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全体のグリーンの配色について
■二次元の色を立体で表現する難しさ
今日は、今回の「レトログリーン」のテーマでイメージされるグリーンの表現について書きます。
当時の印刷物で見られる「緑のゴジラ」ですが、多くは明らかにモノクロ写真に印刷製版の段階で緑(CMYKで言う所のシアン100%イエロー100%)を乗せて刷られている事がわかります。ただ、ムック本等で見られる資料としての紹介の写真では、一度印刷されたものをデジタルでスキャンしてから新たにまた製版されたものなので、完全ではないものもあるようです。
いずれにしても40年代当時のこれらの元となる写真は、撮影時のライティングでグレーに見えているゴジラの写真を使っているので、緑を乗せる事で影になる所や暗い部分は黒に近い緑で、明るい部分はほとんどそのまま緑に見えます。ですから見た目全体としてはグリーンに見えてはいるものの、(印刷技術の古さもあって)明るい緑ではなくやや暗い感じの緑に見えています。それが古さを感じさせています。
今回それらの色にして商品化するにあたって、レトロタイプソフビのような配色や塗装の仕方では明るくなり過ぎてしまうので、その辺もこだわって配色や塗装の仕方を検討しました。
成型色はやや暗めのビリジアングリーンです。その上に部分的にツヤ消しでやや薄めのモスグリーンをスプレーする事にしました。
全体のイメージから考えると成型色をシンプルな深緑や暗めのモスグリーンも考えられましたが、それに薄めのモスグリーンで塗装すると明らかに沈んだ感じになり、商品としてはあまりにも印象が暗くなり過ぎてしまいます。「緑のゴジラ」というよりは「黒と黄緑の中間のゴジラ」に見えてしまうのです。
そこで選んだのがビリジアングリーン。実はこれは以前発売した「ビオゴジ 芦ノ湖戦バージョン」とほぼ同じ色です。上にスプレーしている色の違い(塗装の仕方も違う事もありますが)で、ほとんど同じ成型色なのに同じに感じさせないのがわかっていただけるかと思います。
スプレーしている薄めのモスグリーンも、何度も調合、失敗を繰り返してできた色なのですが、スプレーしている箇所に応じて強弱を変えて濃い部分と薄い部分と塗り分けました。さらには微妙にもっと薄い色も作り、それも部分的に重ねて塗る事で立体感を強調してみました。
二次元の色を立体で表現するのは難しさもありますが、ある程度は「チャンピオンまつり世代」の人達が子供の頃に抱いていたイメージの「緑のゴジラ」を表現できたかと思います。配色に関してはテーマ的に一番力を入れた所ですので、このこだわりにも注目していただけると嬉しいです。