ICUROK!!

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ボンド君成長記2

2009年01月25日 19時00分18秒 | 映画

中身のない戯言続きの毎日を反省します。久々に映画の話です。適度にネタバレするので容赦願います。

さあ、とうとうやって来た、007慰めの報酬。大成功に終わった前作カジノロワイヤルの続編である。前作で愛する者を失ったボンドが、その背後にある巨大な組織に迫っていくという内容だ。復讐と任務の間で揺らぐ心。ボンドは007としての決意を見出していく。ストーリーは消されたライセンスに通ずるものがあるね。
本編を観る前に、素晴らしいと思ったのは時間である。シリーズ最短1時間46分。前作が長すぎた気もするので、スピード感あるまとめ方に期待をしていた。

さて、本編。前作同様、シリーズお馴染みのガンバレルのシーンは出てこない。しょっぱなからハイスピードのカーチェイス。ここはシーンの入り方がかっこよかったな。流石時間が短いだけあって飛ばしてくる。車が回る、ぶつかる、吹っ飛ぶで大忙し。アストンマーチンもったいねえ。カーチェイスが終わり、いよいよガンバレルが出るかと思えば曲に行ってしまう。
そして、カーチェイスとタイトルが終わりひと段落と思ったのもつかの間、今度は追いかけっこである。今作はダニエルボンドの体育教師っぷりが全開だ。追いかけっこシーンが多く、前回の追いかけっこを遥かに上回る身のこなしをしている。とにかく走る。中盤なんかお前はジャッキーかと突っ込みたくなってくる。お次は前作同様、変なガジェットに頼らず体当たり。殴るわ蹴るわ、肉弾戦の数も多い。ひょっとしたら銃撃戦よりも多かったか。パンチの重いジョージ・レイゼンビーも真っ青である。ダニエル・クレイグは本当に良い体をしているよ。リアルさに徹したボンドは大いに評価できる。
カーチェイスの次は、バイク、ボート、飛行機と、もう何でもござれである。興奮しておしっこちびりそうだ。前作でシリアスなシーンが多かった分、アクションをこれでもかとぶち込んでくれている。そういえば今回のボンドの銃はポスター通り終始PPKだったが、次回作はどうなるのだろう。P99に戻るのであろうか。前作ほど銃の描写への拘りは無い様に感じた。
また、本作は敵の設定が好きだった。今回のボスであるドミニク・グリーンを演じるのはマチュー・アマルリックというお方。環境ビジネスを隠れ蓑に、資源を確保して利権の搾取をしようと暗躍する。皮肉たっぷりだね。そこには世界各国の重鎮たちも名を連ねており、巨大な組織の全貌が少しずつ明らかになるのだ…。って具合で、今回はホワイトカラーがボスである。ラストのマチューさんのぶち切れ方が最高!情けないったらありゃしない!必死の形相で「にゃー」だの「ふにょー」だの(言っていたかどうか定かではないが)、手近の鉄パイプや斧を振り回す姿は相当笑える。戦闘のプロのボンドも、この素人の不規則な攻撃には一瞬しどろもどろしているのが堪らなく可笑しい。
そうそう、孟徳。はいはい。ボンドガールの話もしなければな。ボンドと同じく復讐に燃える女カミーユを演じるのは、オルガ・キュリレンコ。カミーユが女の名前だなんて馬鹿にしちゃあいけないぜ。女なんだから。キュリレンコちゃん、キッとした顔が堪らなくセクシーだよ。それでいて弱気になった顔もとても可愛い。もう一度言おう。キュリレンコちゃん!きゅうりれんこんちゃん!ズモモー!エロい!からしがたっぷり!お味噌をつけて召し上がれ!ビーッチ!ズモモー!いかん、理性を取り戻さねば…。もう一人のボンドガールはジェマ・アータートンという人だそうだ。この人はね、背中がエロいのよ。肉付きがたまらん。で、お約束どおり、ボンドが初めにセックスする相手となって、殺される。そんで、この殺され方がゴールドフィンガーへのオマージュなんだなあ。思わずニンマリ。
さて、敵を屠り、過去とのしがらみを断ち切り、新たに007として宿敵に向かう姿で劇は終了する…。ここでついにガンバレルのシーンが!うおおおおお!ダニボンのポーズって普通だよな。片膝で撃て!片膝で!そしてボンドのテーマが流れる。本当にじらすのが大好きなんだからっ!James Bond Will Rerurn!

まあ、そんなこんなで、スピード感たっぷり、アクション満載のリアルな大人ボンドだったわけだ。しかし、しかしである…!これからとても偉そうなことを述べるので、先に謝っておこう。ごめんなさい。
前作の1時間後のストーリーということで、前作を観ていないと確実に楽しめない作品であるのは辛いところ。また、テンポが良いのはかまわんが、複雑な組織関係をもう少し丁寧に描いて欲しかった。油断をしていると置いてけぼりにされる。人間関係の描写もどうしても前作と比べてしまう。アクションを詰め込みすぎて、ストーリーがおろそかになった典型かもしれない。
では、そのアクションに目を移そう。スピード感のあるアクションはカット割りを細かくしたり、クローズアップを多様するだけでは駄目だと何回言えば分るのだ(ここで言っていても仕方がないのだがね…)。これも前作と比べてしまうと見劣りする点である。マーティン・キャンベルはやはり職人である。アクションの見せ方が上手い。こうして見比べることでよく分かる。一体何が起きているのか、一度観ただけでは分らないようなシーンが多い。編集の目線からでしかシーンを構成できていないのである。完全な私の好みの問題かもしれないが、アクションを引きで撮れない監督は駄目である。まあ、本作の監督マーク・フォースター氏はアクション初めてらしいので、よくやった方だよな。良いシーンも結構あったわけだからあんまり責めたらいかんよね…。
それから、音楽。なんだか今回は全体的にとてつもなくイマイチなのだが…。どうしたデビッド・アーノルド。ホワイトストライプスのあんちゃんのオープニング曲も拍子抜け。どうしようもねえ。まったく盛り上がらない。

ってなわけで、久々に長々と書いてしまったが、ダニエルおじさんの007はずっとこのリアルでシリアスなムードのまま続けて欲しいところ。未だにファンの間では賛否両論なようだけど、私は体当たりで007を演じているダニボンが大好きである。残念ながら今回はどうしても前作の衝撃と比べてしまうので、ついつい見劣りしてしまった。また、個人的に期待度が高かった分、拍子抜けしてしまい劇場を出ても爽快な気分に浸れなかったのも残念であった。こういうことにならないように最近はなるべく映画の情報は最低限のみ仕入れることにしているのだが、なかなか難しいものだね…。
しかし、そんなことを言いつつも、M:I-2の悪夢再びで、もう一回観ようとしている自分がいる…。まあとにかく、敵の組織も見えてきたところで次回の展開に期待。重要なあの人も逃亡したままだしね。もっと走って、ぶん殴って、ジャンプして、撃ちまくる人間臭いボンドを見せておくれ。

あ、そんなことより、いい加減レッドクリフを観に行かないとな…。


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