娘を乗せた車を運転しながら「現在」のヒドが「海?そんなことあったっけ」と言ってから、SNSにはヒドの記憶喪失説や「彼」の死亡説が出回った。
あんなに特別な夏を、特別な相手を忘れることなんかありえないはずなのに。死んだ以外に説明はつかない、と。
どうしても私たちは「なんで別れたの?」と思う。不当である、認められない、許したくないと思ってしまう。
20年も経ったら大概のことは忘れてるだろうし許せてもいるはずなのに。
何故?と意識は納得のいく理由を要求するけど、これがそれですというひとつの答えが存在するわけでもない。
ただそうなってしまった。お互いをとても愛してはいても、タイミングが合わずに別れてしまった。そんなことはよくあることだ。
だいたい別れることはそんなに悪いことだろうか。別れというのは出会いを全うしたということでもあるのでは。出会った結果起きることが全て起こり、縁が邂逅のスパークを終えてまたそれぞれの旅へと還っていく。
ああいう愛やこういう愛を、やってみなければ涙の別れもなかったかもしれないけど、それではヒドじゃない。
私たちがこんなに一生懸命に応援したのは、決して何かのせいにはせずに自分で引き受けて進んでいく彼女の覚悟と勇気を愛したからじゃないか。
そうしたら私たちは大きく拍手をして、少しだけ自分も彼女のように、と力をもらえばいいんだと思う。
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