岐阜県土岐市の駄知町にやって来た目的は、もう一つありました。
それは、以前から気になっていた、この写真の場所を確認することです。
(「東農鉄道駄知線」より)
この建物は、1974年(昭和49年)に廃止された東農鉄道駄知線の駄知駅です。
右側に懐かしい電話ボックスと郵便ポスト。左端には3人のファミリー?が写っています。女性が指さしているのは、時刻表でしょうか。男性は頭をかいています。この3人、乗り遅れたのかもしれませんね。そんなことが想像される、おもしろい写真です。
駄知線が廃止されたのは、もう50年近く前のことで、駄知駅の駅舎はすでにないそうです。手がかりは、と写真をよく見たら、ありました3点。それは、
右端に枝を張った大きな木。その下に縦長の石柱。その右にぼんやりと見えているのは社の屋根ではないでしょうか。
「まだ残っているかも知れないなぁ…」
さっそく、グーグルのストリートビューで、駄知駅があったあたりを見たら、
「あった!!」
千古乃岩(ちごのいわ)酒造の裏に、大きな木と社!
だち窯やまつりに来た日、窯めぐりのあと千古乃岩酒造に行ってみました。
ここですよ、酒蔵は。
右奥に大木の枝を確認し、お店にin。
ずらっと並んだお酒。下段左の2本、にごり酒としぼりたて生酒をいただきました。ここのお酒、ぶ厚い粘土層に濾過された超軟水を仕込み水に使っているとか。期待できます。
支払いの際に、御主人に写真を見せると、お店の裏へ案内してもらえました。
「ここです、ここです!!」
あの写真の撮影場所に立って、パチリ。
右に石柱、その奥に社、右端に大木。駅舎はやはり、なくなっていました。
近づいて、石柱と社を確認すると、
こんな位置関係だったんですね。
石柱と社のところから振り返ると、
「えっ!! あのポスト、駄知駅の写真に写っていたポストじゃない!?」
千古乃岩酒造の蔵の裏に、ぽつんと立っていました。廃線後に移したんでしょうか。でも、
表通りでもないし、裏通りでもない。廃線後50年になるというのに…。
「不思議????」
長い間気になっていた駅舎の場所は確認できましたが、また新たな疑問が…。すきっとしない気分で、駄知を後にしました。