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映画『パラサイト 半地下の家族』をネタバレ考察!ラストはどうなる?

2020-12-25 18:24:10 | 日記

映画『パラサイト 半地下の家族』をネタバレ考察!ラストはどうなる?“格差社会”がテーマ?【ネタバレ解説】

 

ただの映画好き

Junya Watanabe | 渡辺順也

 
映画『パラサイト 半地下の家族』衝撃のラストや散りばめられた伏線、含まれた意味とは?ネタバレありで徹底考察!

第92回アカデミー賞でアジア勢初の作品賞受賞という快挙を成し遂げた『パラサイト 半地下の家族』。

何回観ても面白い名作ですが、観れば観るほどその構成の見事さや伏線の鮮やかさが分かります。

今回は、そんな本作を掘り下げてネタバレありで考察してみたいと思います。

ちなみに本作の監督であるポン・ジュノ氏は公開当初ネタバレしないようお願いしていたので、初見の方はネタバレなしの記事をご覧ください。

※本作を未見の方は、観てから読むことをオススメします。

パラサイト 半地下の家族』あらすじ

“半地下住宅”に暮らす貧しい4人家族のキム一家。

ある時長男ギウの友人ミニョクが自分が留学中に家庭教師を代わってほしいとバイトの話を持ってくる。

向かった先は高台にある豪邸のパク一家。

 初日に母娘の信頼を勝ち取り、見事家庭教師の職を得たギウは、パク家の息子ダソンに紹介したい家庭教師がいると巧みに持ちかける。

そして連れてきたのはジェシカと名乗る妹のギジョンだった。

 ダソンの美術教師になり母の信頼を得たギジョンは次にある仕掛けをする。徐々にパク家に取り入っていくキム一家。この二つの家族に待ち受けている衝撃の展開とは……。

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※以下、ネタバレを含みます。本作を未見の方は、観てから読むことをオススメします。

前半はコメディ、後半はサスペンスな変化球ジャンル

冒頭のWi-Fiを求めて家中をうろつく兄弟の姿からして、もう面白い。

あの一連の流れで、貧しい一家なんだということがよく分かる。

それに、友人のミニョクが訪ねてきた際、酔っ払いに対してビシッと言ってのけるミニョクに比べ、どうにもパッとしないキム一家の対応。

 これだけでこの一家の憎めない感じが何となくつかめてしまうし、頑張ってもらいたい気分になってくる。この辺りの演出がとても上手いんです。

それがあって、キム家の面々が見事な手際で信頼を得てするするとパク家に潜り込んでいく様は、もう痛快で爽快! 特にやんちゃなパク家の末っ子のダソンをギジョンがあっという間に手なずけてしまうシーンはもう爆笑モノ。ちょいちょい使われる変な英語もシーンごとに笑いを誘います。

ところが軽快なテンポで進む前半のコミカルな展開も、あるシーンから変わります。

全員が無事に(?)パク家に使用人として入り込んだキム一家は、ある日パク一家がキャンプに出かけたのをいいことに、豪華なリビングでどんちゃん騒ぎを始めます。バレたらまずい状況に、ピンポーンという呼び鈴。雨の夜にその訪問者が来たことで、一気に後半が動き出します。

コミカルだった前半と違い、歯車が狂い出し、先が見えないサスペンス的な怖さで、後半がスピーディーに動き出します。

後半を説明する前に、『パラサイト 半地下の家族』を取り巻く情報も見ておきたいと思います。

半地下って何? ソウルの住宅事情

東京より家賃が高いとも言われるソウルでは、一般的な住宅とは別に半地下(パンジハ)と呼ばれる格安物件があります。

集合住宅の半地下部分にある住居で、日当たりが悪く夏は蒸し暑くすぐりにカビだらけになってしまい、天井も低くまっすぐ立てない場所もあるような劣悪な環境で、トイレも逆流しないように高い位置に設置れています。

そもそも何でこんな物件があるのかというと、韓国独自の事情があるようです。

南北朝鮮の対立が激化し、テロ事件が相次ぐようになったソウルでは、1970年代に防空壕として半地下が設置されるようになりました。

その後1980年代の住宅危機に住宅としての使用が認められ、近年の家賃高騰化によって多くの人が月5万円程度の半地下に住んでいるそうです。

キム一家が住む半地下は、まさにこの物件。

低所得層の象徴のように描かれています。

パク家の人たちが度々“臭い”のことを口に出します。

パク家の主人は運転手であるキム家の父の臭いがいつも気になり、息子ダソンはジェシカ先生も同じ臭いだと言います。

ギジョンが言うように、それこそが染み込んでしまった半地下の臭いであり、貧乏人の臭いなのです。

半地下に住むキム一家に対して、高台の豪邸に住むパク一家。同じ4人家族ですが、その暮らしぶりは天と地ほども違います。

ポン・ジュノ監督は、いつもその時代の社会情勢を映画に盛り込んできます。本作で監督のメッセージとして感じるのは、格差社会に対する問題意識です。

その背景を少し説明すると、韓国はものすごい競争社会で、その原因は強すぎる財閥構造とも言われています。

財閥の大企業か公務員という狭き門に就職するために受験戦争も激しく、そこから漏れてしまうとなかなか這い上がれません。

若者の5人に1人が実質失業者とも言われる失業率の高さも社会問題になっています。

そう、キム一家はあんなにスキルが高いのに全員失業中なんです。

(宅配ピザのダンボール作る内職はしていますが)家庭教師を難なくこなし、証明書を軽く偽造してみせ、安定感あるドライビングテクニックを有し、豪邸の家事を一手に引き受け切り盛りしてみせる人たちです。

