5千円)未満であることが分かった。

貧弱な老後資金が原因で、仕事をする高齢者が増え続けている。


高齢者(55~79歳)の年金受領の現況(資料:統計庁、単位;ウォン、人)※国民年金、私学年金などの公的年金と基礎年金、個人年金などをすべて合わせた統計//

ハンギョレ新聞
 
統計庁が24日に発表した「2015高齢者統計」によると、今年55〜79歳の高齢者1183万4000人のうち、公的年金や個人年金を受給している人は532万8000人(45%)であることが分かった。

公的年金とは、国民・公務員・私学・軍人年金と65歳以上の高齢者に支給される基礎年金のことを言う。

年金をもらっている高齢者の中には、受給額が月25万ウォン未満の人が277万7000人(52.1%)で半分を超えた。

月25〜50万ウォン(約2.5~5万円)が132万7000人、50〜100万ウォン(約5~10万円)が58万5000人、100〜150万ウォン(約10~15万円)が19万4000人、150万ウォン(約15万円)以上は44万4000人と調査された。

早期老齢年金や個人年金などは55歳から受給できることを考えると、年金受給が可能な高齢者の78%は年金を全くもらえないか、年金をもらっていても受給額が月25万ウォン未満に過ぎないことになる。

年金などの老後の所得が貧弱な高齢者は働かざるを得ない。65歳以上の高齢者の雇用率は昨年31.3%で、最近15年間で最も高い数値を示した。

高齢者は「生活費を補うために」働くと答えた。高齢者の61%は働きたいと言っており、そのうち57%は「生活費」を理由に挙げた。

年金もあまりもらえず、仕事もできない高齢者は貧困層に転落した。

65歳以上の高齢者の相対的貧困率は、2008年の44.1%から昨年には47.4%に3.3%ポイント上昇した。

韓国の高齢者貧困率は、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で1位だ。

相対的貧困率とは、全人口のうち中位所得の50%を下回る人たちの割合を指す。

高齢者の貧困が深刻なレベルであるにもかかわらず、生計給与など政府が支援する65歳以上の基礎生活受給者は37万9048人にとどまっている。

高齢者の自殺率も深刻だ。

高齢者の自殺率は、1990年の人口10万人当たり14.3人、2000年は35.5人から2005年80.3人、2010年81.9人まで急上昇してから、減少傾向を示しているものの、昨年も55.5人で依然として高い状態だ。

高齢化は急速に進んでいる。統計庁の推計結果、今年65歳以上の高齢者は662万4000人で、全人口の13.15%を占めた。高齢人口の割合が14%以上になる高齢社会に近づいているのだ。

世宗/キム・ソヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2015-09-24 20:18

http://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/710380.html
 訳H.J
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95歳男「日本統治よかった」発言で殴り殺される 韓国ネットでは「死んで当然」「正義の審判だ」

2020-12-08 14:24:49 | 日記
95歳男「日本統治よかった」発言で殴り殺される 韓国ネットでは「死んで当然」「正義の審判だ」

2013年09月13日18時26分

韓国で、95歳の韓国人男性が日本統治時代を「肯定」する発言をしたところ、居合わせた男の怒りを買い、殴られて死亡するという事件が起こった。

「愛国心ゆえ」の犯行だと男は供述、韓国ネットユーザーなどからも擁護の声が上がる。あまりにも惨い事件に、日本では驚きが広がっている。

老人の杖を奪い、頭を何度も

ポータルサイトに配信された問題の記事のコメント欄。老人を「殺されて当然」とし、犯人を擁護する投稿が上位に入っている

韓国紙「世界日報」によれば、事件が起こったのは2013年5月のことだ。ソウルにある宗廟市民公園が、その現場となった。

同公園は観光スポットとして知られるとともに、近所に住む高齢者たちの憩いの場でもあり、多くの人々が青空の下、囲碁や世間話を楽しんでいる。被害者の朴さん(95)も、そうした輪に加わる一人だった。

そこにやってきたのが、黄被告(38)だ。彼は大量に飲酒しており、すっかり酩酊していた。この酔っ払いと朴さんが話すうち、その何気ない一言が黄被告の「逆鱗」に触れた。

