趣味を聞かれると、なんというか返答につまる。
昔は簡単だった。
読書、って言ってた。
ずっとばかみたいに本ばかり読んでたから。
本屋は私にとってお菓子屋みたいなところで、家のあちこちにはいつも蟻塚みたいに本が積み上がっていた。
ある時それが終了した。
そんなことが起きると思わなかったけど。
もう本は(ほぼ)読まない。
もしかしたらその時に私の座学は終わってなんらかの路上に出たのかもしれない。
趣味。
趣味って言葉はすごくシンプルなカテゴリーのラベルだよね。
「仕事」や「勉強」に対する自由時間の使いみちとしての「趣味」。
だけどこれまで生きてきた私は今は。
生きることと学ぶことと遊ぶことは同じひとつのことと感じている。
働くこともそこに入っている。
それでも無理に探してみるなら。
「実際に生きてみないと出会えない面白いことを集めること」が趣味かもしれない。
(え、つまり生きることが趣味?)
窓から鳥が飛びこんでくる、とか
子どもを生んで大人になるのを見る、とか
Your Imperial Highness と発音する、と
か
蛇にごめんごめんとあやまる、とか
うーん
わかってもらえる気がしない。
趣味は散歩。
そう言っておくか。
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