そのスキルを持って金持ちのパク家に寄生(パラサイト)していきます。

格差を際立たせる“タテの構図”

今回この映画でとても象徴的に使われていたのが“タテの構図”です。

高台と半地下、リビングのソファーの上と下、ベッドの上と下、そして地下へと続く階段……。パク家は上で、キム家が下にいる構図が繰り返し出てきます。

ポン・ジュノ監督が以前にアメリカで製作した映画『スノーピアサー』も、貧富の差をテーマにしていた作品でしたが、こちらは完全に横スクロールの構図でした。列車の中をひたすら横に進んでいきます。

本作とは同じようなテーマを扱っていながらジャンルも構図も違うので、そういう視点を持って観てみると面白いかもしれません。

そして、この“タテの構図”をことさら強調させるのが、あの雨です。

高台から低地へと流れる雨、その雨は豪雨となり、滝のような勢いで半地下へ流れ込んでいき、低所得層の居住地を破壊していきます。

地下室の衝撃!

本作で最大のネタバレは、やはり雨の夜にパク家に訪れた元家政婦によって知らされることになった地下室の存在です。 しかもそこに元家政婦の夫が住んでいるなんて!

この豪邸の前の持ち主の時から家政婦だったこと、人の倍は食べると言われていたことなどの伏線が効いていて、家の中のことは誰よりも詳しく、定期的に食料を地下に運んでいたことが分かります。

それに地下に住んでいる理由が、借金取りに終われ行き着いた場所ということで、キム一家からすると自分たちよりも下の立場の人間が急に現れることになります。

パク家とキム家、金持ちと貧乏人、高台と半地下という二重構造でやってきたのに、ここでまさかの地下室というさらに下の層が登場することで、この物語の深みがグッと増し、前述の“タテの構図”がさらに強調されます。

地下室へ続く階段がとても長い! さらにあの階段を何往復もして上下の移動を際立たせます。

そして、そこから大雨の中を高台から低地へ滝のように下へ下へ流れる雨水とともに水没した半地下の家に帰ることで、この格差がことさらに強調されています。

パク一家が急に帰宅することになり、元家政婦を階段の下へと蹴り落とし、その夫を縛り上げ、間一髪ソファの下に身を隠すキム一家。

見つかるんじゃないかとハラハラとしながらも、ソファの上で悠々といちゃつくパク夫婦とソファの下で戦々恐々と息をひそめるキム一家の差にブラックな笑いが込み上げます。

この一連のシーンでもう一つ気になるのは、ジャージャー・ラーメン! パク一家が帰宅する際に留守番役の家政婦の母チュンスクに作るよう指示して料理ですが、これがとても美味しそう! 韓国ではチャパグリと呼ばれる誰もが知るインスタント麺のアレンジメニューなんだそうです。

大雨の中、間一髪逃れることができたキム一家は翌日パク一家の末っ子ダソンの誕生日パーティの準備に駆り出されます。そしてこの誕生日パーティがラストの大舞台となります。

パーティの途中、意を決したキム家の長男ギウは地下室に下りますが、持っていた水石を落としてしまったことから、地下住人の夫グンセの逆襲をくらい、水石で頭を強打され気絶します。

さらに包丁を持ったグンセはパーティに乱入し、誕生日ケーキを運んでいたギジョンを刺してしまう。それをとっさにかばおうとした母チュンスクは、BBQの串でグンセを刺し返し会場は大パニックに。

その場から気絶したダソンを運び出そうとパク社長がキム家の父ギテクに投げさせた車のキーが倒れたグンセの下に落ち、それを取ろうとグンセに近づいたパク社長はその臭いに顔をしかめる。その一瞬の表情を見たギテクは、あろうことかパク社長を刺してしまうのでした……。

ラストの大舞台では、わずかな間に次々と人が死んでいく壮絶な展開を迎えます。

後日、有罪判決を受けたキム一家ですが、長女ギジョンは死亡し、父ギテクはいまだに逃亡中なのだということが分かります。

そしてあの豪邸を遠目から観察していたギウはある日、モールス信号によって父ギテクがあの地下室にいることを知ります。そこからギテクは、いつかこの豪邸を買い取り父を解放する計画を立てるのでした。

ここまでネタバレありでストーリーを見てきましたが、ここからはこの映画のポイントや、そこここに散りばめられたキーワードについて見ていきましょう。

実は90%がセット!