「日本の植民地統治は、良いことだったとワシは思うよ」

朴さんがどのような点を「良い」と評価したのかはわからないが、なにしろ朴さんは95歳、終戦の時点でもすでに27歳だ。

日本統治の実態、そしてその後の韓国現代史を目の当たりにしてきたわけで、その発言には重みがあっただろう。

一方の黄被告は37歳、朴正煕時代すらほとんど記憶していない世代だ。

「なんだと!」

しかし、「愛国者」である黄被告は朴さんの発言に激怒した。

朴さんを蹴飛ばすと、その杖を奪い、怒りに任せて頭などを殴りまくった。朴さんは頭蓋骨や脳などに重傷を負い、治療を受けたものの死亡した。

傷害致死罪で逮捕された黄被告は「泥酔しており心神耗弱状態だった」と主張したものの、9月10日に懲役5年の判決を受けた。

「日帝を称賛した時点でジジイは犯罪者だろ」

驚くことに、韓国内ではこの黄被告への擁護論が少なくない。上述の世界日報からして「酒の勢いで愛国心の度が過ぎた」とやや同情的だが、さらにネット上では、黄被告を
「愛国青年」などと称し、

「そもそも日帝を称賛した時点でジジイは犯罪者だろ、殺されて当然」
「懲役刑? むしろ勲章モノじゃねえか」
「正義の審判だ!」
「裁判官は売国奴!」

などと殺人を正当化するコメントが記事に多数付けられている。

無論、「これが法治国家のやることか! 韓国はいつから歴史観が違えば人を殺していい国になったんだ?」と嘆く声もあるが、過激な意見の勢力が強い韓国ネット上では押され気味だ。

日本統治時代への評価をめぐっては、韓国では近年一部の研究者から近代化の進展などを重視し、部分的に評価する動きがある。

しかしこうした意見が反映された教科書が8月30日に検定を通過したところ、国内世論が沸騰、政界も巻き込む大論争に発展するなど、今なお「タブー」視は根強い。

韓国

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一人当たりの国民所得が増えても普通の韓国人が豊かになれない理由

2020-12-08 14:08:19 | 日記
一人当たりの国民所得が増えても普通の韓国人が豊かになれない理由

生活研究部 主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 金 明中

韓国における2018年の一人当たりの名目GDP(国内で1年間に生産されたモノやサービスの付加価値の合計額を人口で割ったもの)は31,370ドルと、ようやく3万ドルの壁を超えた。

朝鮮戦争が終わった時点の1953年の一人当たりGDPが66ドルであったことに比べると目覚ましい成長であり、2006年に一人当たりの名目GDPが2万ドルを超えてからわずか12年での成果である。

一方、2018年の一人当たりの名目GNI(国民が国内外から1年間に得た所得の合計額を人口で割ったもの)も31,349ドルに達している(出所:韓国統計庁ホームページ「Main Annual Indications(Bank of Korea, National Accounts」)。

一人当たりのGDPや一人当たりのGNI、3万ドルは一般的に先進国入りの基準として認識されてきたので、韓国はようやく先進国の仲間入りを果たしたといえるだろう。しかしながら、なぜか国民は所得増加をあまり実感していない。

その理由の一つとして国民所得の中には家計の所得だけではなく、企業や政府の所得も含まれている点が挙げられる。

つまり、国民所得から政府や企業の所得を引いて、税金や社会保険料などの支出を除いた総所得を人口で割った1人当たりの家計総可処分所得(PGDI:Personal Gross Disposable Income、名目、ドル基準)の1人当たりのGNI(名目、ドル基準、以下、1人当たりの国民所得)に対する比率は2017年現在55.7%で、2016年の56.0%より低下している。

また、1人当たりの国民所得の増加率が2000年から2017年の間に151%であったことに比べて、1人当たりの家計総可処分所得の増加率は122%で1人当たりの国民所得の増加率を下回っている。

