ICUROK!!

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地震・雷・火事・親父

2009年09月09日 21時29分41秒 | 映画
何かとついつい更新をサボってしまうのは良くない癖だ。

先日「96時間」を観てきた。

本作は、あの悪名高いリュック・ベッソン様が製作だ。個人的な感情と好みの問題だが、この名前がある作品はなるべく避けて通りたいと思っている。しかし、本作は「旅行中に人身売買組織にさらわれた娘を、元腕利き諜報員の父ちゃんが単身敵地へ乗り込み救出に向かう」というあまりにも潔い設定と、そのライバックな父ちゃん役にクワイ・ガン・ジンじゃなくて、リーアム・ニーソンが充てられている点に着目せねばなるまい。これは、観に行くしかないじゃないか。

さて、内容だが毎度お馴染み、なるべく…、あ、もうネタバレしちゃったな!え?分らなかった?

よし、忘れてしまった人にもう一度だけ言うぞ。「旅行中に人身売買組織にさらわれた娘を、元腕利き諜報員の父ちゃんが単身敵地へ乗り込み救出に向かう」ストーリー。つまり、「コマンドー」または「暴走特急」もしくは「ICHIGEKI/一撃」ということだ。(接続詞について法律の知識があるからといってとやかく言わないように。)

さあさあ、この流れは断ち切ろう。この作品は思わぬ拾い物になった。普通に面白いじゃないか!もう予想通りの王道を行くアクション映画だよ。

とにかく主演のメイトリクスを演じるリーアム・ニーソンが格好良い。リーアム・ニーソンといえばダークマンやクワイ・ガン・ジンのイメージだったのだが、最近「マイアミ・バイス」第3シーズンの悪役を演じる彼を観てから再び痺れてしまったのよ。それで本作のケイシー・ライバック並みの活躍を目の前にしちゃ、映画館から出た瞬間、自分まで強くなったような錯覚を覚えるわな。
リーアム父ちゃんは本当に容赦が無い。笑えるほどに一騎当千。冒頭のコンサートで警備のバイトをするシーンから元コマンドーっぷりを発揮。そして、愛する娘がさらわれる瞬間になると、携帯電話で「一瞬で敵の特徴を判断して叫べ」とか、プロフェッショナルに魅せる演出が堪らない。「必要ならばエッフェル塔も倒す」などという、本当にこいつならやりかねない感じの台詞もグッド。
そして、無駄の無いコンバットシューティングで確実に獲物を仕留め、敵にナメられ怒り爆発しようものなら、即席拷問セットを使用し、死んでる相手にも全弾打ち尽くす。素手でも怖いものなし。地味に痛い箇所を握りこぶしで突きまくり、喉を手刀で極めて、ナイフ戦術だってお手の物。まったくタフすぎるぜ!
初めは強すぎて笑えるのだが、最後は敵が哀れになってくるという、セガール映画にお馴染みの逆転現象が、この映画にも起きるのだ。

曹操、じゃなくて、孟徳、じゃなくて、そうそう、…クドい!離婚した妻の役で、オナトップことファムケ・ヤンセンが出ていたな。初めは地味すぎて気が付かなかったよ。幅広い役が出来るんだなと、素直に感心した。あと、再婚した夫を「T2」でT-1000に牛乳を飲んでいるところを殺され、今や「24-TWENTY FOUR-」の良い人じゃねーか枠でブレイクしたザンダー・バークレイが演じている点も見逃せない。

全体的なアクションだが、カット割がやや細かく見難い点もあったが、そこそこ良く出来ていた。可もなく不可もなく、とても王道な撮り方をしていたと思う。ストーリーがお約束だけに、初っ端から電話越しに敵を威嚇するシーンや、狭い室内での多人数相手の格闘、車が壊れるほどのカーチェイスでも平気だったり、捕らわれたリーアム父ちゃんを手錠で括り付けていた配管が異常に脆かったりなど、思わずニンマリしてしまう場面が多々あって好感が持てた。
一方で、難を言えば、あまりにも王道過ぎたのが仇となり、やや面白味に欠けたことだろうか。先述したが、類似の映画は山ほどあるわけで、人身売買設定では実の娘ではないが、セガール先生の「ICHIGEKI/一撃」なんかが該当する。とはいえ、こうした内容を望んで観に行くわけだから、これ以上あれこれ言うのは止めようぜ。

総括すると、無難に楽しめる作品なのではないかと思う。頭の中をカラッポにしてスカッとしたい方、思い切り笑って最後に悪役を哀れみたい方などにお勧めする。

そういえば、今回もレイトショーだったのだが、以前も書いたけど、やっぱりあの映画が終わった後の雰囲気はいいよな。劇場に住んでいるような気分になる。その後、一瞬で現実に引き戻されるのが最高に鬱になるのだが…。