この映画の舞台はほとんどキム一家が暮らす半地下と高台の豪邸なのですが、その両方ともが精巧に作られたセットなんです。

半地下の家は、その周辺の路地裏も含めてなんと全てセットなんだとか。家の中の小道具から壁のシミまで、生活感ある美術も含めてディティールがすごい。

パク家の豪邸もセットじゃないのは家の前の通りくらいなんだそうです(笑)ディティールの美術もそうですが、全く違和感なく見せられるCGなどの技術力の高さがすごい。そしてこんなにもセットに予算をかけられる韓国映画の体制がすごい。


【時論】韓国、日本を甘く見れば大変なことになる

2020-12-25 17:31:14 | 日記

【時論】韓国、日本を甘く見れば大変なことになる

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.03.18 07:44

 2019年1月に慰安婦被害者の金福童(キム・ボクドン)さんが死去した。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領は弔問し、歴史を正すことを忘れないと述べながら、残りの方々に道理をつくすと伝えた。

しかし「歴史を正す」という言葉を慰安婦被害者だけにしてはならない。

『懲ヒ録』の柳成龍(ユ・ソンリョン)と15世紀最高の外交官・申叔舟(シン・スクジュ)に向かってもそのような言葉を述べることができなければいけない。

2人は韓日間に永遠に適用される外交指針を残したからだ。

『乱中日記』の李舜臣(イ・スンシン)とは違い、柳成龍は『懲ヒ録』の最初の部分で壬辰戦争の前史を通じて戦争責任の相当な部分が朝鮮にあると主張した。

柳成龍は『懲ヒ録』を始めながら成宗に残した申叔舟の遺言に言及した。

「我が国は日本との和平を失うべきでない」という部分がそうだ。

普段から隣国と和平を維持することが、過去の過ちを懲戒して後難に注意するという懲ヒの核心だと見たのだ。

柳成龍はこの遺言を紹介した後、日本使節の朝鮮側使節派遣要請とそれに対する朝鮮側の無対応、豊臣秀吉が送った使節・宗義智の外交努力、秀吉の憤怒と屈辱を書いている。

柳成龍は秀吉の憤怒と屈辱が壬辰戦争の主な原因の一つになったとみて申叔舟の遺言に言及したに違いない。


申叔舟の遺言は彼が死去する3年ほど前、成宗に捧げた『海東諸国記』の序文の要約だ。

申叔舟は序文で日本を隣国と呼びながら次のように書いた。

「交隣と聘問は風俗が他国を慰めて応接することであるため、必ずその実情を把握してこそ礼を尽くすことができ、その礼を尽くした後でこそ誠意を尽くすことができる…。

(日本は)習性が強く、荒く、武器をうまく扱い、船に乗ることに慣れている」(ホ・ギョンジン訳)。


交隣は隣国との交際であり、聘問は礼を尽くして他人を訪問することだ。

交隣と聘問は相手の実情を知るところから始まる。

実情を把握してこそ礼儀と誠意をつくすことができる。

申叔舟が見た日本人の習性は「強くて荒い」。このため慰撫の対象だ。

なだめる時に道理に基づいてすれば礼で答え、そうでなければ略奪するということを綴っている。

今は文明が発展し、国際関係がさらに緊密になったため、礼儀を少し破ったからといって侵略することはないが、日本は依然として武装と海軍力で優れていて国際情勢に明るい。

韓国政府の慰安婦合意破棄、韓国最高裁の強制徴用賠償判決、韓国駆逐艦の日本哨戒機レーダー照射問題などに対し、日本の市民さえも国家間合意破棄、国際法違反と見て不快感を抱いているようだ。

特に一人一人の請求権を救済した韓国最高裁の判決は、1965年の韓日請求権協定の効力を無効にし、韓日国交正常化の根幹を破壊するものと見ている。

韓国の反日感情は文化的に深く根付いているようだ。

一般市民はもちろん保守・進歩と関係なく簡単に反日感情に染まる。

問題は反日感情が過剰なら対日関係において計算力が毀損され、日本の賢い政策に対処するのが難しくなる。


日本は決して甘く見る相手ではない。北朝鮮への対応も難しいが、日本までが韓国を敵対視すれば韓日米の安保連携までも崩す致命的な敗着になりかねない。

もし米国の東アジア防衛ラインで韓国を除いた新アチソンラインが引かれれば、解放後70年間ほど自由主義文明の中で我々が成し遂げた発展は水の泡となり、死よりひどい隷属の道を歩くこともあり得る。

戦争の可能性を1%でも低めたければ、反日感情というパトスが国際法というノモスを犯すようにしてはいけない。
ホ・ウソン/慶煕大名誉教授/リセットコリア諮問委員

コメント

韓国は自国の国力・国際的評価を日本と同列に見ている。

韓国の国際的な評価は日本のはるか下である。