国民所得の中で家計の所得が占める割合が減少していることが、1人当たりの国民所得が増加しても国民が所得増加を実感しにくい一つの理由になっていると考えられる。

一方、韓国経済は貿易への依存度が高く、輸出額に占める大企業の割合が高いことも一般国民が所得の増加を実感できない一つの理由ではないかと思われる。

例えば、2017年の対GDP比貿易依存度は68.8%で、日本の28.1%を大きく上回っている。

さらに、企業数では0.9%に過ぎない大企業の輸出額が輸出総額に占める割合は66.3%(2017年)に達している。

大企業で働いている労働者は輸出増加により企業の利益が増えると、成果給が支給されるので、景気回復を実感しやすいものの、輸出に占める割合が低い中小企業に従事している労働者は所得の増加を体験する可能性が低い。このような点を含めて、現在韓国社会は二極化が進んでいる。

文在寅政権は、2017年の大統領選挙時に雇用創出や格差是正などの解決を公約として掲げて、最低賃金の大幅引き上げや残業を含む労働時間の上限を週68時間から52時間に短縮するなどの改革を実施した。

しかしながら、あまりに急な改革は社会にひずみを生み、非熟練労働者が多い卸・小売業、飲食業、宿泊業の雇用量が減っている。

2019年第3四半期の全体失業率と若者の失業率はそれぞれ3.3%と8.1%で、前年同期の3.8%と9.5%と比べて、少し改善されているものの、雇用の質は改善されていない。

つまり、最近の失業率の低下は、政府の財政投入による公共事業や福祉、サービス業における高齢者の短期雇用の増加が、影響を与えている可能性が高い。
実際、製造業や働き盛りの30~40代の雇用者数は、継続して減少している。

さらに、韓国統計庁が2019年10月29日に発表した「2019年経済活動人口調査勤労形態別付加調査」によると、2019年8月時点の非正規労働者の割合は、2007年3月(36.6%)以来の高い水準である36.4%にまで上昇していることが明らかになった(2018年8月は33.0%)。

雇用が減少し非正規労働者が増加すると、今後所得格差が広がる恐れがある。

韓国統計庁が11月21日に発表した「2019年第3四半期家計動向調査」によると、所得が最も低い所得下位20%世帯(第I階級)の「1カ月平均所得」は、政府等からの移転所得が増加(対前年同四半期比11.4%増)したことにより、対前年同四半期に比べて4.3%も増加した。しかしながら、所得下位20%世帯の「1か月平均勤労所得」は44.8万ウォンで、同期間に6.5%も減少している。

一方、所得が最も高い所得上位20%世帯(第Ⅴ階級)の「1カ月平均勤労所得」は同期間に4.4%増加している。政府からの移転所得がなかったら所得格差はさらに広がっていたと考えられる。

また、2019年2月26日に経済正義実践市民連合(以下、経実連)が発表した調査結果によると、サムスン、現代自動車、SK、LG、ロッテという、いわゆる5大財閥グループ(以下、5大グループ)の土地の帳簿価格(会計上で記録された資産や負債の評価額)は2007年の23.9兆ウォンから2017年には67.5兆ウォンへ、43.6兆ウォンも増加していることが明らかになった。

5大グループが保有している土地資産の帳簿価格は10年間に2.8倍も増加し、同期間における売上高の増加倍数2.1倍を上回っている。

物価上昇等を反映した公示地価と実際の取引価格が帳簿価格を大きく上回っていることを考慮すると、土地の取得により企業が得ている利益はさらに大きいと考えられる。

さらに、地域間の格差も広がっている。人口は首都圏に集中し、過疎化が進む一部の地域の高齢化率は40%近くまで上昇している。

外国人の投資もソウルを中心とした首都圏や一部の地域に偏り、財政力指数も地域間で大きな差を見せている。

持てる者と持たざる者の間の意識の差も広がっており、文在寅政権を支持する層と支持しない層もはっきり分かれている。

つまり、現在、韓国社会は経済や地域や意識などの多様な分野で二極化が進んでいると言える。

韓国政府が、家計の可処分所得の増加と国民の所得増加に対する満足度を高めるためには、大企業や貿易に偏っている現在の経済システムを変え、中小企業を育成すると共に、内需を活性化する対策を行わなければならないだろう。

また、韓国社会に広がっている様々な二極化を解決し、皆が望む公正な社会を実現するために、どのような政策を優先的に実施すべきなのか等、継続的に議論を行い実行していく必要がある。