きっと好きそうだから父にも食べさせたい。
冷蔵のパンだし今週仕事ないからちょっと電車に乗って持っていきたい。
ちょうど郵便物もあったからついでに持っていけばいい。
お墓参りもしてないから仏壇に線香をあげられるし。
いただきものの葡萄も少し持っていける。
そしたらまたピザをご馳走してくれるかな。
…そんな風に妄想した。
二年前ならできたけど今はパンデミックで無理。
パンを食べながら電話する。
「成城石井だから探してみて」って。
(早速買ってきて食べてるよ!美味しいねえ、だって)
きっと好きそうだから父にも食べさせたい。
冷蔵のパンだし今週仕事ないからちょっと電車に乗って持っていきたい。
ちょうど郵便物もあったからついでに持っていけばいい。
お墓参りもしてないから仏壇に線香をあげられるし。
いただきものの葡萄も少し持っていける。
そしたらまたピザをご馳走してくれるかな。
…そんな風に妄想した。
二年前ならできたけど今はパンデミックで無理。
パンを食べながら電話する。
「成城石井だから探してみて」って。
(早速買ってきて食べてるよ!美味しいねえ、だって)
照明が暗めの年期の入った宿泊施設。
その廊下に足を踏み入れたとき、少し視界が歪んだ気がしたのは意識のいたずらなんだろう。
見えるもの。
見えないもの。
仕事の領域。
人類の経験の領域。
触れ合えなくても私たちはこんなに豊かに出会うことができる。
数字は決して伝えないけれど、ひとつひとつ、一人ひとりに、顔と名前と神殿がある。
ヨウセイシャにレモンをふたつお届け。
ついに仕事が再開された
オフィスから業務用携帯が送られてきて
モバイルWi-Fiも送られてきて
充電して充電して
充電ケーブル持って充電ケーブル持って
業務用携帯に関係各位の連絡先を
ぽちぽちぽちぽち入力している
読むべき資料もあるし
出張の準備もある
なのに使い方なんて忘れかけたおもちゃみたいなガラケーに
電話番号を登録している
なんの罰ゲームかと思う正気とは思えない作業
信じられないくらい可笑しい
マスクと消毒液とフェイスシールドと共に
これらの全ての機器を私は背負って出かけるのか!
あまりのことに
大声で笑っている
久しぶりに主要区間の鉄道を利用した。
中途半端な時間だけど人はまあまあ乗っている。
窓は少しだけ開いている。
座ってぼんやり景色を眺めるとなにかが意識に引っかかる。
窓ではなくてその上の空間。
いつも色とりどりの広告で賑やかだったスペースが空っぽでがらんとしている。
吊り広告と扉の横、それ以外は全ての枠が空いていた。
(これは東海道線だぞ)
扉の横に毛を抜きましょうという広告と毛を生やしましょうという広告。
まだ何が引っかかる。
(吊り広告がまるで)
文字を見て理解する。
広告主は全て、JRとAC。
(写真は横須賀線)
先行きはちっともわからない。
この先の世界も社会もこどもたちの未来がどうなっていくのか、さっぱりわからない。
例えば仕事がどうなるのかもわからない。
でも
外では鳥が鳴いている。
蝉が鳴いている。
ゴージャスな空の下、今日も私たちは生きて暮らす。
買ってきたコロッケを美味しいね、って食べながら。
こころが自由ならば。
今日もガリガリくんを食べる
このよの夏。