「お祭りやってて夜店も出てるけど何か欲しいものある?」とこどもにLINEした。
昔なら呼び出したけど、もうだいぶ大きいから出てこない。
歩道からあふれるくらいの人混みを避けて、少し遠くからハッカパイプを探したけど、境内まで入るのはあきらめた。
夜中にぼたもち投げるんだけど、と言っても小さいプラスチックの袋に入った大豆くらいの小さいやつ。
真夜中の山車の迫力と熱気。
ずいぶん昔に見て本気の祭りなんだなと思ったのを覚えてる。
処刑されんとするその瞬間に不思議な光が差し、日蓮聖人を救ったと伝わる龍の口法難。
そのお祭りの起源がね、スーパーノヴァかもしれないっていう記事を読んだ。
…話だけにしても、面白すぎるだろ。
自分じゃないひとが作ったあたたかいごはんがたべたい。
その気持ちをそっと見つめたらその底にあったのは、誰かにやさしくされたい、だったから笑った。
何にしようかな。
しばらく街を彷徨って新しくオープンしたタコスやにした。
手作りトルティーヤにきちんとコーンがつかってあるから香りがいい、でもこんなに繊細で薄いの見たことない。
可愛い木のフォークがついてきて、中身がこぼれたらお使いくださいと(大変日本的に)言われた。
なるほど、メキシコのが厚いのはとにかく用を足すようになってるわけね。
でもそれはそれで。
おいしかったです。
捨てるのが苦手だけど
今度はありったけ捨ててきた
それが私を強くした、とか
Everything happens for a reasonとか
そんなストーリーももう持ちたくないんだ
学ぶこともありがたいお話も今はいらない
昔のまぼろし以外は特に目印のない場所に立っている
でもいい
流れが連れてきたところにいるんだから
上等だ
車の入れない未舗装の小道を抜けると地の果てのような浜に出た。
砂に埋もれる小箱のようなコンクリートの建物。
大きく深くうねる海へと続く桟橋。
遠くに風力発電の風車。
私たちは強い風に煽られてすぐに砂だらけになって、笑いながら歩きにくい砂丘を踏んだ。
船の着くことのない桟橋はまっすぐ沖に400メートル延びている。
風と砂と海、そして桟橋。
グレーチングの上から強く押し寄せる翠の波を見下ろしていたら、懐かしく美しいここがどこだったかわかった気がした。
「座標がちょうど今」と言った人と夢の中で会ったハテノ浜。
そこに本当に来てしまったんだ。